不動産投資の頭金はいくらあれば良いのか|知っておくべき6つのポイント
2020 06.4この記事はPRを含みます
不動産投資の頭金とは
不動産投資の頭金とは、土地および土地に定着している物である不動産を購入する際に、最初に支払うある程度のまとまった現金のことを指します。
不動産投資は自己資金ゼロでも始められる、という話を聞いたことがあるという方もいるでしょう。しかし、実際にはどの程度用意するべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では不動産投資の頭金はいくらあれば良いのか、知っておくべきポイントについて紹介していきます。
不動産投資ローンと住宅ローンの違い
はじめに不動産投資ローンと住宅ローンの違いについて紹介します。
不動産投資ローンと住宅ローンの違いには内容に差があるのか気になる方もいるでしょう。
金融機関から受ける融資であるという点では同じですが、借用目的が不動産投資ローンは事業収益を得るためであること、住宅ローンは自宅として利用することという点に違いがあります。そのほか融資される金額や金利、融資審査内容などに差はあるのでしょうか。
不動産投資ローンの特徴
不動産投資ローンと住宅ローンの大きな違いは「金利」にあります。不動産投資ローンの場合、金利はどんなに低くても1%台、相場としては1.575%〜2.5%程度といわれています。
融資金額の目安は、年収の10倍~20倍程度と巨額になりますが、不動産投資ローンは審査基準面で厳しいところがあるでしょう。また、本人の与信以外にも現在持っている投資物件、融資を受けてこれから購入予定の物件の収益性なども重視されます。
住宅ローンの特徴
住宅ローンは、本人またはその親族が住宅を購入するために利用できるローンであり、金利も低く、不動産ローンと比べても金融機関からかなりの優遇を受けています。
融資金額は年収の5倍~8倍程度です。審査基準では、見るべき点が居住することに限定されているので、本人の与信と物件価値で判断します。
また、住宅ローンは税制面でも住宅ローン控除など優遇されているところがあるでしょう。
不動産投資の頭金を用意する際のポイント6つ
次は、不動産投資の頭金を用意する際のポイント6つについて紹介していきます。
不動産投資の頭金を用意する際のポイントは、頭金の目安、フルローンを組む際の注意点、初期費用が必要な点、ランニングコスト、頭金を多く入れることのメリット・デメリット、資産の効率的な活用を意識しなくてはいけない点があります。
1:頭金の目安は物件価格の1割程度
不動産投資の頭金とは、どの程度あればよいのでしょうか。不動産投資の頭金を用意する際のポイント1つ目として、頭金の目安は物件価格の1割程度だという点が挙げられます。
物件価格の1割程度という目安で考えると、1000万円のワンルームなら頭金は100万用意しておかなければならないということになります。
しかし、これはあくまでも目安に過ぎず、投資対象物件の収益性から考えなければならないでしょう。
頭金の決まりはない
しかし、実際には頭金が絶対に必要という決まりはありません。
不動産投資ローンの中には「フルローン」といって、頭金なしでローンを組む事も可能です。フルローンを活用できれば、自己資金を他のことに使うこともできるので投資家としては魅力的でしょう。
ただ、フルローンの融資は、返済不能になったとき金融機関が損をするリスクも高いため、融資希望者の審査内容が厳しく、誰でも組めるローンではありません。
融資額に影響する属性
ローンを組む際、融資額に影響をしてくるのは融資希望者の属性だといわれています。属性とは、融資希望者の年齢、職業、年収、勤務先、勤続年数、家族構成、過去の金融機関からの借り入れなど、その人を信用できる要素のことです。
金融機関側としては、確かな返済能力を見るための審査を行うため、属性は審査に影響します。
金融機関側としては利益を生む人への融資を行いたいので、高評価を得られる人は融資額が大きくなります。
物件の資産価値によっても変わる融資額
物件の資産価値によっても融資額は変化します。不動産ローンの返済ができなくなった際、その物件を売却した代金から貸金の回収を行うためです。物件の資産価値があれば高い額で売却することができます。
また、物件の収益性も不動産ローンの融資審査で重要です。購入しようとしている投資物件から得られる利益と支出のつり合いを見て融資額が判断されます。
資産価値、収益性が高い物件に関しては融資額が上がるでしょう。
2:頭金なしのフルローンは要注意
不動産投資の頭金を用意する際のポイント2つ目として、頭金なしのフルローンは要注意ということがあります。
頭金なしのでフルローンは、自己資金が自由になり魅力的という話をしましたが、総返済額と総返済利子の金額が大きくなるので、月々の返済額が増えるところがデメリットです。
3:頭金だけでなく初期費用も必要
不動産投資の頭金を用意する際のポイント3つ目に、頭金だけでなく初期費用も必要ということを認識しておかなければいけない点があります。
不動産投資においての初期費用には、不動産登記費用、各種税金(不動産取得税、印紙税)、ローン事務手数料、火災・地震保険料、仲介手数料などが挙げられます。
目安としては、物件価格の8%から10%が初期費用としてかかってくるでしょう。
