不動産投資に必要な資金はいくら?5つのパターンに分けて詳しく解説
2020 06.4この記事はPRを含みます
不動産投資に必要な資金とは?
不動産投資は、不動産を取得して第三者にそれを貸し出し、家賃収入を得る今注目されている投資方法です。
マンションを1棟買い上げて行う場合もあれば、1室だけを取得して貸し出す方法もあり、サラリーマンでも資金があれば始められる投資方法です。
そんな不動産投資に興味があるものの必要な資金がいくら必要なのか、不安を抱く人も多いでしょう。今回は不動産投資に必要な資金について紹介していきます。
自己資金とは?
不動産を取得するための資金は、借入金と自己資金の2種類があります。不動産投資を考える人の多くが自己資金に不安を抱いています。
そもそも自己資金とは、自分が持っている資金のことです。銀行に預けている預金があればそれは自己資金ですし、現金以外にも相続した土地や株なども自己資金に含まれます。
不動産投資を始める前には、自己資金を把握しておく必要があります。
諸経費と頭金の違い
不動産を取得する上で、取得にかかる諸経費や頭金についても考えなくてはいけません。諸経費と頭金を一緒のものだと考えている人が多いですが、諸経費と頭金は別のものです。
諸経費は不動産本体価格とは別の不動産を取得するためにかかる費用のことで、頭金は不動産の本体価格に対していくら資金を出すかということです。
諸経費には税金や手数料などが含まれ、本体価格の8%から10%ほどの諸経費がかかると言われています。
現金で払う必要がある諸経費
諸経費は基本的に現金で支払う必要があるものです。分割払いや後払いが基本的にきかないものですから、事前に諸経費がいくらで現金をいくら用意しなければならないかを確認しておく必要があります。
頭金と諸経費を一緒のものと勘違いして、頭金ゼロだから現金がなくても投資を始められると思っていると、諸経費を支払えず不動産を取得できないということもありますので、注意しましょう。
不動産投資における自己資金の目安5パターン
では、実際に不動産投資をする場合には、自己資金はどれぐらいを目安に用意したらいいのでしょう。自己資金はたくさん用意できた方がいいことは何となくわかりますが、すべての人が自己資金をたくさん用意できるわけではありません。
ここからは、不動産投資における自己資金の目安を不動産投資の対象になる不動産の種類別、5パターンにして紹介していきます。
パターン1:新築マンション1室
新築マンションを1室購入して投資を行う場合、中古物件よりも入居者を確保しやすいだけでなく、建物の耐用年数の残存期間が長く担保価値が高いというメリットがあります。
そのため融資してもらうことができる額が中古物件よりも高くなる傾向にあります。そのため自己資金を抑えることができます。
新築マンション1室で投資をする場合、用意しておきたい自己資金は本体価格の1割から3割程度です。
パターン2:中古マンション1室
中古マンション1室で不動産投資をする場合、新築マンション1室の場合と違い入居者がつきにくく、建物の耐用年数の残存期間が短いので、金融機関からリスクが高い物件と判断され、融資額が十分に得られないことが多いです。
そのため、自己資金を本体価格の3割は用意してほしいと金融機関から求められることもあります。
中古マンションで投資を考える場合には自己資金をある程度確保しておきたいです。
パターン3:マンション1棟
マンション1棟を所有して不動産投資を行う場合には、そもそも融資を受けることができるかどうかがカギになります。
積算評価(土地と建物をそれぞれ別々に評価し、合算して評価する方法)が付く物件でも自己資金が1割から3割求められます。
年収などの融資条件をクリアしていても、積算評価が付かない物件では融資が受けられず、全額自己資金でまかなう必要があります。
パターン4:新築一軒家
新築一軒家は、投資対象として不向きに思われがちですが、実はそうではありません。賃貸用の一軒家限定で部屋探しをしている人は多いのに供給が少ないという現状があります。
しかも新築であれば借り手を見つけやすいうえ、家賃を高く着けることも可能で、安定的に投資を行うことができます。
フルローンを組むこともできますが、自己資金として本体価格の1割から3割を用意しておくと安心です。
パターン5:中古住宅
中古住宅は、少額の資金で投資をスタートすることができます。数百万円の貯蓄があれば、融資を必要とすることなく投資をスタートさせることも可能です。
適正な家賃付けをすることで入居者を確保することができます。古く汚い物件でも修繕してお得感のある家賃で貸し出すことで入居者を確保することができます。
自己資金ゼロでも大丈夫?
