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つみたてNISAで利益が出る2つの理由|定期貯金と利益の違いを比較

2020 10.21この記事はPRを含みます

つみたてNISAってどんな制度?

つみたてNISAとは、2018年1月からスタートした非課税制度です。毎年40万円を上限に投資商品を購入でき、上限内の投資信託から得た分配金とキャピタルゲイン(値上がり益)が非課税となります。

つみたてNISAは長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度であり、特に少額から投資を始められるのも特徴です。少額の投資資金で始めることが出来るため、これまで投資を経験したことがない人にとって投資への足がかりとなります。

つみたてNISAの概要|金融庁

NISAとの違い

つみたてNISAと似た非課税制度にNISAがあります。NISAは2014年1月にスタートした非課税制度であり、つみたてNISAよりも前に出来た非課税制度になります。

つみたてNISAとNISAの違いは非課税投資枠と運用期間にあります。つみたてNISAの非課税投資枠が毎年40万円で運用期間が20年間なのに対し、NISAの非課税投資枠は毎年120万円で運用期間が5年間です。

運用期間

つみたてNISAの運用期間は20年間です。つみたてNISAでは投資信託を購入し始めて20年間は投資信託から得られる分配金とキャピタルゲインが非課税となります。

つみたてNISAで投資信託を購入し始めて20年後には、「売却」または「NISA口座以外の課税口座に移す」のどちらかを選択することになります。運用期間はNISAが5年に対してつみたてNISAは20年であり、つみたてNISAはより長期の運用を前提とした制度となっています。

なお、非課税で運用できる期間が最長で20年間であり、20年経過後に売却しない場合、積み立てた資産が時価で課税口座に移されることになります。

つみたてNISAはどうやって購入すればいいの?

つみたてNISAでの投資信託購入までの流れは、証券会社によって違いますが、一般的な流れとしては金融機関の選択、NISA口座開設、積み立て投資の入金手続き、運用商品の決定となります。

つみたてNISAは税制上で非常に有利な制度であるため、NISA口座は1人につき1口座しか持つことが出来ません。そのため、NISA口座の開設後は金融庁が届け出とマイナンバーを照合し、複数NISA口座を所持していないかのチェックが行われます。

つみたてNISAで利益が出る2つの理由とは?

ここまではつみたてNISAの概要や購入方法について紹介していきました。では、つみたてNISAはどのような仕組みで利益を生むのでしょうか。

つみたてNISAが利益を生み出す主な要因である、複利効果と課税がないことについて解説します。

なお、投資では必ずしも利益が上がるというわけではなく、株価や運用方法によっては損が出る可能性があるため注意が必要です。

複利効果

つみたてNISAが利益を生む仕組みの1つ目は、複利効果です。金利の種類は「単利」と「複利」の2つに大きく分けることができます。

単利とは、元本のみに利息がつく金利のことを言います。たとえば「100万円預けて年1%の単利」の場合、元本100万円に対してのみ利息がつくので、毎年1万円を受取ることができます。

一方複利とは、元本と利息それぞれに利息がつくというよりも、運用益を元本に組み入れて資産運用をするために、毎年の元利合計が年々増えていくというイメージになります。

たとえば「100万円預けて年1%の複利」の場合、1年目は単利同様、元本100万円に対して1万円の利息がつき、2年目は101万円の元本に対しての利息がつくので、1万100円を受け取ることができます。

非課税になる

つみたてNISAが利益を生む仕組みの2つ目は、運用で出た利益が非課税になるということです。(上限あり)

通常、株式を売却(利益の確定)をした時の収益に対しては課税されます。課税率は20%(所得税15%、住民税5%)に加えて復興特別所得税2.1%を納付することになります。

仮に100万円で株式を購入し、120万円に値上がりして20万円の利益を得た場合、通常の課税がされると手元に残るお金は15万5,800円となります。

つみたてNISAで運用益が20万円出た場合には、株式を売却して利益が出た場合と比較して4万4,200円得することができます。

つみたてNISAと定期預金の利益を比較してみよう!

