外貨預金初心者が陥るミス8選|外貨預金を行なう際の注意点3つ
2020 10.21この記事はPRを含みます
外貨預金とは?
日本では金利が低く、普通預金や定期預金に預けてもほとんど利息がつかないため、「外貨預金」に注目している方は多いのではないでしょうか。「外貨預金」とは、日本の円を米ドルなどの外貨に交換して預金することです。
しかし外貨預金は、金利が高いという魅力があるのですが、逆に注意しなければならない点もあります。今回の記事では、外貨預金初心者のために、陥りやすいミスと注意点を解説します。
為替差益の仕組みとは?
外貨預金をはじめるにあたり、利子とともに、為替差益の仕組みを理解しておくことは重要です。「為替差益」とは、為替レートの変動によって利益を生み出すことです。
為替レートは、刻々と変動しています。この変動のタイミングを上手に利用すると、為替差益を期待できます。具体的には、預入時よりも円安の為替相場で外貨を円に換えると、為替差益を得られます。
ですから外貨預金では、利息だけでなく、為替も重要ポイントです。
外貨預金初心者が陥るミス8選
「外貨預金」は一般的に、高い金利と為替差益を期待できますが、いくつか注意しなければならないこともあります。
ここでは、初心者が陥りがちな、「出し入れを頻繁に行う」「複利と単利を理解していない」「元本割れ」「高金利な通貨を選ぶ」「雑所得の申告漏れ」「必要資金を入れてしまう」「ペイオフ制度を理解していない」「為替差益がすべて利益」という8つの点を解説します。
ぜひご覧ください。
外貨預金初心者が陥るミス1:出し入れを頻繁に行う
外貨預金初心者が陥りやすいミスの1つ目は、「出し入れを頻繁に行ってしまう」ことです。外貨預金では、日本の銀行に預金しているような感覚で出し入れすると、利益に大きな影響が生じます。
それは、円を外貨にする場合も、外貨を円にする場合も、それぞれ為替手数料がかかるからです。もし気軽に出し入れしてしまうと、そのたびに為替手数料が差し引かれ、利益が出ないどころか、元本割れさえ起こりかねません。
外貨預金初心者が陥るミス2:複利と単利を理解していない
外貨預金初心者が陥りやすいミスの2つ目は、「複利と単利を理解していない」ことです。利息の計算方法には、「複利」と「単利」があります。
運用期間が長ければ長いほど、この違いは大きな差となります。初心者は、利息が付くということで安心しがちですが、どちらが適用される商品か、しっかりチェックすることは非常に大切です。
ではそもそも、「複利」と「単利」とは何でしょうか。それぞれ、ご説明します。
複利
「複利」とは、一定期間に支払われる利息も元本に含めて新しい元本とみなし、次の利息を計算する方法です。つまり、複利の場合、利息のたびに「元本+利息」が新しい元本となり、ここに次の利息が加わります。
ですから、運用期間が長くなればなるほど、「複利」のほうが大きな利益となります。そのため、外貨預金をはじめる際は、利息の数字ばかりで決めるのではなく、「複利」の商品を選ぶことをおすすめします。
単利
一方、「単利」とは、預け入れた当初の元本についてのみ利息がつく計算方法です。ですから、同じ金利で複利と単利を比べた場合、複利は利息が利息を生みだすので最終的な利息総額は多くなり、単利の方が利益は小さくなります。
複利と単利のどちらが適用される商品か、しっかりと理解しておくことは重要です。
外貨預金初心者が陥るミス3:元本割れ
外貨預金初心者が陥りやすいミスの3つ目は、「元本割れ」です。外貨預金には、為替変動により元本割れをおこしてしまうケースがあります。これは外貨預金における、初歩的で、しかもよくあるミスのひとつです。
たとえば、外貨預金そのものは利子でしっかり収益が出ていたとしても、円に換える際、為替レートをチェックせずにおこなってしまうと、円ベースでは元本割れとなることがあり得ます。
外貨預金初心者が陥るミス4:高金利な通貨を選ぶ
外貨預金初心者が陥りやすいミスの4つ目は、「高金利な通貨を選ぶ」ことです。たしかに外貨預金で利益を生み出すためには、高い金利の通貨を選ぶことは大切です。
しかし、最終的には円に換えることになるので、その国の通貨で利益となっているだけでなく、円に換えた時に利益となっているかまで含めて考える必要があります。それで、為替変動の大きさや情勢なども考慮に入れることが重要です。
