アパート経営でかかる税金の重要事項3つと税金を抑える方法4つ
2020 10.21この記事はPRを含みます
アパート経営にどのくらい税金がかかる?
不動産投資をはじめる方は増えてきています。不動産投資の一貫としてマンション経営やアパート経営をはじめる人もいるのですが、経営をはじめるにあたって気になるのが税金でしょう。
アパート経営で得られた家賃収入から、修繕積立金や管理費用などの費用を引き、さらにそこから税金を支払ってはじめてアパート経営者の手元に残る資金となります。アパート経営でどんな税金があるのか、どの位支払う必要があるのでしょうか。
課せられる税金の種類
アパート経営をするときにかかる税金は主に5種類で、「所得税」・「住民税」・「個人事業税」・「消費税」・「固定資産税」です。
アパート経営をして、他人に物件を貸して家賃収入という収入が入ることで発生する税金が所得税、住所や事業所を有する個人に支払い義務のある住民税、地方自治体に支払う個人事業税があります。
消費税は課税対象となる物件があるかどうか、固定資産税は固定資産税評価額に応じて支払う税金です。
アパート経営でかかる税金の重要事項3つ
アパート経営をしていく上で支払う必要のある税金は多いですが、必ずしもアパート経営をしているから課税の対象だ、となる訳ではないことも重要です。
アパート経営の規模によっては税金がかからない、課税の対象にならない場合もあるということです。例えば個人事業税という税金は、アパート経営で10室以上から家賃収入がある場合に税金支払いの対象となります。10室以下なら、課税の対象にならないということです。
税金の重要事項1:家賃収入はどれくらいか
アパート経営では家賃収入に対して税金を支払う義務が発生するので、その家賃収入がどれくらいなのかをきちんと計算しておきましょう。
アパート経営で発生する収入には、毎月の家賃や礼金・敷金・更新料や管理費などがあります。アパートに駐車場があれば、貸駐車場として駐車場代も収入になるでしょう。このうちどれを家賃収入として税金の対象に計上するのか、どれを除外してもよいのかは決まっています。
家賃収入に含まれるもの
家賃収入に含まれるもの、簡単に言えば課税対象になり税金の支払いが発生する収入は基本的にアパート経営者が返還しなくてよい収入のことだと考えてください。
例えば、アパート経営として貸し出した部屋の月々の家賃は入居者に返還することはないので、家賃収入として計上します。収入の中で返還する必要のないものとしては他に礼金・駐車場代金などがあるでしょう。管理費や更新料なども返還しないので家賃収入となります。
家賃収入に含まれないもの
家賃収入に含まれない、税金として課税の対象にならないものとは入居者に返還する必要がある収入のことを指しています。
有名なものでは、「敷金」があります。多くの場合で、アパート経営における敷金は原状回復費用として預かるお金ということになっています。つまり、入居者が退出時に原状回復をする必要がない場合は、敷金を返還しなければならないので家賃収入になりません。
ただし、返還しない敷金は家賃収入になります。
税金の重要事項2:必要経費を確認
アパート経営における税金を考える上では、家賃収入と共に必要経費の計算もしっかりして税金を少なくする対策が一般的です。どんな費用が必要経費と認められるのか・認められないのか紹介します。
必要経費をしっかり押さえておくことは大切です。家賃収入が多くて予想される税金の支払いが多額になってしまったような場合でも、必要経費をしっかり計上すれば支払う税金の額を抑えられる可能性があります。しっかりチェックしておきましょう。
必要経費に含まれるもの
アパート経営において必要経費として認められるものは、税金、保険料や業務委託している管理会社への管理費、税理士や司法書士に依頼した場合の費用、修繕費・減価償却費やローンの利子などです。
必要経費として税金と書きましたが、全ての税金が対象なのではなく、所得税や住民税は必要経費に含まれません。必要経費となる税金は固定資産税・不動産取得税や登録免許税などです。
必要経費に含まれないもの
支出の中でも必要経費に含まれないものもあり、所得税・住民税などが代表的なものになります。
他の注意ポイントとして、経営をしているアパートに経営者も住んでいた場合は、「家事按分(かじあんぶん)」として一定の割合は発生した費用が必要経費に含まれなかったりします。プライベートでも使用しているとなると、その部分は必要経費になりません。
税金の重要事項3:かかる税金は不動産所得で決まる
アパート経営で支払う必要のある税金は「不動産所得」の額で決まります。簡単な計算方法としては「不動産の家賃収入-必要経費=不動産所得」となるでしょう。
計算して出た最終的な不動産所得の額によって控除額や税率が決まり、最終的な税金額となります。そのため、不動産で得た家賃収入がかなりの多額であったとしても、しっかりと必要経費を計上することができればある程度節税するのが可能になることがあるということです。
不動産所得にかかる所得税率を算出する
アパート経営における所得税がいくらくらいになるかは不動産所得額により違うのですが、一般的には住民税と合わせて3割位になると言われています。
