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テナント物件の経営で定期借家契約するメリット6つ|入居させる際の注意点

2020 10.21この記事はPRを含みます

テナント物件の契約方法2つ

テナントとして貸し出す場合の契約方法には、定期借家契約と普通借家契約の2種類があります。

オーナーとしてテナント物件を経営する場合、契約方法には上記の2種類があります。普通借家契約は一般的な契約方法ですが、定期借家契約はオーナーにさまざまな有利な条件が定められているため、オーナーとしてテナント経営をする場合にはぜひ押さえておきましょう。

ここではテナント物件の契約方法について紹介します。

定期借家契約 普通借家契約ー国土交通省ー

テナント物件の契約方法1:普通借家

普通借家とは、決められた契約期間が満了する際に賃貸契約を更新できる契約です。

一般的な賃貸借契約で、契約期間は1年以上で設定します。借り主からの中途解約が発生した場合、金銭を支払うなどの特約を決めることが可能です。

また、借り主は賃貸契約を更新することが可能なので、オーナーに特別な事情がない限り、解約したり更新を拒絶することはできません。

テナント物件の契約方法2:定期借家

定期借家とは、期間満了とともに必ず契約が終了する契約です。

定期借家契約は契約の更新がないため、期間満了時には借り主は必ず明け渡す必要があります。契約時には契約期間を決めた上で、公正証書などの書面によって契約することになります。

また、オーナーは借り主に対して、期間満了と共に契約が終了することを説明する必要があります。

テナント物件の経営で定期借家契約するメリット6つ

オーナーとして物件管理をする場合、定期借家契約にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

一般的な賃貸借契約とは異なる特徴を持つ定期借家契約ですが、オーナーにはさまざまなメリットがあります。ここではテナント物件の経営で定期借家契約するメリット6つを紹介します。

定期借家契約するメリット1:契約の合意が条件などオーナーに権限がある

定期借家契約でテナントを貸す場合、借り主が再入居を希望する場合にはオーナーの合意が必要になります。

前述のとおり、定期借家契約では期間満了時には借り主は必ず物件を明け渡す必要があります。再入居することも可能ですが、その際にはオーナーの合意が絶対条件となっているため、オーナーが有利だと言えます。

定期借家契約するメリット2:マナーの悪いテナントの再入居を防ぐ

定期借家契約でテナントを貸す場合、マナーが悪い借り主の再入居を拒否することができます。

普通借家契約では借り主が希望すれば契約を更新することができます。また、たとえマナーの悪いテナントであっても、よほどの事情がなければ立ち退きさせることはできません。

しかし定期借家契約の場合は期間が満了になれば退去してもらうことができ、再入居も防ぐことができます。

定期借家契約するメリット3:借主都合の中途解約

定期借家契約でテナントを貸す場合、借り主都合の中途解約は認めていません。

普通借家契約の場合、借り主は定められた金銭を支払うことで中途解約が可能です。しかし定期借家契約の場合、借り主に転勤や親族の介護といったやむを得ない事情がない限り解約することができないため、オーナーに契約期間分賃料を保証していると言えます。

定期借家契約するメリット4:入居期間1年未満の設定も可能

定期借家契約でテナントを貸す場合、オーナー次第で入居期間1年未満の設定が可能です。

普通借家契約の場合、契約期間は1年以上で設定することになっており、通常は2年で設定されています。一方、定期借家契約の場合は1年未満でも設定できるため、オーナーの都合に合わせて契約期間を設定できます。

定期借家契約するメリット5:特約により値上げが容易になる

定期借家契約でテナントを貸す場合、賃借料の値上げがしやすい契約になっています。

ただし、普通借家契約も含めて、賃料増減額請求(借地借家法32条)が存在しますので、定期借家だから値上げができるというわけでも、貸主に一方的に有利な値上げ(いわば「言い値」での値上げ)ができるわけでもありませんので注意が必要です。

定期借家契約するメリット6:成長を見込めるテナントを入れられる

定期借家契約でテナントを貸す場合、これから成長が見込めるテナントでも入れやすいです。

普通借家契約の場合、賃料の滞納などよほどのトラブルがない限り、なかなかすぐに退去してもらうのは難しい場合があります。

一方、定期借家契約の場合は契約期間満了時の退去が決まっており、さらに契約期間も1年未満という短期に設定できるため、普通借家契約では入れにくいテナントでも受け入れることが可能です。

定期借家契約でテナントを入居させる際のポイント3つ

定期借家契約でテナントを入居させる場合にはいくつかのポイントがあります。

ここまで紹介したとおり、定期借家契約は基本的にオーナーに有利な契約となっているため、借り主とトラブルが発生することもあります。そのため、テナント経営で定期借家契約する場合にはいくつかの点に気をつけましょう。

ここでは定期借家契約でテナントを入居させる際のポイント3つを紹介します。

入居させる際のポイント1:締結時に公正証書を作成する

定期借家契約でテナントを入居させる際には、オーナー義務として公正証書を作成しましょう。

前述のとおり、定期借家契約では契約時には契約期間を決め、公正証書などの書面によって契約したほうが良いのではないでしょうか。

公証制度について

入居させる際のポイント2:契約書の作成

定期借家契約でテナントを入居させる際には、契約書の作成時には別に更新がない旨を記載した書面を交付しましょう。

賃貸借契約時には契約書を作成しますが、定期借家契約の場合はそれとは別に書面を作成し、契約の更新がなく期間満了時に退去する必要があることを説明する義務がオーナーに課せられています。

入居させる際のポイント3:期間満了時は1年前~6カ月前までに通知

定期借家契約でテナントを入居させる際には、期間満了時は1年前から半年前までに通知する必要があります。

契約期間が1年以上の場合、オーナーは借り主に契約が終了する旨を半年前までには通知する必要があります。このケースでは、賃貸借の終了に対抗できなくなるだけで、定借であること自体が否定されるわけではないことを理解しておきましょう。(借地借家法38条4項本文)

定期借家契約でテナントを入居させる際の注意点

定期借家契約や借り主がなかなか見つからない場合もあります。

オーナーに有利な条件であるため、定期借家契約のテナントは借り主が見つかるように賃料を安くせざるを得ないケースもあります。

また、事前に契約更新がない点をしっかり説明して理解を得ておかなければ借り主とトラブルになったり、普通借家契約だとみなされてしまうケースもあります。

テナント物件を経営するときは定期借家契約しよう

定期借家契約はオーナーにとってメリットが多い契約方法です。

普通借家契約と比較して、定期借家契約はオーナーに多くのメリットがある契約方法のため、テナント経営の際には定期借家契約を結ぶのがおすすめです。ただし、注意点を押さえておかなければトラブルに発展するケースもあります。

ぜひ定期借家契約のポイントを押さえて、有利なテナント経営をしましょう。

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