35年ローンは本当にいいの?メリット・デメリット5つと注意点
2020 10.21この記事はPRを含みます
35年ローンとは?
不動産投資を考え物件を購入する場合、ローンで購入する人が多いでしょう。また、ローンで購入する場合、どれぐらいの期間で返済するかは非常に重要です。返済期間により、月々の返済額だけでなく、総返済額も変わってきます。
長期優良住宅ですと、最長で50年の返済期間を選ぶことができる商品も登場してきていますが、一般的には不動産の耐久を考慮して35年ローンと言われる最長で35年の返済期間に設定している商品が多いです。
35年ローンの基礎知識3つ
35年ローンを検討している方は、事前に借入れ条件や借入れ者の年齢制限、借入上限額などの基礎知識を知っておく必要があります。
ローンの基礎知識がない場合、ローンの相談に行ったら35年ローンを利用できないといった事態が起きた際に、不動産の購入自体を検討しなおさなくてはならないという最悪なことが起きかねません。
ここからは35年ローンの基礎知識を3つご紹介しますので、しっかり理解しておきましょう。
基礎知識1:借入れ条件
細かいローンの借入条件は、金融機関や金融機関の商品によっても違いがあります。不動産投資を目的に不動産投資ローンを利用する場合には、収益物件の購入が借入れの条件になります。
また、不動産投資ローンの返済資源は毎月の家賃収入です。そのため、空室リスクが少なく、安定して家賃収入が得られる物件であることが借入れの条件にもなります。
安定した家賃収入が見込めないと判断された場合には、借入れが厳しくなるでしょう。
基礎知識2:年齢制限
ローンは何歳でも借りることができるものではありません。そのため、借入れ条件の中には年齢制限もあります。
マイホームを購入するときに利用する住宅ローンは、定年で給料がなくなるなどを考慮し、完済時の年齢を65歳から70歳ほどの上限に設定しているところが一般的です。
投資ローンは手持ちの資産があり、安定した家賃収入を得られるなどほかの条件との兼ね合いもありますが、完済時の年齢が満80歳までとしているものも多くあります。
基礎知識3:借入上限額
一般的な住宅ローンは、返済資源が本人の収入になるので、借入上限額はおおむね年収の5~6倍と決められています。
しかし不動産投資ローンは、返済資源が家賃収入になるので、本人の収入よりは不動産の担保評価が影響します。条件が揃えば、年収の10~20倍の借入れも可能だといわれています。
ですが、本人にいくら収入や資産があっても、担保評価が低い物件ですと借入額が制限され、思うような金額を得られないこともあります。
35年ローンのメリット5つ
35年という長い期間をかけて返済していかなければならないということで、35年ローンを選択することに不安を抱える人も多いでしょう。
また、35年という長い期間に物件のおかれている状況が変化し、想定していたよりも家賃収入が減ってしまうことが考えられます。情勢の変化により金利が想定していたよりも上昇することもあるでしょう。
35年ローンにはもちろんデメリットだけではなく、メリットもいくつかあります。
メリット1:毎月の負担を減らせる
35年ローンを選択することは、10年や20年の短い期間を選択するよりも、毎月の返済額を抑えることができます。
返済総額で見た場合、短い期間にすることのほうがお得ですが、短い期間にすれば毎月の返済額は多くなります。今は問題なく支払うことができていても、収入が減ったり支出が増えたりした場合、支払いが困難になることもあります。
35年ローンであれば、負担を減らし無理なく返済することが可能でしょう。
メリット2:金利上昇のリスクが少ない
ローンには金利がかかってきます。そして、その金利にはいくつか種類があります。
情勢により金利が変動する変動金利型、ある一定期間だけ金利が固定され、金利が上昇すると変動金利になる固定金利期間選択型、全返済期間を通じて一定金利の全期間固定金利型があります。
全期間固定金利型を選択すれば金利上昇のリスクを抑えることができ、金利による返済額の増加が起こりにくいでしょう。
メリット3:事務手数料が安い
ローンの借入れには、事務手数料がかかることを知らない人も多いでしょう。事務手数料は、定額で支払うパターンと定率(0.5%~2%ほど)で支払うパターンがあり、金融機関により違いがあります。
35年ローンは選ぶローンにもよりますが、事務手数料を安く抑えることができ、事務手数料を半分に抑えることも可能です。
メリット4:資金計画が立てやすい
35年ローンは、資金計画が立てやすいというメリットがあります。
前述したとおり、35年ローンは20年など短い期間を設定した場合に比べ毎月の返済額を抑えることができます。返済額を抑えることができれば、物件の修繕や管理のための資金を手元に残しておくことができます。
急に修繕が必要な場合でも手元に資金が残っていれば、それを使って修繕などしていくことが可能でしょう。
メリット5:万が一のときでも安心
資金計画が立てやすいということは万が一のときでも安心というメリットがあります。
天災や周りの環境の変化など自分ではどうすることもできない事態が起こった場合、毎月の返済額を抑えた35年ローンを選択し手元に資金をおいておくことができれば、返済を続けていくことができます。
