ドライと冷房の電気代はどれくらいかかる?上手に使い分ける3つのコツとは
2020 10.21この記事はPRを含みます
ドライと冷房の違いとは
最初にドライと冷房の違いについて解説します。ドライと冷房の違いとは、冷房は「温度を下げる」ことを目的としたもの、ドライは「湿度を下げる」ことを目的としたものです。
どちらも涼しくなりますが、「温度」と「湿度」を下げることではどのように涼しさが違ってくるのでしょうか。
そこで、まずはドライと冷房のそれぞれの役割から解説していきます。
ドライ(除湿)の役割
まずはドライ(除湿)の役割について解説します。ドライ機能は部屋の湿度を下げてくれます。この「湿度」とは、空気中の水分量のことを指します。
そのため、ドライ機能は気温が高くなると増える湿度を、エアコンで吸い込み熱交換器で熱を奪って温度を下げ、水滴として集まった水分をホースで外に出します。そして、除湿された空気を部屋に戻します。
ちなみにドライの機能には再熱除湿と弱冷房除湿の2つの機能があるものが多いです。
再熱除湿
再熱除湿は室温を下げないで部屋の除湿することができます。再熱除湿の場合は、部屋の湿度の高い空気を集めて余分な水分を除去し、除湿によって温度を下げた空気を温め直して部屋に戻します。
こうすることで部屋の温度は下げないで、湿度だけを下げることができます。つまり、この再熱除湿では部屋の温度は下がらない、ということです。
例えば、梅雨時季などの気温は高くないけど、湿度が高いときには再熱除湿が効果的です。
弱冷房除湿
続いて、弱冷房除湿についてですが、弱冷房除湿は部屋の湿度の高い空気を集めて余分な水分を除去し、湿気が取り除かれた空気をそのまま部屋に戻します。
再熱除湿とは違い、空気をあたためないで、冷やした空気をそのまま戻すことです。そのため、人によっては肌寒く感じることもあります。つまり弱冷房除湿は、「弱」で冷房をかけている状態と同じだということになります。
冷房の役割
冷房は「温度」を下げることを目的としています。冷風を吹き出し、部屋の温かい空気を排出して、温度を下げるのが冷房です。
除湿機能によっては温度が下がらない場合もあるので、冷房を使わない限り、室温が下がることはありません。
よく、冷房とドライはどちらが電気代を抑えつつ、涼しくなるのかと疑問に挙げられることも多いですが、そもそも使用環境や設定温度、設定湿度によって変わるので一概には言えません。
ドライと冷房の電気代はどれくらいかかる?
冷房よりも、ドライのほうが電気代が高くなるということを耳にした方も多いのではないでしょうか。確かにドライは冷房に比べると高くなるというのはあながち間違ってはいませんが、基本的には再熱除湿>冷房>弱冷房除湿の順に安くなるといわれています。
つまり、ドライの機能によっては、高くもなり、安くもなるということになります。では、ドライの場合と冷房の場合を比較していきましょう。
ドライの場合
ドライの場合は再熱除湿と弱冷房除湿の2種類があり、新しい冷房には「ハイブリッド除湿、新ハイブリッド除湿」という機能もあります。
弱冷房除湿は消費電力は冷房よりも少なく、再熱除湿は冷房より多くなると言われています。
ハイブリッドは温度はやや下がりますが、消費電力は少なく、新ハイブリッドは温度はやや下がりますが、消費電力は再熱より少なく、ハイブリッドより少し多くなるでしょう。
冷房の場合
冷房の機能は部屋の温度を下げることを目的としています。そのため、設定温度や設定湿度に左右されるため、一概にはいえませんが、冷房の場合はドライと比較すると、再熱除湿より消費電力は低くなり、他の除湿よりは消費電力は高くなると言われています。
このことから、「再熱除湿」は「冷房」よりも電気代が高くなり、「弱冷房除湿、ハイブリッド除湿、新ハイブリッド除湿」は冷房よりも電気代は安くなる傾向であることがわかります。
ドライと冷房はどちらの電気代が安い?
