マンション購入後の固定資産税はいくら必要?計算の仕方と注意点3つ
2020 10.21この記事はPRを含みます
マンションの購入後にかかる固定資産税とは
マンションを購入すると土地と建物の固定資産税を支払う必要があります。
固定資産税とは、土地や建物などの固定資産を所有する人が支払う税金のことです。マンションを購入すると、土地と建物の固定資産税を支払う義務が発生します。
固定資産税は、固定資産を1月1日に所有している人が支払います。ですので、1月2日以降にマンションを購入した場合は翌年からの支払いが発生します。
マンション購入後にかかる固定資産税の特徴4つ
マンションを購入する前に固定資産税の特徴を理解しましょう。
マンションを購入する際には、固定資産税を払う義務が発生します。ですが、実家住まいや賃貸などのように、固定資産を持たない人は支払う税金がどのようなものなのか理解できていない人もいることでしょう。
固定資産税には特徴があるので、それらを知っておくとマンション購入時の参考になるでしょう。ここでは、固定資産税の特徴について紹介します。
特徴1:新築・中古でも固定資産税がかかる
新築と中古で固定資産税の違いが出るのは建物のみです。
マンションを購入すると、一般的に中古マンションは固定資産税が安くなるイメージがあります。ですが、中古と新築の固定資産税の違いがあるのは建物分のみになります。
建物は経年劣化により評価額が下がるため、中古マンションは新築と比べて安くなります。ですので、土地の固定資産税は、新築と中古では変わらないことを頭に入れておきましょう。
特徴2:固定資産税の額は地価が目安
固定資産税の額は、固定資産税評価額が目安になります。
マンションを購入しようとした時、どのくらいの固定資産税がかかるか気になるものでしょう。そういった場合、地価公示価格が参考になります。地価公示価格は、国土交通省が年に1回土地の売買取引において適正とされる価格を定めたものです。
固定資産税評価額は、地価公示価格の70%を目処に計算され、これに標準税率の1.4%をかけると算出できます。
特徴3:建物は年数が経つほど値が下がる
建物には経年劣化があるので値が下がります。
建物は、土地と違い経年劣化がおきるため、年数が経つと固定資産税が下がると紹介しました。マンションも経年劣化するので、建物の価値が下がるのに伴って売買価格や固定資産税も下がります。
購入したマンションを値崩れしないで売買したい場合は、経年劣化することを見越して早めにマンションを売りに出すことを考えた方が良いでしょう。
特徴4:ヴィンテージマンションについては別
ヴィンテージマンションは人気が高いので値崩れすることがないでしょう。
マンションといえば、経年劣化により建物の価値が下がると共に固定資産税も下がることが一般的ですが、例外としてヴィンテージマンションがあります。
ヴィンテージマンションとは、築年数が10年以上のもので、立地が良くデザイン性に優れ、管理が行き届いているマンションのことを指します。こういったマンションは年数が経っても建物の価値が下がらないので固定資産税も下がらないでしょう。
新築マンション購入後の固定資産のシミュレーション4つ
新築マンションを購入した場合の固定資産税をシミュレーションしてみましょう。建物と土地の固定資産税の計算には、それぞれ固定資産税評価額に標準税率1.4%をかけて算出します。
ただし、小規模宅地にあたるマンションを購入している場合、土地は課税標準額が軽減されるので固定資産税の計算式に1/6をかけます。
また、建物は減額措置や経年減価補正率があるので、建物の固定資産税を出す場合は築年数を考慮しましょう。
シミュレーション1:新築の場合
新築マンションの固定資産税をシミュレーションしてみましょう。
今回は、新築マンションを都内に購入した場合の計算式を例としてあげます。(建物の固定資産税評価額)1,500万円×(標準税率)1.4%×(軽減特例)×1/2=105,000円となります。
(土地の固定資産税評価額)3,000万円×(標準税率)1.4%×(軽減措置)1/6=70,000円ですので、新築の固定資産税は合計175,000円です。
シミュレーション2:築6年の場合
築6年のマンションの固定資産税の計算式を紹介しましょう。
新築マンションを購入して6年目を迎えると建物の減額措置がなくなり、代わりに経年減価補正率を計算式に加えます。(建物の固定資産税評価額)1,500万円×(経年減価補正率表)×0.8335×(標準税率)1.4%=175,035円となります。
土地の固定資産税評価額に変動がなければ新築と同様70,000円ですので、合計は245,035円です。
シミュレーション3:築15年の場合
築15年のマンションの固定資産税の計算式を紹介しましょう。
新築マンションを購入して15年目を迎えると建物の経年減価補正率の数字が変化します。(建物の固定資産税評価額)1,500万円×(経年減価補正率表)×0.6225×(標準税率)1.4%=130,725円となります。
土地の固定資産税評価額に変動がなければ計算式に変化がないので新築と同様70,000円となり、合計は200,725円です。
シミュレーション4:築25年の場合
築25年のマンションの固定資産税の計算式を紹介しましょう。新築マンションを購入して25年目を迎えると建物の経年減価補正率の数字が変わり減額します。