逆に返済期間が短く返済額が多くなると手元に資金がなく、万一の場合に返済が滞り、物件を手放さなくてはならないこともあります。
35年ローンのデメリット5つ
35年ローンには、毎月の返済額を抑え負担を減らすことができる、資金計画が立てやすい、万が一の時でも安心などさまざまなメリットがあります。
メリットだけを見ると35年ローン一択でいいのではと考えますが、どの返済期間を選択しても、メリットだけでなくデメリットが存在します。当然、35年ローンにもデメリットはあります。
ここからは、35年ローンのデメリットを紹介していきます。
デメリット1:返済期間が長い
35年ローンを選択すると、返済期間が長くのしかかってしまうというデメリットがあります。借入れするときの年齢によっては、高齢になってもローンが残ってしまうことも考えられます。
ローンはいわゆる借金ですが、誰しも借金はなるべく早く完済してしまいたいものです。高齢になれば万が一のことが起こり、ローンを完済していない状態での相続も考えられます。返済期間が長いことはデメリットにもなってしまうこともあるでしょう。
デメリット2:全期間固定にすると金利が高くなる
全期間固定金利型を選ぶと、金融情勢の変化による金利上昇リスクを抑えることができるというメリットがあることを紹介しました。しかし、全期間固定金利型を選んだあとに金利が下がることも考えられます。
全期間固定金利型を選択したあとに金利が下がってしまった場合、金利が高くなってしまうというデメリットもあります。金利が高くなれば、それだけ支払総額が多くなってしまうことになりますので注意しましょう。
デメリット3:繰り上げ返済できる金額が高い
ローンを返済するときにポイントとなることに、繰り上げ返済があります。途中で繰り上げ返済することも念頭において35年ローンを選択するという方もいるでしょう。
繰り上げ返済することで、毎月の返済額を減らすことができたり、返済期間を短くすることができたりとメリットも多いです。
しかし繰り上げ返済をするときには、最低金額が決められている場合が多く、35年ローンは最低金額が高く設定されているといわれています。
繰り上げ返済を考えている人は、事前に繰り上げ返済をした場合の金額も確認しておくとよいでしょう。
デメリット4:団体信用生命保険に加入すると金利が上がる
不動産投資ローンを借入れするときには、一般的な住宅ローンを借入れする場合と同じように強制的、もしくは任意で団体信用生命保険に加入することになります。
団体信用生命保険に加入すると、ローンを返済しているときに万が一のことが起きても、ローンが完済され物件を家族に残すことができます。
しかし、団体信用生命保険に加入するとその分、金利が上乗せされることになり、金利が上がるデメリットがあります。
デメリット5:借り換えしてもお得になりにくい
35年ローンを返済中に、今よりも金利を引き下げる目的で借り換えを検討してもお得になりにくいというデメリットもあります。
とくに全期間固定金利型で、すでに低い金利で借入れていると、借入れてもメリットは低く、逆に手数料などを考慮すると高くなることも考えられます。金利差が1%以上でないと借り換えすることは難しいと言えます。
35年ローンの注意点
35年ローンには、メリットとデメリットがあることがわかりました。借入れする人の状況にもよりますが、メリットとデメリットを理解しておけば大きく損をすることなく、メリットを活かして返済していくこともできます。
しかし、35年ローンで借入れする場合には、メリットとデメリットを理解する以外にもいくつか注意点があります。
ここからは、35年ローンを選択する場合に知っておきたい注意点を紹介します。
きちんと返済計画をたてる
35年ローンを選択する場合に限らず、どんなローンを借り入れる場合でもきちんとした返済計画を立てることが重要です。返済計画をきちんと立てることができれば、ローン審査にもいい影響を与えるでしょう。
不動産投資を目的としてローンを借入れする場合、家賃収入で返済していくことになります。入居率や空室リスクを考慮して、家賃収入がどれぐらいになるのかを算出し、返済計画を立てておきましょう。
無謀な資金計画を立てない
返済計画を立てる上で、無謀な資金計画を立てないことも重要です。無謀な計画を立ててしまうと、返済が滞るだけでなく、物件の修繕や管理にも大きな影響を与えかねません。
入居率や空室リスクなどを考慮した家賃収入、そして入退去時の修繕やそれ以外の大規模修繕を考慮した資金計画を立てるようにしましょう。
堅実な資金計画を立て、無理なく投資していくことができるようにしましょう。
35年ローンのメリット・デメリットを理解して自分にあった融資方法を決めよう
ここまで35年ローンについて詳しく見てきました。
借入れをする人はそれぞれで条件が異なり、一概に35年ローンを選択することがよいとは言えません。35年ローンにはメリットとデメリットがあり、メリットの方がデメリットよりも大きい人もいますし、メリットよりもデメリットが大きくなる人もいます。
そのため、メリットとデメリットを理解して、自分に照らし合わせる必要があります。35年ローンのメリット・デメリットを理解して、自分に合う融資方法を決めましょう。