ドライと冷房、結局どっちの電気代が安くなるのか、ということになるわけですが、実は正確には電気代を算出するのは難しいのです。
そもそもエアコンの電気代は、契約電力会社、使用環境、設定温度によって異なります。
ただ、おおよそならば、消費電力(kW)×27(円)=電気代で計算できます。例えば1時間使用、消費電力が560wの場合は0.56kw×1×27円=15.12円となるわけです。
「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の見分け方
ドライの機能、再熱除湿と弱冷房除湿はすべてのエアコンに標準装備されているわけではありません。
エアコンは弱冷房除湿は搭載されていても、再熱除湿は搭載されていない、または再熱除湿のみというものもあります。
基本的には再熱除湿が搭載されているエアコンはグレードが高くなります。また、メーカーにもよりますがリモコンで除湿機能を切り替えることができるモデルもあります。
ドライと冷房はメーカーごとに電気代が変わる
そもそもドライと冷房はメーカーごとに電気代が変わります。それは、ドライの方式や温度設定によって電気代が異なるからです。
例えば、10畳用のエアコンをメーカー別に比較すると、A社では冷房時消費電力が515W、B社では冷房時消費電力が540W、C社では冷房時消費電力が545Wというデータもあります。
このようにメーカーによっては能力が違うため、消費電力異なり電気代も変わってくるのです。
ドライと冷房を上手に使うポイント3つ
では、ここからはドライと冷房を上手につかうポイントを3つ紹介します。ドライと冷房は上手に使えば電気代を抑えつつ、快適に過ごすことができます。
まずはエアコンの設置について、次に上手な切り替え方、最後に快適に感じる温度を解説していきます。
それぞれのポイントをしっかり抑えて、無駄のない使い方をしていきましょう。
ドライと冷房を上手に使うポイント1:設置する部屋の面積に合わせる
ポイントの1つ目は置く場所にあった性能のエアコンを設置することです。
例えば部屋の広さの場合は、エアコンには6〜9畳用というものがありますが、6〜9畳の部屋に使えるということではなく、木造家屋なら6畳、鉄筋コンクリートなら9畳が適正といわれています(※南向きの場合)。
さらに条件では、例えば木造か鉄筋、南向きか北向きというだけでも室温が変わってきます。これらの条件に合わせてエアコンを選ぶことが必要です。
ドライと冷房を上手に使うポイント2:ドライと冷房の切り替えは適切に
ポイントの2つ目はドライと冷房の切り替えを適切に行なうことです。冷房の場合は部屋を冷やすこと、ドライの場合は湿度を下げることが目的です。
この特性を活かした使い方を適切に行うことで電気代の節約、快適な室温を保つことができます。
ドライによっては部屋の温度を下げる機能もあるので、思いっきり温度を下げたいなら冷房、少し温度と湿度を下げたいならドライと使い分けすることがおすすめです。
ドライと冷房を上手に使うポイント3:ドライと冷房の快適な温度の目安
ポイントの3つ目は、快適な温度の目安を見つけることです。温度が高いとなる目安は30℃(真夏日)といわれています。31℃を超えると熱中症の危険があると環境省のサイトに記載されています。
つまり、室温が30℃を超えたら冷房を、28℃前後ならドライを使うようにすると快適に過ごせます。
ただし、人によっては快適と感じる温度は違うので、暑くは無いけどジメジメという場合は再熱除湿を利用するなど工夫をしましょう。
ドライと冷房を上手に使い分ける3つのコツ
では、最後にドライと冷房を上手に使い分けるコツを紹介します。温度を下げたいか、湿度を下げたいのかでも、どちらを使うかは人によっては変わってきます。
上手に使い分けることで、暑い日も涼しい日も快適に過ごせ、さらに頭の痛い夏の電気代も節約できます。
しっかりコツを抑えて節電対策と快適な環境を整えていきましょう。
ドライと冷房を上手に使い分けるコツ1:湿度が高く暑い日の場合
湿度が高く暑い日はドライ機能の「弱冷房除湿」を使いましょう。例えば、室温が30℃で少し暑いけど我慢できないほどではない、でも湿度が68%もあるとき「蒸し暑い」と感じる方も多いのではないでしょうか。
この場合は、室温も少し下げつつ湿度を下げることで快適になります。室内での快適な湿度は、40〜60%が快適な湿度といわれています。
部屋の湿度が60%を超えて、少し暑く感じたなら弱冷房除湿の使用がおすすめです。
湿度は40%~60%の間を目安にして、必要な場合は加湿や除湿を行いましょう。
ドライと冷房を上手に使い分けるコツ2:湿度が高く寒い日の場合
湿度が高いけど、肌寒く感じる日は「再熱除湿」を使いましょう。例えば梅雨の時季、室温が26℃くらいとそれほど寒くないのに、湿度が70%超えるなどで不快に感じたりはしないでしょうか。
そのような時は、再熱除湿で室温を下げずに、湿度だけを下げることで肌寒い日でも快適に過ごせます。
ただし、冷房に比べて、再熱除湿機能は電気代が高くなるので暑いと感じたなら冷房よりも電気代が安い弱冷房除湿に切り替えましょう。
ドライと冷房を上手に使い分けるコツ3:すごく暑い日の場合
すごく暑いと感じたなら、冷房を使いましょう。熱中症の危険が伴うのは31℃を超えてから、つまり真夏日を超えたら気をつけなければいけません。
特にご年配の方や赤ちゃんは体温調節がうまくできない場合があるので、30℃を超えたら冷房を使うことがおすすめです。
また、すごく暑い日にドライ機能を使うと室温が下がらないばかりか、かえって電力を消費することもあるので注意しましょう。
ドライと冷房を使い分けて電気代をお得にしよう
ドライと冷房、使い方によっては電気代は高くもなり、安くもなります。
まとめると31℃を超えたら冷房、湿度が高いが30℃前後なら弱冷房除湿、気温は低いが湿度が高いなら再熱除湿と、その日の気温、湿度を見極め上手に使い分けるのが電気代の節約のコツになります。
ドライと冷房を上手に使い分けて、快適な環境、節電対策をしてみましょう。