アパートオーナーとは|オーナーになる前に知っておきたいリスク8つ
2020 10.21この記事はPRを含みます
アパートオーナーとは
「アパートオーナー」というのは、不動産投資でアパート1棟を所有してアパート経営をしている人のことです。
ちなみに、賃貸の集合住宅ではアパートとマンションがありますが厳密な定義というものはありません。
一般的には3階~4階の低階層の物件や木造物件をアパートと呼び、高階層で鉄筋コンクリートまたは鉄骨鉄筋コンクリート造などで建造されている物件をマンションと呼ぶことが多いです。
アパートオーナーがすること
アパートの入居者募集や家賃の回収、建物の管理、定期的な点検やメンテナンス、清掃から入居者のトラブル対応などオーナーがするべき仕事は多岐に渡ります。
このように、アパートオーナーは賃貸物件に関わるあらゆることをする必要がありますが、詳しくない人や他に本業がある人が対応するのは厳しいです。そのため、建物の管理を管理会社に委託することがほとんどです。管理会社に任せると、アパート管理がグッと楽になります。
アパートオーナーになる前に考えること
アパートオーナーになるとしても、まず新築アパートオーナーになるのか中古アパートオーナーなのか、アパートへの投資を自己資金で行うのか不動産投資ローンを利用するのか、など決めておかなければならないことが多々あります。
ここからは、新築アパートと中古アパートのメリットとデメリットの違い、自己資金やローンについて、マンションオーナーとアパートオーナーに違いはあるのか、について解説いたします。
新築アパートか中古アパートか
新築アパートオーナーになるか中古アパートオーナーになるかは、用意できる資金額によって考えてみるとよいでしょう。
多額の資金を用立てられる人なら、新築アパートオーナーの方が物件価格は高いものの、新築プレミアムの賃料設定をしたりしばらく修繕がないなどのメリットがあります。あまり資金が用意できない場合は、中古アパートの方がお手軽価格で物件を手に入れられるのでおすすめです。
自己資金かローンを組むのか
アパートオーナーになりたいなら、新築か中古かのアパートを所有する必要があるため、購入に自己資金を使うのかローンを組むのかも考えておきましょう。
ただ、全てを自己資金で賄うことができる人は少数でしょう。たいていの人はローンを選択することになります。新築の場合は約1割、中古の場合は1割から2割程度の頭金を求められることがありますので、物件の価格の1割から2割は自己資金で用意する必要があるでしょう。
マンションオーナーと何が違うのか
アパートオーナーとマンションオーナーの違いですが、マンションの方が取り扱う戸数が多くなり、建物の構造もアパートとは違いますのでより長い耐用年数があります。
前述したように、アパートとマンションには明確な定義というものがありません。アパートというのは一般的に、低い階層しかない建物や建物の構造が木造のものを言います。必然的に、高階層まであるマンションの方が1棟あたりの戸数は多くなるでしょう。
アパートオーナーになる前に知っておきたい経営リスク8つ
アパートオーナーは不動産投資であるため、必ず成功するという訳ではなくリスクがあることを知っておきましょう。
アパートオーナーになったからといって、必ず安定した家賃収入が得られて不動産投資が成功する、という訳ではありません。不動産投資もやはり投資なので、リスクがあります。ここからは、アパートオーナーになった時に起こる可能性のあるリスクについて紹介いたします。
リスク1:多額の諸経費
アパートオーナーになるためにアパートを所有した場合、取得時に費用が必要なだけでなく、月々の管理費として諸経費が多くかかることに注意してください。
よく「利回り」が提示されていますが、この利回りはたいてい「表面利回り」です。管理などの費用を計上していません。年間の経費も計算した利回りは、「実質利回り」と言います。表面利回りだけ見ていると、諸経費の負担の多さに「こんなはずじゃなかった」、となりかねません。
物件購入時
アパートを購入した時、アパート経営の初期費用として物件購入費用の他に「不動産取得税」・「登記費用」・「印紙代」などの費用がかかります。
もしもローンを利用して購入した場合は「アパートローン手数料」が必要になるでしょう。また、ローン加入時の条件として通称「団信」と呼ばれる「団体信用生命保険」への加入を求められたり、地震保険や火災保険に加入することが多いので、これらの保険料の支払いもあります。
管理時
アパートオーナーとなった後も、毎月の「管理費」や「水道光熱費」といった月々のコストや各種保険料の支払いが発生します。
水道光熱費は、アパートの共有部分のものです。管理会社にアパートの管理を委託した場合には管理費用がかかります。
価格は各管理会社によりますが、一般的には家賃の5%程度と計算しておきましょう。これらの他に、アパートのメンテナンス費用として修繕費やリフォーム代がかかることもあります。
リスク2:多額の借入金
アパートの購入をローンで行った場合は、毎月の家賃収入から多額の借入金の返済を行っていく必要があります。
注意が必要なのは、この毎月のローンの返済は家賃収入がない時も行う必要がある、ということです。もともと、家賃収入をあてにしてローンを組むことが多いのですが、たとえ何かしらの理由があって家賃収入が滞ってしまった場合でも、ローンの支払いを免れることはできません。