例えば、不動産所得額が195万円以下ならば控除額は0で税率5%、330万円以下で控除額9.75万円で税率10%、695万円以下で控除額42.75万円で税率15%となっています。もっとも高額の4,000万円以上では控除額479.6万円、税率45%です。
アパート経営で税金を抑える方法4つ
アパート経営で税金を抑えるにはどんな方法があるのか、4つほど紹介いたします。
アパート経営に対する税金というのは、経営で得た不動産所得額によって変動すると解説してきました。不動産所得額が低ければ低いほど税金の税率が低くなりますので、不動産所得額をどれだけ圧縮することができるかが支払う税額に大きく関わります。
支払う税金を抑えるために必要経費の計上や減価償却費・損益通算の活用や青色申告を検討しましょう。
税金を抑える方法1:必要経費の計上漏れがないようにする
税金を抑えるための対策として必要経費の計上漏れがないようにするというのがあります。これは必要経費とできるものは全て必要経費にすることを意味しています。
ただし、ありもしない費用を必要経費として計上してしまうことは、後から税務調査などでそれが明るみに出ると大変な事態になる可能性がありおすすめしません。必要経費になる支出をしっかりと、漏らさず計上するようにしましょう。
税金を抑える方法2:減価償却費を計上する
減価償却費はアパート経営ではアパートそのもの、そしてアパートにある設備について経年劣化していく分を減価償却費として計上することです。
建物の構造によって減価償却が計上できる耐用年数に違いがありますが、アパートに多い木造では耐用年数22年です。
減価償却費は、必要経費の中でも実際の支出を伴う費用ではありません。帳簿の上だけで費用として計上するので、減価償却費を計上できる間はしっかりと計上しましょう。
税金を抑える方法3:損益通算を活用
損益通算を活用することで、サラリーマンが副業として不動産投資をする場合に税金を抑えることができる可能性があります。
損益通算とは、不動産投資、今回の場合はアパート経営において生じた損失を、損益通算を通じてサラリーマンとして得た収入と合わせて計上することができるというものです。その結果、所得を減らし、税金を抑えることができることがあります。
税金を抑える方法4:青色申告をする
アパート経営で発生する税金を抑える方法としては、青色申告をすることで受けられる「青色申告特別控除」で控除額を増やす、という方法があります。
アパート経営での税金は不動産の所得額で決まると紹介してきました。青色申告特別控除ではこの不動産所得額から最大55万円、e-taxによる申告を行えば最大65万円の控除ができますので、税金を抑えることが可能になります。(2020年4月現在)
アパート経営でアパートを売却するコツ3つ
アパート経営をしているうちにおそらく経験することになるのが、アパートの売却です。アパートの売却においてどんな費用が必要となるのか、不動産の査定を受ける際のコツや申告についてなど紹介していきます。
アパートを売却するにあたって、できるだけ高く売却できればそれだけ得になるでしょう。そのためにどんなポイントに気をつけておけばよいのか、思わぬ費用がかかるようなことはないのか、3つのコツを見ていきましょう。
アパート経営でアパートを売却するコツ1:別途別の費用を確認する
アパートを売却するだけなのに別途費用がかかることがあります。アパート売却に関わる費用として考えられるものは、売却に関わる不動産会社への仲介手数料、不動産の売買契約書に必要となる印紙税、抵当権抹消費用などがあります。
またこの他に必要になる可能性のある費用として、不動産の測量費や査定費用、場合によっては解体費用や廃棄物処分の費用、引っ越し費用などが必要となる場合があります。
アパート経営でアパートを売却するコツ2:一括査定をする
アパート売却で物件をなるべく高く売るためには、不動産の取引相場を押さえておくことが重要です。そこでおすすめなのが、「不動産の一括査定」をして物件の相場を調べることです。
「不動産の一括査定」では、物件の情報を入力することでさまざまな不動産会社から査定額を提示してもらうことができます。オンラインでも行うことができるため、さまざまな不動産会社で「一括査定」をしてもらって、相場を確認しましょう。
アパート経営でアパートを売却するコツ3:譲渡所得税が発生したら確定申告をする
アパート売却をした最に譲渡益が出て譲渡所得税が発生してしまう場合がありますが、そのときは必ず確定申告をしておきましょう。
アパートのような不動産を売却する場合は、不動産の譲渡で得られる所得から不動産取得費用と譲渡費用を引いて利益がでた場合に譲渡所得税が発生します。この場合は確定申告をする必要があります。
また、もし譲渡で損失がでた場合も確定申告をすれば税金を抑えられる可能性があるので、申告することをおすすめします。
アパート経営には税金対策を!
アパート経営をしていた場合、必要となる税金は多くおろそかにはできません。きちんと対策をしなければ、アパート経営で得られる家賃収入がかなり税金で減ってしまうこともあります。
税率や控除額が異なるため、計算が難しく感じるかもしれません。そのような人は専門家に相談してみてもよいでしょう。
アパート経営では家賃収入として計上する項目や、必要経費として計上できる費用がないかしっかり調べて、支払う税金が少なくできるような対策をおこないましょう。