kinple金融(kinyu-)の世界をsimpleに

大家が自主管理できる仕事内容|自主管理のメリットとデメリット各4つ

2020 10.21この記事はPRを含みます

目次

自主管理とは

マンションの運営管理を管理会社に委託せず、各部屋を保有している居住者たちで行うことや、所有している賃貸用の物件を大家である自分自身で管理することを自主管理といいます。

大家として自主管理を選択する場合はその仕事内容や、良い点と悪い点を把握し、自分に合っているかをしっかり考えてみましょう。

大家の自主管理は大変か

大家として自主管理を行う場合、入居者への対応、賃貸料などお金の管理、物件そのものの管理までやるべき仕事が数多くあるため、それなりの時間が必要です。どのくらいの規模の賃貸物件を管理するかによって大家の負担は変わってきます。

不動産管理のために使える時間が少ない人や不動産投資の初心者は、余裕がなく大変だと感じることも多いでしょう。ただし、自主管理はひとつひとつの業務をこなしながら経営を学べる魅力的な面もあります。

大家業における自主管理の仕事内容8つ

自主管理を選択した大家がやるべきことは大きく分けて8つあります。ここからは主な業務を紹介します。

自分でできるかどうかを判断するために、どのような業務があるのかを具体的に知っておきましょう。

自主管理の仕事内容1:家賃管理

自主管理をする上で、大家としてまず気になるのは家賃管理でしょう。決められた家賃がきちんと収められているかどうかは不動産投資の成功に直接関わってきます。

家賃が滞っていないかの確認だけでなく、納税や物件を維持するための支出などしっかり管理して把握しておきましょう。

自主管理の仕事内容2:滞納の督促

自主管理では家賃の支払いが滞っているときに連絡を入れるのも大切な仕事です。あらかじめ借地借家法に定められている建物賃貸借に関する知識を頭に入れておくことをおすすめします。

督促は故意による未払いではない場合を考え、トラブルにならないよう電話連絡、書面、住居への訪問と段階を追っていきます。最終的には内容証明郵便を利用し法的手段にも備えておきましょう。

自主管理の仕事内容3:募集活動

入居者募集に関しても自主管理の場合は、大家自らが積極的に動かなければ借り手はみつかりません。募集チラシやインターネットを利用して入居者を募集してもなかなかスムーズには決まらないでしょう。

空室を埋めるには仲介会社の利用が有効です。仲介料は発生しますが、入居希望者の内見まで任せることが可能です。

空室の情報は複数社の不動産会社に共有することができますが、鍵の受け渡しなどで問題が起こるケースも出てくるので注意しましょう。

自主管理の仕事内容4:営業まわり

自主管理をする大家に営業力は必須です。空室を埋めなければ、収入が減ってしまうため、退居後はできるだけ早く次の入居者を見つける必要があります。

仲介会社へ渡す物件に関する細かい資料(マイソク)を用意し、素早く営業回りをしなければなりません。懸命にアピールし仲介会社側に印象付けることが、入居者の確保へと繋がります。

自主管理の仕事内容5:更新関連の作業

契約の更新時期が迫ってきたとき、自主管理している大家がしなければならないのは、仲介してくれた不動産会社への連絡です。遅くても更新日の2~3カ月前までには退居するかどうかを確認してもらいます。更新する場合は必要な手続きを進めてもらいましょう。

一般的には更新料の中から更新事務手数料を不動産会社に支払いますが、会社によって異なるので、仲介をお願いする時点で更新時の内容まで確認しておくといいでしょう。

自主管理の仕事内容6:退去の受付・立会・清算

入居者から自主管理を行っている大家に更新しないとの意思が伝えられた場合は、仲介不動産会社に連絡します。退居すると連絡を受けた時点から、次の入居者を探すことが可能です。

入居の時点で預かっている敷金の清算を明確にするため、退居時にはできる限り大家が立ち合いチェックをします。内装業者へ立ち合いを依頼するとさらに安心です。通常、敷金は清算後、1カ月以内を目安に入居者の口座へ振り込みます。

自主管理の仕事内容7:リフォームの手配

退居後のリフォームや部屋の清掃も自主管理している大家の仕事です。退居することが決まってから実際に退居するまでの期間内にリフォーム業者を決めておきましょう。次の入居者が速やかに入居できるよう、リフォームに要する期間も忘れずに確認してください。

前入居者の責任ではない箇所のリフォームや清掃は大家が負担することになります。その時点でリフォームすべきかどうか、資金も考えて検討し進めていきましょう。

自主管理の仕事内容8:電灯系の交換

管理しているアパートやマンションの共有部分の補修や電灯の交換は、入居者が故意に壊さない限り自主管理している大家が行います。

また、部屋の中であっても賃貸借に関する書類に書かれている修繕などの義務がある設備に関しては、大家が責任を持って対応しなければなりません。こちらも、入居者に責任がない場合のみとなります。

大家業として自主管理するメリット4つ

賃貸物件は価値が下がらないようきっちり管理し、空室にならない工夫をしなければなりません。自主管理にすれば、それなりに手間もかかります。

大家業として自主管理している人はどういったメリットに注目しているのでしょうか。自主管理をするメリット4つを順番に見ていきましょう。

自主管理するメリット1:賃貸経営のノウハウが身につく

賃貸に関わることを全て自分で行わなければならない自主管理は、業務をこなしながら覚えることも多く、実践の中で賃貸経営のノウハウを学ぶことができます。

不動産経営に携わった経験がない人、少ない人は戸惑う場面も多いでしょうが、自ら動くことで不動産管理に関するスキルアップが望めます。

自主管理するメリット2:費用が抑えられる

自主管理をすることで、管理会社へ支払う分の委託料を節約することが可能です。支出が少なくなる分、利回りが良くなります。

空室状態でも、その間だけ管理費の支払いを止めることはできません。管理会社によって異なりますが、家賃の数パーセントは支払うことになるため、高い収入を得ている物件であれば支出は大きくなります。

