任意売却と競売の違い5つと注意点3つ|競売になるケースをご紹介
2020 06.29この記事はPRを含みます
任意売却のポイントはタイミング
任意売却とは、住宅ローンなどの返済ができず、不動産の売却後にもローンが残ってしまう場合に金融機関の合意のもと不動産を売却することを指します。
住宅ローンは滞納1カ月目に督促状が届き、それから数カ月経過すると期限の利益喪失と呼ばれる状態になります。この期限の利益喪失状態になると、残りのローンは一括で返済しなければいけない状態になり、任意売却が可能になります。
期間は目安で、個別の事情によって異なる場合がありますので注意してください。
任意売却と競売の違い5つ
任意売却と競売は異なる不動産の売却方法です。競売とは売り出された商品に、買取希望者が希望価格をつける方法です。
住宅ローンの返済が滞り、不動産を売却して得た代金をローンの返済に充てる売却方法には「任意売却」と「競売」という2種類の方法があります。しかし、 両者の違いがわからないという方も多いでしょう。
ここでは任意売却と競売の違いについて解説していきますので、違いがわからないという方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
違い1:売却価格
任意売却は競売よりも高い価格で売却が可能です。
任意売却は、一般的に市場価格に近い価格での売却が可能です。一方、競売は市場価格の6~7割程度の価格になるため、債務者には住宅ローンの残債が多く残る結果になります。
違い2:プライバシー周知
競売にかけられる場合、競売物件として自宅の情報や写真が掲載され、プライバシーが周知されてしまいます。
任意売却の場合はプライバシー侵害になるようなことはありませんが、競売を申し立てられると、裁判所の執行官が自宅周辺の調査を行います。
また、インターネットや新聞、住宅情報誌などに物件の写真が掲載され、プライバシーの侵害により精神的な苦痛を味わうことになることもあります。
違い3:ローン残債
競売にかけられる場合、売却代金によるローン残債の一括返済を迫られるケースもあります。
任意売却は金融機関と相談して売却を行うことになるため、残債については返済計画を立てることが可能です。また、売却代金の中から引っ越しなどの費用を受け取ることも可能です。
しかし、競売の場合、売却代金はすべて債務の返済にあてられます。
違い4:残債の支払い方法
任意売却は残債の返済方法を計画できますが、競売は一括返済を求められることがあります。
任意売却は不動産の売却後、残っている残債については金融機関と改めて返済計画を立てることが可能です。
一方、競売の場合は不動産の売却後は売却代金のすべてを返済に充てられ、さらに残債の一括返済を求められます。
違い5:引越し日・費用
任意売却は引っ越しに関して計画を立てられますが、競売は計画を立てられず費用も捻出できません。
任意売却の場合は売却代金から引っ越し費用として一部費用を利用することが可能です。また、引っ越し日も相談によって決めることができます。
一方、競売は裁判所による強制的な執行になるため、引っ越し費用として売却代金の一部を使用することはできず、引っ越し日なども都合に合わせてはもらえません。
任意売却と競売の注意点3つ
任意売却と競売にはいくつかの注意点があります。
任意売却も競売も住宅ローンを滞納し、返済が難しい場合に行う不動産の売却方法ですが、行う際にはいくつかの注意点があることを知っておく必要があります。
ここでは任意売却と競売に関する注意点をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
注意点1:滞納前の任意売却の条件
任意売却は滞納前であっても行うことが可能です。
基本的に任意売却は、住宅ローンを滞納した場合に行うものですが、金融機関が合意すればローン滞納前に任意売却できます。債権者側である金融機関にとってもローンを滞納されるよりも任意売却を行う方が良いため、滞納前に検討し早めに相談しましょう。
ただし、債権者の合意を得られない場合は任意売却は行えません。
注意点2:任意売却のタイムリミット
任意売却は競売当日までというタイムリミットがあります。
任意売却の期限は競売当日までとなっています。そのため、競売当日までに債権者である金融機関の同意を得られなければ任意売却ができないため注意が必要です。
注意点3:任意売却は残債がゼロにならない場合もある
任意売却を行っても住宅ローンを完済できるとは限りません。
任意売却を行えば残債を完済できると思われがちですが、任意売却を行っても残債は一部残るため、残りは売却後も返済し続ける必要があります。
任意売却ではなく競売になるケース3つ
任意売却をしたくても競売になるケースもあります。
任意売却を考えている場合でも、気を付けなければ競売にかけられてしまうことがあります。ここでは任意売却ではなく競売になってしまうケースをご紹介しますので、ご紹介したケースに気を付けて競売にかけられないようにしましょう。
ケース1:消費者金融の滞納
消費者金融からの借り入れを滞納した場合、自宅を競売にかけられるケースがあります。
消費者金融は滞納者の自宅の競売を裁判所に申し立てることが可能なため、自宅を担保にしていなくても競売にかけられることがあります。ただし、住宅ローンがまだ残っており、競売にかけても完済できない場合は競売の申し立ては却下されます。
ケース2:投資用ローンの滞納
不動産投資ローンを滞納した場合、自宅を競売にかけられるケースがあります。
不動産投資でマンションなどを購入すると、非常に大きな金額の住宅ローンを背負うことになります。住宅ローンを組む際には不動産を担保に入れているため、返済が滞れば担保権に基づいて競売にかけられることになります。
ケース3:住宅ローンの督促無視
住宅ローンの督促を無視し続けた場合、自宅を競売にかけられるケースがあります。
住宅ローンの返済が滞ると、金融機関から電話や郵便物で連絡が来ます。最初は「連絡」や「来店依頼」などですが、何カ月も滞納していると「督促状」が届くようになります。
それでも無視をしていると、督促が「催告書」という最終通知に変わり、最終的には競売にかけられることになります。
任意売却から競売になるのを防ぐ方法3つ
任意売却から競売にかけられるのを防ぐ方法もあります。
任意売却ではなく競売にかけられてしまうと、インターネットや新聞、住宅情報誌などに物件の写真が掲載され、不動産が競売にかけられていることを周りの人に知られてしまい、精神的にも大きなダメージを負うことになります。
ここでは任意売却から競売になるのを防ぐ方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
方法1:自己判断で様子をみようとしない
住宅ローンの返済が滞っている場合、自己判断で様子をみないようにしましょう。
住宅ローンの返済が滞ったり、今後滞ることが分かっている場合、そのまま様子見にして何もしないのは得策ではありません。ローンの返済が厳しくなってきたら、早い段階で任意売却を視野に入れるようにしましょう。
方法2:早めに専門家に相談する
住宅ローンの返済が滞っている場合、早めに専門家に相談しましょう。
自宅を競売にかけられると競売にかけられていることを周囲に知られるだけでなく、残債返済ができず最悪の場合自己破産することになりかねません。そのため、ローンの返済目途がつかない場合は早めに専門家に相談するようにしましょう。
方法3:督促を無視しない
金融機関からの督促を無視していると、いずれ競売にかけられてしまいます。
住宅ローンの返済が滞ると、金融機関から電話や書面で何度も連絡がきます。そのような金融機関からの督促を無視していると、いずれ最終通知として催告書が届き、競売にかけられることになります。
そのため、金融機関からの督促を無視しないようにしましょう。
任意売却か競売か選択できるうちに対処することが必要
やむを得ず不動産を売却する場合は、競売ではなく任意売却するようにしましょう。
ローンの返済のために不動産を売却する場合、任意売却と競売では売却金額やプライバシーの配慮などさまざまな違いがあります。
この記事でご紹介した任意売却と競売の違いなどを参考に、できるだけ早い段階で任意売却を視野に入れて行動するようにしましょう。