不動産のLTVを活用するポイント3つ|LTVを用いた商品事例2つ
2020 10.21この記事はPRを含みます
不動産のLTVとは
不動産のLTVとは「Loan to Value(ローン・トゥー・バリュー)」の略称で、「総資産有利子負債比率」という意味です。所有物件の資産価値に対する負債の割合を指すことを意味していて、「負債額÷物件価格」で求められます。
もし、現在所有している物産のLTVを知りたい場合には、実際にこの式で計算してみると良いでしょう。LTVは高くない方が良いと言われていますので、実際にどうなのかを詳しく紹介します。
概要
LTVとは、通常はパーセントで表しフルローンで100パーセント、全額自己資産で0%ということになります。LTVが低ければ、リスクも少ないので財務健全性が高いといわれています。
LTVが低い場合、銀行から融資を受ける際には非常に有利に働くでしょう。このLTVの数値から不動産を購入する際にどの程度融資に頼ったのかを知ることがきるため、ご自身のLTVを把握しておくことが大切といえます。
LTVの計算式
LTVは、有利子負債÷総資産×100で計算することができます。総資産の部分を時価などに移し替えることもできます。この計算式によって、LTVの数値を把握することができるので、自分の財務健全性の状態が分かります。
不動産投資をするにあたり、こうした財務健全性はチェックすることが大切です。計算をすることで自分のリスクを知ることもできますから、より安全な資産運用が可能になるでしょう。
不動産のLTVを活用するポイント3つ
不動産のLTVを活用するポイントを3つ紹介します。不動産のLTVを活用するポイントを知ることで、不動産投資をこれから行う方も不動産投資を現在進行形で行なっている方も、今後の不動産投資に役立てる事ができるでしょう。
例えば、LTVと自己資産のバランスの取り方や投資物件の選び方などを考えることができます。LTVの活用ポイントを押さえ、より良い不動産投資を行いましょう。
活用するポイント1:LTVベースの投資物件の選び方
LTVベースの不動産投資物件の選び方をすることで、どのぐらいのリターンを見込めるかが見極められます。
LTVのパーセントが低い場合、ローリスクですがローリターンになってしまいます。逆に、LTVが高い場合ハイリスクハイリターンになるので、そういったバランスを考えた不動産投資を行うことが大切です。
例えば、リスクも含めて自分にあった不動産を選ぶことが出来たら、より良い投資ができるでしょう。
不動産投資におけるLTVは80%以下が理想
不動産投資において、LTVは80パーセント以下が理想とされています。LTVは低ければリスクが低いといわれていますが、ハイリターンを望む場合はある程度の数値の確保が必須になります。その参考の数値としまして、80パーセント以下といわれています。
もし、5000万円の不動産物件に3000万円の借入がある場合は、LTVが60パーセントになるのでバランスが取れています。また、LTVの低い物件の方が金利の低いローンを組みやすいです。
数値が高い場合のリスクウェイトとメリット
数値が高い場合のリスクとメリットについてご紹介します。
まず、数値が高い場合のリスクはローンが返済できなくなることがあるという点で、メリットは数値が高いほど収益が高くなる傾向にあるという点があげられます。
リスク面を見ると不動産でのローン返済ができなくなることに備えておくことが大切ですが、回避できればその分収益を上げることが出来ます。
活用するポイント2:LTVテストの活用
LTVテストを行うことで、不動産投資に活用する事ができます。返済予定のローン残高÷不動産評価額で算出した数値で、LTVテストを行う事ができます。このテストでわかる事は、返済できるかの想定とリスクに対しての蓄えが十分かという点です。
例えば、不動産投資に対して現在の状態を知りたい場合はLTVテストを行なっておいた方が良いでしょう。簡潔にいうと、自分の持っているリスク率を測るのに使うテストといえます。
活用するポイント3:総資産を簿価で評価するか、時価で評価するか
総資産を簿価か時価で評価するかをLTVの計算式で見る事ができます。そのため簿価での判断と、時価での判断で差ができてしまう事があるので注意が必要です。
この計算をする事で、今不動産物件を売却した際の損益を知る事や、現時点での不動産の価値を知る事ができます。
自分の不動産の価値を知る事で、売却する際のリスクなども考える事ができるので算出する事が大切でしょう。
簿価LTVの計算式
簿価の計算式は、有利子負債÷帳簿価格×100で算出することができます。簿価評価とは、会計帳簿に記録されている評価額の事です。変動は考慮せずに購入後の不動産を売却した際の損益を知ることができます。
この計算をする際には、時価との計算で算出された数値での差が生じることがあるので、注意が必要です。簿価LTVだけだと、確認出来ない損益もあります。
時価LTVの計算式
時価LTVの計算式は、有利子負債÷(帳簿価格÷含み損益)×100で算出することができます。時価LTVは、不動産価格の高騰とともにLTVが低下するため、不動産バブルを起こしかねないのが注意すべき点です。
