不動産売買時の仲介手数料について知るべき知識4つ
2020 06.29この記事はPRを含みます
不動産の売買時に支払う仲介手数料とは?
「仲介手数料」とは、売主と買主の売買契約のために不動産会社が受け取る手数料で、契約成立時だけ支払います。
不動産は個人で売買することが難しく、頻繁に行うものでもないので、多くの場合不動産会社に仲介を依頼します。手数料は、売主と買主両方から手数料を受け取る両手仲介と、どちらか一方から受け取る片手仲介があります。
仲介手数料についての基礎知識4つ
不動産売買の仲介手数料に関しては、法律による規定があります。
宅地建物取引業法に基づいて国土交通大臣が定めた仲介手数料の上限については、一般の方には馴染みがないので、自分で計算せず、提示されたものにサインしがちです。物件の価格ばかりに関心がいきますが、不動産売買は仲介手数料も高額になることがあります。
不動産の売買を依頼する前に知るべき知識をおさえ、トラブルを防止しましょう。
仲介手数料について知るべき知識1:計算方法
仲介手数料は、物件を200万円以下、200万円以上400万円未満、400万円以上に分けて計算します。計算が複雑なので、物件の価格だけで算出する速算法が一般的です。
速算法の計算は、仲介料の上限額を算出するものです。物件の本体価格が200万円以下は売買価格×5%、200万円以上400万円未満は売買価格×4%+2万円、400万円以上は売買価格×3%+6万円です。これに消費税を加算します。
空き家など低価格の場合は、特例があります。
仲介手数料について知るべき知識2:上限額
不動産の売買価格をもとに算出された仲介手数料は手数料の上限額で、宅地建物取引業法によって定められています。
仲介手数料には、売主と買主の間で契約を成立させるまでの広告費や、条件の調整及び契約書の作成、物件の引き渡しが完了するまでの事務手続きも含まれます。
上限額は定められていますが、下限額はきまりがありません。不動産会社によっては、手数料半額や0円をセールスポイントとして営業している場合もあります。
仲介手数料について知るべき知識3:支払うタイミング
契約が成立した時に発生する成功報酬なので、売主は不動産会社に仲介を依頼しただけで支払う必要はありません。手数料の支払いのタイミングや金額、特別に依頼した作業の実費は、契約前に必ず見積もりを出してもらい確認しましょう。
仲介手数料を支払うタイミングは、一括で支払うことも可能ですが、売買契約を締結した時と引き渡し時の2回に分け、50%ずつ支払う方法もあります。
仲介手数料について知るべき知識4:消費税の影響
不動産売買で土地取引は非課税で建物だけが課税対象となり、仲介手数料の計算は本体価格で算出します。
仲介手数料は不動産会社が引き渡した時点で発生します。消費税率が変わる際には、契約時と引き渡し時の消費税率が異なる場合があります。しかし、経過措置制度で、一定の条件を満たすと、引き渡し時に税率が上がっていても旧税率の対象になります。
消費税率変更時期の売買はトラブル防止のため、事前に税率の確認が必要です。
不動産売買時に手数料を安くする方法3つ
不動産売買の仲介手数料の規定は、上限があっても下限はありません。交渉次第では、手数料を安くすることもできます。
契約時に提示される手数料は、ほとんどの場合、上限額です。専属で売買契約する交換条件で手数料の交渉をすると、安くなることもあります。事前に一括査定をしたり、手数料が安い会社の情報を集めると良いでしょう。
手数料には不動産売買の必要経費が含まれているので、一方的に値下げを要求せず、お互いが納得できる条件で話し合います。
手数料を安くする方法1:締結直前に交渉する
不動産会社との契約は物件だけでなく手数料も含まれます。したがって、契約成立後に手数料を安くする交渉はほぼ不可能なので、締結前に交渉します。
売買契約直前は、お客のほうが有利に交渉を進めることができます。他の不動産会社の存在も伝えると、手数料を安くすることもできます。また、不動産会社が交渉に応じやすい、専属での契約も利用しましょう。
交渉は心理戦なので、自分の立場が強く相手も受け入れやすい時を狙います。