リスク3:節税目的で安易に始めると危険
節税目的でアパートオーナーになることを考える人もいるのですが、節税できればいいやと安易に考えてしまうのは危険でしょう。
アパート経営は所得税対策になることは有名です。しかし、損益通算といった節税効果が目的の場合は、アパート経営で損をしていることが前提になっているので注意してください。
損益通算で節税できるというのは、アパートオーナーとして失敗した分を他の収入で相殺することです。
リスク4:空室・家賃引き下げによる不安定な収入
アパートオーナーとして経営をする上で避けて通れないリスクとして、アパートの「空室リスク」があります。入居者を募集してもなかなか入居者が現れず、空室のままだと家賃収入を得ることができません。
新築の時は家賃を高めに設定できますが、1人でも入居者が入った後は新築の家賃相場で設定することは難しくなります。また入居者が思ったように現れなかった場合に、家賃を引き下げる必要がでてくる場合もあります。
リスク5:トラブル対応
もしもアパートの管理を管理会社に任せていなかった場合は、アパートオーナーが自らのアパートで起こったトラブルに対応する必要も出てくるでしょう。
ここで言うトラブルとは、アパートにまつわることだけでなく、入居者間のトラブルなども含まれています。アパートの管理を管理会社に任せていれば、こうしたトラブルにも対応してもらえるでしょう。しかし、そうでなかったなら、アパートオーナー自ら対処する必要がでてきます。
リスク6:建物の老朽化による修繕費
アパートは災害の影響や経年劣化によって老朽化し、いずれ修繕する必要が出てくるので、修繕費についても計画しておかないといけません。
新築アパートを購入した場合は、ただちに修繕費が問題になることはほとんどないでしょう。中古アパートだった場合は、物件によってはすぐに修繕が必要になるケースもあります。そうならないためにはあらかじめ、物件の修繕時期について調べておくとよいでしょう。
リスク7:築年数の経過とともに税金が増える
アパートオーナーとしてアパート経営した場合、築年数の古いアパートであればあるほど税金の負担が増え、オーナーにかかる負担が大きくなる傾向にあります。
普通、アパートの築年数が経過すれば物件の価値が下がることで収入が減ると共に、税金も安くなるように考えがちです。しかし、アパート経営の場合は築年数の浅い物件の方が税金は安くなると言われています。
減価償却費による節税効果がなくなる
アパート経営において支出を伴わない費用として計上できる「減価償却費」ですが、法定耐用年数によって計上するため、築年数が経つと減価償却費が少なくなる、または計上できなくなります。
例えば木造アパートの耐用年数は22年です。20年を超える頃からは費用計上できる減価償却費はどんどん少なくなり、22年を超えると計上することができなくなります。会計上の費用が少なくなるため、支払う税金が増えていきます。
リスク8:災害リスク
火災や地震などの災害によって、アパートの建物そのものに被害が発生するというリスクがあります。例えば、地震によって建物の外壁が崩れたりしたような場合には、修繕する必要がでてきます。
こういった災害が原因による修繕は、前もって計画しておけるものではないため注意が必要です。日本は災害の多い国だと言われていますので、早いうちに地震保険や火災保険に加入して備えておきましょう。
アパートオーナーのメリットは
ここまでは、アパート経営におけるリスクについて紹介してきました。アパートオーナーとなる前に知っておきたいリスクではあるのですが、それらのリスクを考慮してもなお、アパートオーナーになるメリットはあるのでしょうか。
不動産投資は、副業としても人気が出てきています。ここからは、アパートオーナーになることでのメリットについて紹介しますので、見ていきましょう。
資産形成効果
若いうちからアパート経営を始めることで、老後に向けた資産形成をするという効果が見込めます。
老後の資金対策として、年金だけでは不安だという人は年々増えています。この老後の資金対策になると、毎月の不労所得として家賃収入が見込めるアパート経営は人気があります。もしもアパートオーナー本人に何かがあった時も、家族にアパートを財産として残すことも可能です。
節税対策
アパートオーナーのメリットとして、アパート経営でもし損失が出た場合に、他に収入があればそちらと損益通算して所得税を節税することが可能になっています。
このほかには、相続税の節税対策としてアパート経営をするというのも有名でしょう。現金という形で残されていれば、そのまま相続税の対象として評価されますが、アパートという不動産は土地や建物での評価となるため、現金よりも評価額が低くなります。
アパートオーナーはメリットとリスクを考えるべきである
アパートオーナーになってアパートを経営することは、リスクのあることです。しかし、リスクのない投資はありません。そう考えるなら、不動産投資は低リスク低リターンと言われています。リターンは少ないけれど、リスクも少ないということです。
アパートオーナーになることを考えている方は、アパート経営にはどんなリスクがあるのかを知り、それに備える方法も調べておきましょう。