例えば、時価LTVが低く銀行融資が通った場合、将来的に物価が暴落した際のリスクが大きくなってしまいます。そのリスク回避をするためには、簿価LTVも必要となります。リスク回避にも繋がるので2つのLTVを算出することが大切です。
LTVを用いた商品事例2つ
LTVを用いた商品事例を2つ紹介します。商品事例を知ることで、不動産投資の際に役立てる事ができます。事例2つを比べてみて、より自分にあったLTVを用いた商品を利用しましょう。
例えば、少額から始められる不動産投資もできる商品や、複数人で複数の不動産を所有し収益を上げる商品があります。自分にあった商品を選ぶ事が、収益を上げることに繋がります。強みと弱み、良い点と悪い点を理解することが特に重要です。
LTVを用いた商品事例1:エクイティ型クラウドファンディング
エクイティ型クラウドファンディングは、少額でも自分の不動産を所有したい方におすすめの商品です。1つの不動産に対して、クラウドファンディングによって複数の投資家からの資金提供で不動産を購入し、そこで生まれた収益を分配するというシステムです。
注意すべき点は、ハイリスクハイリターンになることもある点でしょう。ですので、実績がある運用会社を元に投資すべきか考える必要があります。運用会社の調査も慎重になることをおすすめします。
LTVを用いた商品事例2:J-REIT
J-REITは、不動産投資信託と呼ばれる投資の1つで、複数のオフィスや店舗ビル、アパートなどを投資家から集めた資金で購入し収益を分配するシステムです。証券取引所に上場しているので、流動性が高いのが特徴です。
メリットとして、個人では購入できないような高い不動産を購入する事ができる点があげられます。一方で、個別の株式投資と同様に価格変動や上場廃止といったリスクもあげられるので、懸念が必要な面もあります。
LTVを基準に不動産を選ぶ注意点
LTVを基準の不動産を選ぶ際の注意点を紹介します。LTVとは、簡潔にいうと借入金への依存度を数値化したものなので、LTVを基準に不動産を選ぶ際にはリスクなども考慮する必要があります。
例えば、金利が低くなる傾向にあるものでいうとLTVが低い不動産を選ぶ事がポイントですが、リターンも少なくなります。そういったバランスの取り方が大切です。
1:LTVだけを鵜呑みにしない
LTVだけを鵜呑みにしない事が大切です。LTVが低い事が、借入金が低いからこそリスクが低いともいい切れませんし、リスクは存在します。また、LTVだけで不動産を選ぶことによって収益をあげられないこともあります。
LTVと自己資産額のバランスを取ることによってより高い収益を得る事ができるので、LTVの数値だけを鵜呑みにしない事が大切です。
2:ファンドや企業の運用実績を確認する
ファンドや企業の運用実績を確認する事が大切です。不動産投資において、LTVや利回りだけを見て判断して損をすることも多くあります。損失を回避するためにも、ファンドや企業の運用実績を確認する事が大切です。
例えば、利回りだけで不動産を選んだ場合、運用に失敗した場合は大きな損害を被ることもよくある事例の1つです。投資プランを検討する参考資料として、リスクから回避するためにも確認は必要になります。
3:短期の資産売却なら自己資金の効率がよくなるかもしれない
短期の資産売却によって、自己資金の効率がよくなることも十分にあります。
時価LTVの変動で、不動産の値段が変わることは当たり前のようにあるので、短期の資産売却で自己資金の効率を上げるという手法もあるので忘れないようにしましょう。
例えば、時価LTVの暴落が起きる前に資産売却が出来た場合、運用が成功できたといえるでしょう。そういった価格変動を考えて、短期での資産売却も考慮すると、さらに良くなるでしょう。
LTVを計算する際の注意点
LTVを計算する際の注意点を紹介します。LTV計算をする際に、必ずしもそのパーセントのまま変動しないという訳ではありません。都度計算する事が大切ともいえるので注意が必要です。
例えば、時価の変動があれば簿価とのパーセント差が出来てしまい不動産バブルによるリスクがあるので、リスクを回避するためにもそういった面に注意して計算する事が大切です。
時価と薄価の2つのLTVを含む損益を常に計算することが大事と言えます。
物件取得時の価格と算出に用いる評価額の開き
物件取得時の価格と算出に用いる評価額の開きは、よくある事例なので注意が必要です。簿価LTV計算だけではなく、時価LTV計算によって算出された数値により損益を知ることが出来ますが、それが物件取得時と変動することは当たり前に起きることです。
例えば、時価暴落もあることなので、短期売却で運用するのか長期的に見ているのかで不動産選びをすることも大切です。
不動産のLTVを活用しよう
不動産のLTVを活用することで、収益をうまく上げることができます。LTVを活用することで、銀行融資を受けることや資産の売却などに広く役立てることができます。
また、LTVが低いからリスクが少ないという見方もできますが、LTVとのバランスが取れているから収益があげられるということも合わせて知ることができます。不動産のLTVを活用しより良い不動産投資を行うことが大切で、そうすることでLTVの有効性が増すでしょう。