(建物の固定資産税評価額)1,500万円×(経年減価補正率表)×0.3992×(標準税率)1.4%=83,832となります。
土地の固定資産税評価額に変動がなければ計算式に変化がないので新築と同様70,000円となり、合計は153,832円です。
マンション購入後の固定資産税の注意点3つ
マンション購入時にかかる税金について理解しましょう。マンションを購入すると代金を不動産会社に支払いますが、他にも固定資産税などの税金がかかります。
固定資産税とは、マンションなどの固定資産を手に入れた際、国に支払わなくてはいけない税金で取得した日付によっては翌年に支払う場合があります。
他にも、不動産を取得した際に固定資産以外にも一度だけ支払う不動産取得税というものがあります。
注意点1:中古だから安い・新築だから高いとは限らない
マンションは立地の条件などが建物価に影響する場合があります。
中古マンションは安くなり、新築マンションが必ずしも高いとは限りません。購入したマンションが中古でも、立地が良ければ新築マンションよりも価格が高くなる場合があります。
また、鉄筋コンクリート造りのマンションは法定耐用年数が47年となっています。一戸建てが20年から30年なので、マンションは値崩れがしにくいという点もあります。
注意点2:購入する前に予算に入れておく
固定資産税はマンション購入予算の中に入れておきましょう。
マンション購入をする際、マンションの購入代金は頭に入っているでしょう。しかし、マンションを所有すると固定資産税を支払う義務が発生しますので、マンションの代金と共に固定資産税の金額も購入予算に入れておきましょう。
1月1日時点でマンションなどを所有しているとその年の税金を支払うことになりますが、1月2日以降に購入すると翌年の支払いになります。
注意点3:新築物件は固定資産税に加えて不動産取得税もかかる
不動産取得税は、不動産を所有した際、一度だけ都道府県に支払う税金です。
新築物件は、固定資産税を国に支払う義務がありますが、加えて不動産取得税も支払う義務があります。不動産取得税は、不動産が所在する都道府県に一度だけ支払うものです。
不動産取得税は、固定資産税評価額に税率の4%をかけると算出できます。基本的に税率は4%ですが、特例措置が取られ変動することがあるので、マンションを購入した際は税率の確認をしましょう。
マンション購入後の固定資産税と軽減措置4つ
固定資産税と軽減措置を上手に活用してマンションをお得に手に入れましょう。
マンションなどの固定資産を購入すると、固定資産税など支払わなくてはいけない税金が発生します。そういった時に軽減措置を知っておくと、お得にマンション購入ができるでしょう。
ただ、固定資産税の減税や軽減措置について細やかな説明などはなく、自分で調べて申請する必要があります。面倒な部分もありますが、頑張って調べ申請した分に関して損はないでしょう。
固定資産税と軽減措置1:固定資産税は5年もしくは7年
認定長期優良住宅に認定されたマンションの固定資産税の軽減処置は最大7年です。
新築マンションには固定資産税の軽減措置があります。通常は5年間ですが、認定長期優良住宅に認定されると軽減期間が2年間延長され合計最大7年になります。
ちなみに、新築戸建て住宅の場合、固定資産税の減税処置は通常3年間ですが、認定長期優良住宅の場合は軽減期間が2年間延長され合計最大5年になります。
固定資産税と軽減措置2:不動産取得税
2021年3月31日までにマンションを購入すると、不動産取得税の軽減処置を受けられます。
通常の不動産取得税は、土地と建物は共に税率4%ですが、2021年3月31日までは土地と住宅にかかる税率が3%になります。しかし、住宅以外の家屋の税率は4%なので注意しましょう。
軽減税率が適用される間にマンション不動産を購入することをおすすめします。
固定資産税と軽減措置3:住宅ローン控除
住宅ローンは、年間最大40万円まで控除されます。
新築や中古などのマンションや一戸建てを10年以上の住宅ローンを組んだ人が対象の控除です。さらに、消費税が8%から10%に増税したことにより、控除期間が3年間延長され合計13年となっています。
マンションや一戸建ての購入で10年以上のローンを組んだ人が対象となっていると説明しましたが、他にも増築やリフォームも住宅ローン控除の対象となります。
固定資産税と軽減措置4:贈与の非課税措置
住宅取得のために直系尊属から贈与を受けると非課税措置の対象になります。
自分の直系尊属にあたる父や母、祖父母から年間110万円以上の贈与を受けた場合贈与税がかかりますが、住宅を取得するために贈与を受けた場合は最大で3,000万円非課税扱いになります。
ただし対象期間が決まっており、2021年12月31日までに住宅を契約している人です。また、契約年によって非課税枠が変わるので、その点の確認が必要です。
マンション購入後の固定資産税は毎年必要なため資金計画を行おう
マンションを購入する際は、しっかり資金計画を立てましょう。
マンションを購入する時には、マンションの代金以外にも、建物と土地にそれぞれ固定資産税や不動産取得税など想像以上の税金がかかるでしょう。
マンション購入時に焦らないように、支払わなければならない税金額を把握して、しっかりした資金計画を立てておきましょう。