kinple金融(kinyu-)の世界をsimpleに

【諸費用】土地購入時にかかる諸費用の押さえるべき要点13個|注意点は?

2020 10.21この記事はPRを含みます

土地購入の際にかかる一般的な費用は?

土地を購入する際は、売買代金のほかにも仲介にかかる諸費用、納税にかかる諸費用、登記にかかる諸費用、金融機関にかかる諸費用などが必要になるでしょう。

ここでは、売主、仲介者、代理人、金融機関などへ支払う諸費用について解説していきますので、参考にしてください。

土地購入時にかかる諸費用の押さえるべき要点13個

土地を購入する場合、仮契約から本契約、引き渡しを受けた後でも、売買代金のほかにも諸費用を負担しなければなりません。

諸費用の総額を知っておくことは、購入資金を金融機関から借入れて調達する際に重要になってきますので、事前に必要な諸費用の金額を調べておきましょう。

仲介手数料

仲介手数料は、宅地建物取引業者へ不動産取引の仲介を依頼した場合、その取引が成立したときに成功報酬として支払うものです。土地を購入する際にかかる大事な諸費用の一部でしょう。

報酬(手数料)が業者のモチベーションに影響を与えることもあるので、金額が妥当であるか判断してから依頼するか検討しましょう。

押さえるべき要点1:計算方法

宅地建物取引業者が受け取れる仲介手数料は、宅地建物取引業法という法律により上限が定められています。不動産取引の実務では、売買価格に応じて3%から4%を掛けた額に2万円または6万円の調整金を加えて算出します。

【売買価格が400万円を超える場合】売買価格×3%+6万円+消費税

【売買価格が200万円を越え400万円以下の場合】売買価格×4%+2万円+消費税

【売買価格が200万円以下の場合】売買価格×5%+消費税(調整金なし)

宅地建物取引業法

押さえるべき要点2:不動産会社所有の土地を直接購入すると不要

土地を購入する際に必要な仲介手数料は売買価格に比例して負担が増えていきますが、これを負担しなくても土地を購入できる場合があります。宅地建物取引業者の中には、自社が所有する土地を販売しているところもあります。

宅地建物取引業者が自ら売主となる場合は、買主から仲介手数料を受けとることは宅地建物取引業法により禁止されています。

宅地建物取引業者が販売する物件を購入できれば仲介手数料を負担しなくて済みますので、土地購入にかかる諸経費の負担を抑えられるでしょう。

仲介手数料についてー公益社団法人全日本不動産協会ー

報酬費

土地を購入した場合、土地の引渡しを受けるほか、所有権移転登記をして、買主へ名義を変更する必要があります。所有権移転登記は複雑で専門性が高いので、司法書士に依頼することが一般的です。

また、土地購入資金を金融機関からの融資で用意する場合、司法書士が関与しないと融資が受けられないこともあります。司法書士に支払う報酬は、専門家を関与させるという大事な諸費用の一部です。

引き渡しまでに準備することー公益社団法人全日本不動産協会ー

押さえるべき要点3:対象地域の平均を調べられる

日本司法書士会連合会は、2018年1月、全国を8ブロックに区分して会員のなかから無作為に抽出した者を対象にして報酬についてアンケート調査をし、各地域の平均額等を公表しました。

この調査によると、土地1筆と建物1棟の売買(所有権移転登記)では、もっとも低額な東北地区の平均が42,999円、もっとも高額な近畿地区の平均が64,090円となっています。

もちろん、それぞれの地域、事情、条件などにより報酬額の増減が生じますが、報酬について交渉するときの参考にして、諸費用の負担を少しでも抑えてみましょう。

報酬アンケート結果(2018年(平成30年)1月実施)