外貨預金初心者が陥るミス5:雑所得の申告漏れ
外貨預金初心者が陥りやすいミスの5つ目は、「雑所得の申告漏れ」です。株式や投資信託で発生した収益には、所定の税金がかかりますが、外貨預金も例外ではありません。
外貨預金の「為替差損益」は、雑所得として取り扱われます。確定申告が必要になるかは、その他の要因も関係しますが、申告漏れとならないために、所定の税金がかかることを覚えておく必要があります。
外貨預金初心者が陥るミス6:必要資金を入れてしまう
外貨預金初心者が陥りやすいミスの6つ目は、「必要資金を入れてしまう」ことです。基本的に外貨預金は、余裕資金で、長期にわたる投資が想定されます。
必要資金まで入れてしまい、手元に資金があまり残っていないと、差額差損などのマイナスが出たときにダメージを吸収できず、生活にまで影響が及ぶことになりかねません。余裕資金を外貨預金に回すことで、出し入れにかかる為替手数料も抑えられるでしょう。
外貨預金初心者が陥るミス7:ペイオフ制度を理解していない
外貨預金初心者が陥りやすいミスの7つ目は、「ペイオフ制度を理解していない」ことです。「ペイオフ制度」とは、金融機関が破綻した場合に、預金者への払い戻しを保証する制度のことです。
ただし、外貨預金はこのペイオフの対象外です。日本では、銀行の破綻をあまり想定しないかもしれませんが、海外も同じとは限りません。日本の預金のように保護されていると思いこんでしまうと、がっかりすることになりかねません。
外貨預金初心者が陥るミス8:為替差益がすべて利益
外貨預金初心者が陥りやすいミスの8つ目は、「為替差益がすべて利益」と考えることです。為替差益には、手数料や税金がかかります。
ですから、トータルで考えるようにしないと、思ったほど利益が出ていないということになりかねません。為替差益のすべてが利益ではなく、そこから引かれる手数料や税金を考慮に入れるようにしましょう。
外貨預金を行なう際の注意点3つ
ここまであげてきた初心者が陥りやすいミスは、これから取り上げる3つの注意点を意識するだけで回避できるものがほとんどです。
外貨預金でとくに注意したいキーワードである「為替変動のリスク」「為替手数料がかかる」「預金保険制度の対象外となる」という3つの点を、具体的に解説します。ぜひご覧ください。
外貨預金の注意点1:為替変動のリスク
外貨預金の注意点の1つ目は、「為替変動リスク」です。為替変動リスクとは、為替相場の変動によって損失が発生する危険性のことです。
外貨預金の場合、その外国通貨の中では利息による収益があっても、為替変動により円に換えた場合、利益を得られていないということがあり得ます。もちろん反対に、為替相場の変動でより大きな利益となることもあります。
いずれにしても、為替変動のリスクを念頭に置くことがポイントです。
外貨預金の注意点2:為替手数料がかかる
外貨預金の注意点の2つ目は、「為替手数料がかかる」ことです。為替レートには、「TTS」といわれる円を外貨に換えるときのレートと、「TTB」といわれる外貨を円に換えるときのレートがあり、通常、為替手数料がその中に含まれています。
この為替手数料は、一般的にネット銀行のほうが安く設定されていますので、外貨預金をはじめる際は、ネット銀行を利用するのもひとつの手といえます。
外貨預金の注意点3:預金保険制度の対象外となる
外貨預金の注意点の3つ目は、「預金保険制度の対象外となる」ことです。預金保険制度とは、金融機関が破綻した場合に預金者を保護する制度のことで、1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1000万円までとその利息が保護されます。
しかし、外貨預金はこの対象とはなりません。ですから、万が一銀行が破たんすることも想定して、1つの銀行に多額の預金を預けることは避けるとよいでしょう。
外貨預金は初心者でもはじめやすい
外貨預金にも、まったくリスクが存在していないわけではありません。初心者の陥りやすいミスがいくつかあり、注意点も存在します。
しかし全体的に見れば、外貨預金は初心者でもはじめやすい資産運用です。今回取り上げたポイントや注意点を加味しながら、外貨預金をはじめてみるのはいかがでしょうか。資産運用の良い選択になるはずです。