一般的に不動産投資を考える場合にはさまざまなリスクを考慮して、不動産本体価格の1割から3割程度の自己資金を用意しておいた方がいいとされています。
自己資金が多ければ多いほど、リスクが緩和されるのでいいのですが、自己資金が用意できない場合はどうしたらいいのでしょう。
自己資金がゼロの状態で、不動産投資をスタートさせたい場合にはどうしたらいいのでしょう。
自己資金ゼロでもできるフルローン
自己資金がゼロでも不動産投資をスタートしたいという場合には、フルローンを利用することを考えましょう。
フルローンとは、物件を全額融資で購入する方法であり、諸経費を除いて、自己資金がゼロでも物件を購入することができます。
諸経費の現金も用意できないという場合には、諸経費分も融資でまかなうオーバーローンを考えましょう。オーバーローンであれば、本当に自己資金ゼロではじめられます。
フルローンやオーバーローンのリスク
フルローンは自己資金が諸費用のみ、オーバーローンは自己資金が必要ないことから、投資効率は大きく高まるということが言えますが、メリットばかりではありません。
フルローンやオーバーローンは自己資金がないので、借入金額が大きく毎月の返済額も高くなってしまいます。
もし返済が滞った場合、物件を手放さないといけなくなる可能性もあります。それどころか、物件価値が下がり一括返済ができなければ借金だけが残ります。
頭金に影響する要因
フルローンやオーバーローンで不動産投資を行うこともできますが、銀行から融資に際して自己資金や頭金を求められることが一般的ですし、審査も通りやすくなります。
銀行から求められる頭金はすべての人が同じ金額というわけではありません。頭金はさまざまな要因が影響して金額が変わってきます。
ここからは、頭金に影響する要因についてみていきます。
1:職業などの属性
頭金に影響する要因としてまず、職業などの属性が挙げられます。
「年収が低い」「勤務先の経営状態が良くない」「借入金がある」といった属性でマイナス要因がある場合には、リスクを回避するために頭金の水準が高めに設定されることになります。
逆に「年収が高い」「資産を持っている」「一流企業勤め」など属性にプラス要因が多ければ、融資額が多くなり、頭金ゼロでも融資をしてもらえます。
2:新築物件か中古物件かの違い
投資対象となる物件が新築物件か中古物件かの違いでも必要となる頭金が違ってきます。新築と中古では物件評価に違いがあり、借り入れ可能期間に違いが出てきます。
一般的に中古の方が借り入れ可能期間が短くなるので、返済金額が高くなる傾向があります。そのため、頭金を多く必要とします。
また中古の場合、仲介業者が入るので手数料がかかり諸経費が新築よりも増え、そのことも大きく影響します。
3:物件の状況
通常の住宅ローンであれば、借入する人に返済する力があるかを審査して融資可能かどうかの判断がなされます。物件の状況の調査が行われることはありません。
ですが投資物件の場合には、物件の状況の調査も行われます。賃貸として借り手が付くのか、収益性が調べられます。
物件価格や物件の状況から融資額が決定されるので、頭金の額にも影響してくることになります。
4:金融機関
融資の具体的な条件は金融機関により違いがあり、金融機関によって融資の受けやすさも変わってきます。
融資額、返済期間により必要になる頭金には違いが出てきますので、当然のことながら頭金の額に金融機関は影響を与えることになります。
金融機関をいくつかまわり、比較して検討してみると、頭金が少なくても借り入れすることができるということもあります。
5:金融の情勢
金融機関でいつでも同じ条件で融資を受けることができるわけではありません。市場の動向や政策により金融の情勢が変化し、借り入れがしやすい時期(緩和期)と借り入れがしにくい時期(引き締め期)とが出てきます。
引き締め期には頭金の割合が大きかったのに、緩和期には頭金がゼロでも借入出来たということもあり、金融の情勢は頭金の額に大きな影響を与えます。
知っておきたい不動産投資のリスクとは?
不動産投資に必要な資金はいくらなのか、頭金の額に影響する要因などを見てきましたが、不動産投資を実際に行うことを考えるのであればそこに潜むリスクを知っておかなくてはなりません。
ここからは知っておきたい不動産投資のリスクについてみていきます。
空室リスク
不動産投資では空室リスクはつきものであり、不動産投資の最大のリスクでもあります。
空室リスクを避けるためには、物件購入の段階から行動しなくてはなりません。長期的に需要がありそうな好立地の物件を選び、入居者を確保するために募集業務に強い管理会社を選ぶようにします。
空室リスクを避けるためにサブリースなどの手もありますが、手数料がかかりますので必ずしもいい方法とは言えません。
価格変動リスク
不動産投資では、家賃が下落してしまう価格変動リスクも考えなくてはなりません。
当然ですが新築の時が一番高く、建物が経年劣化することにより家賃は下落してしまいます。築3年から10年の下落幅が一番大きいと言われており、その後は緩やかに下落していきます。
価格変動リスクを抑えるためには、比較的価格変動が抑えられると言われている、築20年前後のシングル向けの間取りがいいでしょう。
不動産投資はある程度の自己資金を用意して始めよう
安定的に家賃収入得ることができる不動産投資は、サラリーマンでもはじめることができる資産運用方法です。
不動産投資にはいくつかのパターンがあり、それぞれ用意しておきたい自己資金額に違いがあります。
ですが不動産投資はある程度の自己資金を用意してからはじめた方が、返済不能などのリスクを回避することができ、安定的に経営していくことができるでしょう。