登録免許税

一般的に不動産を購入したら所有権移転登記の手続きをするでしょう。

所有権移転登記を申請するときに納付しなければならない税金のことを登録免許税といいます。

なお、納付額が1円でも不足している場合には登記の申請が却下されますので、欠かせない諸費用の一つです。

登録免許税の税額表:【国税庁】

押さえるべき要点4:評価額に対して計算される

土地購入の場合、売買による所有権移転登記の申請をしますので、土地の評価額で税額を算出します。

2021年3月31日までは租税特別措置法により軽減税率が適用されるので、土地の評価額(固定資産評価額)×1.5%で税額を算出します。

租税特別措置法第72条関係-法務局ー

押さえるべき要点5:登記申請時に収入印紙で納付

登録免許税は、登記を申請するときに収入印紙で納付することが一般的です。金券ショップで収入印紙を購入して使用すれば、諸費用の負担を少しでも抑えられるでしょう。

他にも銀行などの金融機関から専用の振込用紙を使っての振込納付や、インターネットでオンライン申請をするときの電子納付手続きもあります。

確定測量費

確定測量費とは、確定測量図を作成してもらうために土地家屋調査士などに支払う報酬のことで、土地購入にかかる諸費用の一つです。

確定測量図は、道路を含めた隣接地の所有者の立会いのもとに確認した境界を基準に測量して作成されます。

ちなみに測量図には、土地の所有者の主観による境界を基準に測量をした現況測量図、土地の「登記を所管する法務局に備え付けられた測量図」の地積測量図(公図)もあります。

押さえるべき要点6:実測取引を希望する場合は買主負担

土地購入では、売買に先立って確定測量図を基準に売買価格を決める実測取引と地積測量図(公図)を基準にして売買価格を決める公簿取引があります。

実測取引は、正確な土地の広さや境界の確認がなされるので後のトラブルを避けられますが、土地家屋調査士の報酬だけでなく協力者への謝礼などが必要になることもあります。

土地購入で実測取引を希望するのは買主側がほとんどで、恩恵を受ける買主側が諸費用の負担を求められる傾向にあります。

押さえるべき要点7:かかる費用の条件

確定測量費は、売主負担、売主買主の折半で負担などの方法もあるので、十分に交渉の余地があります。

特に地価の高い地域だと仲介業者が負担してくれたりすることもあります。これは売買価格が高額なため、受け取れる仲介手数料もかなりの額になるでしょう。費用を負担しても十分に利益があると業者側が判断したからだと考えられます。

いろいろな条件を提示して交渉すれば諸費用の軽減につながるでしょう。

押さえるべき要点8:隣地の協力が必要

確定測量には、隣接地の所有者の立会い・境界の確認が必要なので事前に説明して協力を得る必要があります。

隣接する道路の所有者に対しても同様で、公道であっても所有者である官公署に協力を求めなければなりません。

押さえるべき要点9:購入前に土地家屋調査士に相談する

公簿されている測量図が正確であれば、実測取引をしなくても図面と現況の境界を確認するだけで取引できることがあります。しかし、取引後に実測によって面積に差が生じていても価格は増減しないので注意が必要です。

土地購入の諸費用の負担を少しでも軽くしたい場合、契約前に仲介業者から資料をもらって土地家屋調査士に相談するとよいでしょう。

固定資産税

固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地や建物などの不動産を所有する人に対して課される税金です。一般的な納税方法は年4回の分割払いですが、一括払いが選択できることもありますので、各市町村に確認してみましょう。