オーバーローンとそのリスク
オーバーローンとは、物件の購入費用も諸費用もお金を借りて、自身のお金は一切使わない方法です。フルローンと混合されやすいですが、フルローンの場合は諸経費は現金で払う必要があります。
オーバーローンは、諸経費分もお金を借りることで物件の価値以上の金額を借りることになります。オーバーローンで投資が上手くいかなかったとき、物件を手放しても住宅ローンの残金が支払いきれず自己破産になるリスクが高いでしょう。
4:ランニングコストも準備しておく
不動産投資の頭金を用意する際のポイント4つ目として、ランニングコストの準備をしておかないといけない点が挙げられます。
ランニングコストは、諸経費とは別に、設備や建物を維持するために必要となるコストのことです。
不動産投資の場合のランニングコストといえば、物件の管理費になります。物件を自分で管理するのではなく、管理会社に依頼する場合は、家賃収入の5%から8%程度がランニングコストとして必要です。
5:頭金を多く入れることのメリット・デメリットを考える
不動産投資の頭金を用意する際のポイント5つ目に、頭金を多く入れることのメリット・デメリットを考える必要がある点が挙げられます。
頭金が大きいほうがよいか、機を逃すなら頭金が少ない状態でもローンを申請して購入に動くべきか、どちらかで悩む場合もあるでしょう。
頭金を投入する場合はどのくらいの割合で用意するべきなのかを判断するためにも、頭金投入のメリットとデメリットについて考えておきましょう。
頭金を多く入れることのメリット
頭金を多く入れることのメリットは、ローンの返済額や利息額が減り、月々の返済が楽なことです。手元に収益が残るようになれば、繰り上げ返済をしたり修繕積立費に回したりすることができます。
変動金利でローンを組んだ場合、金利変動リスクがありますが、金利は元金に対してかけられるので、元金が少なければ金利が上昇したときに影響をより少なくすることができます。
また頭金が多ければ、ローンの申請に通りやすいというメリットもあります。
頭金を多く入れることのデメリット
頭金を多く入れることのデメリットは、不動産投資の開始時期が遅れることです。不動産投資は基本、始めるのは早いほど良いとされ、最初の物件を担保に2、3件目と事業を拡大していくことで資産を拡大できる投資方法です。
頭金が用意できるまで動けないとなると、資産を増やす機会を逃しているということにつながります。
6:資産の効率的な活用を意識する
不動産投資の頭金を用意する際のポイント6つ目は、資産の効率的な活用を意識することです。
効率的に不動産の物件を増やすには、ローンをフル活用し、最初に購入した物件の収益で次の物件を購入することが大切です。
頭金なしの場合、自己資本を回収する必要がないので、投資額に対する利回りが大きくなります。また、入居者からの家賃収入を返済に充てることができるので、ローンを活用した方が返済期間も短くなります。
不動産投資の本質は長期安定収入
不動産投資の本質は長期安定収入という点です。利息や利回りには、単利と複利がありますが、不動産は複利高価が得られることがメリットとして大きいです。
複利は、利子や収益を元本に含めて継続的に増えていくので、新しい投資元本は最初の投資元本よりも利子や収益分が増えていきます。運用の期間が長ければ長いほど複利効果がより期待できるでしょう。
ローンの繰り上げ返済はしたほうがよいのか?
ローンの繰り上げ返済はした方がよいのか、実際はどうであるのか悩んでいる経営者も多いでしょう。
最後に、繰り上げ返済はした方がよい場合と、しないほうがいい場合の両方についてご紹介していきます。
繰り上げ返済の余裕があればした方がよい
繰り上げ返済の余裕があればした方がよいでしょう。繰り上げ返済は、毎月の決まったローン返済額とは別に、契約者の希望するタイミングで、借入金を前倒しで返済することをいいます。
繰り上げ返済すると、元金が早期に圧縮され、金利負担が元々の返済予定額よりも縮小されます。トータル的にも、返済する金額を減らすことにつながり、余ったお金は次の物件取得への資金に回すことができるでしょう。
定期的な返済に支障が出るような返済はしない
繰り上げ返済は、資金面で余裕がないのならばおすすめしません。「余裕」というのは、日々の収支が計画よりも出ている状態であり、月々の支払い以上の金額を支払っても、資金に余裕があるということです。
繰り上げ返済をやりすぎると、手元の資金がなくなってしまうことがあります。繰り上げ返済によって、定期的な返済に支障が出てしまう場合や、突然トラブルに見舞われた時に手元に現金がないという事態になるのであれば止めておきましょう。
不動産投資における必要な頭金は個人の属性・考え方により一概に決められないが正しい知識で余裕のある返済計画を立てよう
不動産投資の頭金はいくらあれば良いのか、知っておくべき6つのポイントについて紹介していきましたが、いかがでしたか。
不動産投資に興味を持ちつつも頭金が用意できていないことで、自分にはまだ無理だと諦め気味だった方、不動産投資における必要な頭金は、個人の属性・考え方により異なります。
本記事を参考に、頭金なしでも不動産投資ができるということや、その際のリスクなども知識に入れておきましょう。