手数料を安くする方法2:割引してくれる不動産会社を選ぶ
オーナーが営業も行う小規模な不動産会社は、裁量権を持つオーナーと直接交渉できるので、手数料の割引に応じることも多くあります。
大手の不動産会社は担当者の決定権が小さく割引額も限られる傾向にあります。不動産会社の中には、手数料の値引きキャンペーンを実施したり、友人の紹介による特典クーポンを発行している会社もあるので、ネットで検索して積極的に活用しましょう。
また、最初から仲介手数料を安くしている会社を選ぶと、交渉する手間も省けます。
手数料を安くする方法3:売買状況をみて値引き交渉する
売り出してから期間が過ぎた物件を処分したい不動産会社が、本体の値引交渉に応じることや、場合によっては手数料を割り引く可能性もあります。
新築分譲物件で残り僅かな場合も、完売したい不動産会社が利益確定を目指して売り急ぐこともあります。売買状況を見ながら値引交渉を行い、端数値引きなど双方が簡単に合意できる内容から話を進めます。
資金力に乏しい中小の不動産会社は、値引き交渉に柔軟に対応することもあります。
仲介手数料とは別にかかる料金4つ
不動産売買の仲介手数料には広告費用や契約書の作成などが含まれますが、仲介手数料とは別に実際にかかった料金を請求される場合もあります。
例えば、遠隔地への出張費や解体費用などです。ただし、売主が依頼した場合限定の、通常の仲介業務では発生しない費用の実際にかかった料金だけで、全て条件が揃わなければ請求されません。
建物内の荷物の保管料や土地売却時に境界画定の測量費が発生する場合もあり、事前に相談します。
仲介手数料とは別にかかる料金1:遠隔地への出張費
依頼者の希望で、取引希望者と交渉するための出張費の交通費だけ料金として請求されます。出張手当や現地での営業活動費用は含まれません。
契約希望者を現地へ案内する交通費や内覧会の費用は、仲介手数料に含まれており、実際にかかった往復の出張費は仲介手数料と別の料金になりますが、現地での営業活動費用は仲介手数料で賄われるものです。
あくまでも依頼者からの依頼が無ければ、別料金に該当しません。
仲介手数料とは別にかかる料金2:広告・宣伝費
通常の広告宣伝以外に依頼者からの希望で、個別のチラシの作成やポスティング作業を行った場合に仲介手数料と別の料金が発生します。
たとえ依頼があっても、広告宣伝の方法や費用の概算を依頼者に明示して、同意を得ていない場合は、依頼者の依頼とはいえません。また、実際の費用に不動産会社の手数料を上乗せすることもできません。
不動産会社が依頼者に無断で個別のチラシを作成しても、別料金を支払う必要はありません。
仲介手数料とは別にかかる料金3:測量・解体費用
土地を売却する際に、売主は土地の境界を明示する義務があり、未確定の場合は測量の必要があります。一般に不動産会社に依頼することが多く、料金は仲介手数料に含まれません。
また、売却を行うために建物を取り壊す場合の解体費用も実費の支払い対象で、解体して埋蔵物が発見された場合は、追加費用が加算されることもあります。この他、建物の床下や屋根裏、土地の地盤調査費用も別料金の対象です。
事前に必ず見積を取ります。
仲介手数料とは別にかかる料金4:保管・廃棄費用
売却する建物に残っている荷物の保管は別料金の対象になります。
そして、解体する前のゴミの処分費用や解体時に発生した廃材の処理費用は、それぞれ許可を受けた業者が対応するので、解体費用には含まれず、廃棄費用として別途必要です。また、解体費用とは別に、門や庭、物置、井戸などは撤去費用になり、仲介手数料とは別にかかる料金です。
空き家や別荘を売却する場合、対象物件を管理する費用も別料金になることもあります。
不動産の売買時に支払う仲介手数料を考慮して投資しよう
仲介手数料は法令で定められていますが、交渉次第で値引も可能です。事前に複数の会社で査定を行ってから依頼しましょう。また、仲介手数料と別料金になる費用もあり、契約前に必ず確認します。
不動産売買は取引する物件だけでなく、不動産会社に支払う仲介手数料も高額です。計算方法をおぼえて、自分でおよその金額を把握することをおすすめします。
この記事を参考に仲介手数料を考慮して、不動産投資を行いましょう。