ここでは、土地購入に欠かせない諸経費の一つである固定資産税の精算について解説します。

固定資産税等について:【総務省】

押さえるべき要点10:所有権が移転する時点での税額を計算

土地購入では、売買契約で固定資産税の負担と負担額の算出方法を定めることが一般的です。

具体的には、契約で定めた所有権が移転する日を基準にして、移転日前は売主が負担し、移転日からは買主が負担するものとして、課税額の総額から日割で算出します。

押さえるべき要点11:売主へ年度分の残りを売買代金と併せて清算

不動産を年度途中で売却した場合でも、1月1日時点の所有者である売主がその年度の固定資産税の納税義務者となり、支払い義務を免れられません。

売主にとっては、既に所有者ではない期間の税金を負担しなければならないのは不合理なことです(この負担分を未経過固定資産税とよんでいます)。

そこで、買主から売主への未経過固定資産税の精算を行うことが一般的です。

未経過固定資産税等の取扱い:【国税庁】

不動産取得税

不動産取得税とは、土地・建物を売買・贈与などで取得したとき、または建物を新築・増築したときに都道府県が一度だけ課税する地方税のことです。

不動産の取得などをして6ヶ月から1年半くらい経過してから納税通知書が届きます。

土地購入では、不動産取得税も欠かせない大事な諸経費の一つです。

不動産取得税

押さえるべき要点12:住宅としての不動産は軽減措置がある

不動産取得税の税額は、固定資産税評価額に対して一定の税率で算出されますが、要件を充たせば軽減措置を受けられます。

住宅を取得した場合や住宅を新築した場合、一定の要件を充たしているのであれば、軽減措置の適用を受けて諸経費の負担を抑えましょう。

押さえるべき要点13:土地を先に購入した場合

土地購入が住宅を新築する目的だった場合(令和3年3月31日までの取得に限る)は、一定の要件のもとで土地購入後に住宅を建築すれば、不動産取得税の軽減措置が受けられます。

要件を充たして軽減措置の適用を受けて諸費用の負担を抑えましょう。

2 不動産取得税の計算方法取得した不動産の価格(課税標準額)*1 × 税率*2*1 令和3年3月31日までに宅地等(宅地及び宅地評価された土地)を取得した場合、当該土地の課税標準額は価格の1/2となります。*2 税率は以下のとおりです。取得日 土地 家屋(住宅) 家屋(非住宅)平成20年 4月 1日から令和3年 3月31日まで 3/100 4/100

https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/fudosan.html

土地購入の諸費用に関する注意点3つ

土地購入の場合、ここまで説明してきた交渉次第で軽減できる諸費用、交渉しても軽減できない諸費用がありました。

ここからは、土地購入が農地法にかかる場合の諸費用、購入資金を金融機関のローンで調達する場合の諸費用、土地購入で非課税となる税金のことを解説します。

農地法

諸費用に関する注意点1:農地の転用が関係する場合

土地購入では、その対象としている土地が「農地」に該当するかどうか注意が必要です。

農地に該当する場合は、土地購入前に都道府県の農業委員会へ「農地の売買」又は「農地の転用」についての届出又は許可の申請をしなければなりません。

「農地の転用」の許可が出れば、土地購入前に地目を農地以外に変更する必要がありますので、地目変更にかかる費用負担の問題がでてきます。

土地購入にかかる重要な諸費用の一部なので、契約前に十分交渉する必要があります。

農地転用許可制度の概要:【農林水産省】

諸費用に関する注意点2:ローンを利用して購入する場合

土地購入で金融機関のローンを利用して売買代金を調達する場合、次のような諸費用が掛かるでしょう。

①印紙税(契約書用)
②抵当権設定登記にかかる登録免許税及び司法書士報酬
③保証会社への保証料
④火災保険料(地震保険料)
⑤団体信用生命保険料

金融機関との契約にかかる諸費用も欠かせない大事なものです。

諸費用に関する注意点3:非課税となる特例がある

土地購入においては、法律の特例によって土地の売買代金には消費税が課せられません。

もし、土地の売買代金に消費税を含めた額を提示された場合、売主が非課税のことを知らないか不当に代金を釣り上げている可能性がありますので注意してください。

非課税となる取引:【国税庁】

土地購入にかかる諸費用を確認しよう

土地購入では、土地代金のほかに諸費用が必要になります。金融機関からの融資を受けようとする際、購入代金だけではなく諸費用を考慮した額の融資の申し込みを勧められるでしょう。

諸費用は、事前に十分に調査・準備をして交渉すれば減額できるものもあります。土地購入は、人生で何度も体験できないことなので慎重に冷静に判断して進めることが大切です。

\ お金の勉強をしよう/
ページの先頭へ