毎月家賃入居者が決まらない期間が長くなれば、その分だけ支出が増えていくため経営に響くでしょう。

自主管理するメリット3:物件の変化に気付きやすい

自主管理の場合、大家自身が建物の状態に気を配ることができます。点検や修繕が必要な箇所をすばやく把握し対応することが可能です。

建物の管理が行き届いているかどうかは、入居希望者が住居を選ぶ際に必要な要素となります。物件の変化に早く気付き手を打つことは、不動産の価値や入居率を維持していく上でも重要です。

自主管理するメリット4:業者などの人脈が広がる

業者との関りが増え、人脈が広がることも自主管理を選ぶメリットです。

入居者募集をお願いする仲介不動産会社から、メンテナンスや修繕を依頼する業者まで様々な人と会い、話をする機会が多くなります。賃貸物件の相場をはじめ賃貸経営に役立つ知識を得るチャンスにも恵まれるでしょう。

また、掃除や建物の点検で大家が保有している賃貸物件に出向くことで、入居者との距離も縮まり、より良い関係を築くことも期待できます。

大家業として自主管理するデメリット4つ

自主管理は良い面だけではありません。管理の質を落とさないよう大家自身で動かなければならないことから、物件によっては対応できない場合もあります。管理会社の力が必要かどうかを判断するためにも、自主管理のデメリットも確認しておきましょう。

自主管理するデメリット1:常に対応できる体制が必要

設備の不具合や住民間で問題が生じたとき、自主管理している大家へ直接連絡が入ります。連絡は24時間昼夜を問わず入る可能性があります。話を聞いたらなるべく早く、何らかの策を講じなくてはなりません。

本業が忙しく、すぐに対応するのは難しいこともあるでしょう。問題が大きくならないよう、いつでもクレームなどへ対応できる体制をしっかり整えておく必要があります。

自主管理するデメリット2:時間と手間がかかる

管理が行き届かない物件は価値が下がってしまいます。自主管理の場合、時間や手間がかかっても大家としてやるべき仕事はきちんとこなさなければなりません。

サラリーマン投資家であれば、自主管理のために使える時間は限られてきます。資金面から建物の管理まで手を抜かずにこなさなければ、不動産投資では理想的な結果が得られないでしょう。

自主管理するデメリット3:地方は客付けが難しくなる可能性

空室の期間をできるだけ短くしたいと焦っても、地方では客付けが難しい場合があることを理解しておきましょう。

地方では不動産の仲介と管理の両方を手掛けている会社が多く見られます。そうした会社では自社が管理している物件を優先的に紹介するため、仲介だけを依頼してもなかなか入居希望者の紹介がこないことがあります。

自主管理するデメリット4:目の届く範囲の物件しか対応出来ない

居住地から離れた場所に投資用の物件を所有している場合は、たびたび足を運んで管理をすることが難しくなります。何か問題が起きて入居者から連絡がきても、迅速に対応できるとは限りません。

大家の目が届く範囲でなければ、細かい対応は困難です。すぐにかけつけることができない場所の物件は、自主管理には不向きと判断できます。

大家業として自主管理する際のポイント2つ

大家業を自主管理で成功させるために、押さえておきたいポイントが2つあります。自分では手に負えない部分を他に任せることで、スムーズに自主管理業務を行うことができます。

ポイント1:修繕業務はアウトソーシングする

自分では対応が難しい設備や建物の修繕は、外部に委託するようにしましょう。入居者から仲介不動産会社へ連絡が入ったときは、費用や技術の面で信頼できる修繕業者を紹介してもらうとスムーズに対処できます。

同様の経験を繰り返すうちに、どの業者へ依頼するといいのかがわかってくるでしょう。良心的な業者が見つかれば、電話一本で直接依頼できるので時間や手間が少なくなります。

ポイント2:アウトソーシングする他の管理業務・管理会社選び

すべてを自主管理することが難しい場合は一部の業務を管理業者へ委託することも可能です。決まった時間や曜日だけ物件の管理を委託すれば大家としての仕事や管理に関わる時間を減らすことができます。

管理会社を利用すると自主管理よりも支出は多くなりますが、業務内容や時間を少なくすれば支払う金額は少なくなります。料金や業務範囲、管理の質は管理会社によって違うため、情報を収集し検討しましょう。

大家として自主管理している人の成功例・失敗例

大家として自主管理をし、成功している人は、少ない予算で入居者の希望に沿うリフォームを行い、居心地のいい居住空間を提供する努力をしています。自ら声を掛けるなど、入居者の確保にも積極的です。

頻繁に起こる設備の不具合、周辺環境における問題で入居者からの電話連絡が多く、対応に疲れ自主管理をあきらめる大家もいます。時間や気持ちに余裕が持てなくなれば、自主管理は失敗してしまいます。

自主管理の大家業に挑戦してみよう

大家業として自主管理を選択するときは収益面だけでなく、メリットやデメリットと自分の状態を合わせて吟味しましょう。

自主管理は建物の管理から、営業、経理まで不動産経営の知識を勉強するチャンスにもなります。クレームへの対処といった負担のかかる仕事もこなさなければなりませんが、将来、不動産でしっかり収入を得ていく準備として捉え挑戦してみましょう。

\ お金の勉強をしよう/
ページの先頭へ