資産を定期預金で運用した場合とつみたてNISAで運用した場合ではどれだけ利益の差が出るのでしょうか。

ここでは「定期預金240万円・20年間利率0.01%の場合」「毎月1万円を20年間日本株で投資した場合」「毎月1万円を20年間先進国株に投資した場合」の3つのケースについて見ていきます。

【定期預金】240万円・20年間利率0.01%の場合

定期預金240万円を20年間利率0.01%で運用した場合、定期預金240万円は20年後に単利計算で240万4,800円となります。

単利計算の計算式は、1年間の利息が240万円×0.01%=240円となり、240円×20年間=4,800円です。利率0.01%では20年間運用しても4,800円しか利息が付かないという結果になることもあります。

【つみたてNISA】毎月1万円を20年間日本株で運用した場合

つみたてNISAによって毎月1万円を20年間日本株で運用した場合、20年後には約308万円となり元本240万円に対して約68万円の利益が出ることになります(想定利回りは2020年6月現在、東証一部上場銘柄の加重平均利回り2.42%を使用)。

定期預金240万円・20年間利率0.01%の場合(4,805円の利益)と比較して、67万円以上の利益を残すことが出来る可能性があります。

【つみたてNISA】毎月1万円を20年間先進国株で運用した場合

つみたてNISAによって毎月1万円を20年間先進国株で運用した場合、20年後には約315万円となり元本240万円に対して約75万円の利益が出る可能性があります。(想定利回りは三菱UFJ国際投信eMAXIS Slim先進国株式インデックスより算出した平均利回り2.63%を使用)。

定期預金240万円・20年間利率0.01%の場合(4,800円の利益)と比較して74万円以上の利益を残すことが出来るという想定です。

つみたてNISAの選び方とは?

つみたてNISAが定期預金と比較して利回りが大きいことがわかりました。つみたてNISAでは、数ある金融商品から投資先のファンドを選ばなければなりません。

ここでは「ファンドの選び方」「変動の小さい商品で積み立てをしない」「複数ファンドを組み合わせる」以上の3つについて解説をします。

つみたてNISAの選び方1:ファンドの選び方

つみたてNISAのファンド(対象商品)には投資先に制限があります。投資先のファンドを自由に選べるのではなく、金融庁の認めたファンドから選択することになります。2020年6月29日時点で選択可能なファンドは182本であり、その中から選択をすることになります。

ファンドを選択する際にはリスク、手数料の2項目に特に注意して選択しましょう。金融庁の認めたファンドであるため、低リスクや低い手数料のファンドが多いですが多少のバラツキがあります。

つみたてNISAの選び方2:変動の小さい商品で積み立てをしない

つみたてNISAでファンドを選ぶ際の注意点は変動の小さい商品で積み立てをしないことです。

つみたてNISAで投資可能なファンドは日本国債といった変動の小さい商品から新興国の株式といった変動の大きい商品まで様々存在します。

つみたてNISAでは毎月一定額を投資し続けるという性質があります。そのため、ファンドの値段が高い時には少なく買って、ファンドの値段が安い時には多く買うということを自動で行ってくれるため、変動の大きい商品であるほど利益を多く残す可能性が高いです。

つみたてNISAの選び方3:複数ファンドを組み合わせる

つみたてNISAでファンドを選ぶ際には複数ファンドを組み合わせることが重要です。

投資をする際のリスクを減らす方法の1つに分散投資というものがあります。これは投資先を1つにせずに様々な投資先を組み合わせることで実現できます。

例えば円高で不利をする日本の自動車産業株(輸出多)と円高で得をする日本のスーパーマーケット株(輸入多)をファンドに組み合わせていた場合、円高に振れても円安に振れてもどちらか一方が有利になり、両方の株式が下落する状況を避けることができます。

利益を確定する際に気を付けるべき2つのポイント

つみたてNISAで実際に利益が出た際に利益を確定する方法や利益を確定する際に気を付けなければならない2つのポイントについて解説します。

どれだけ良いファンドを選択して利益が出ていても売却のタイミングを誤ると損をしてしまうため、売却のタイミングには特に注意が必要です。

下落途中で積み立てをやめない

1つ目のポイントは下落途中で積み立てをやめないことです。つみたてNISAでは毎月一定額を投資し続けるという性質上、ファンドの値段が高い時には少なく買って、ファンドの値段が安い時には多く買うということを自動で行います。

投資先ファンドが下落している局面では積み立てをやめようと考える人が多いですが、下落途中では同じ値段で普段より多くの株を買うことが出来るため、この局面で積み立てをやめるとチャンスを逃すことになります。

売却するタイミング

2つ目のポイントは売却するタイミングです。売却するタイミングはそのファンドが元本(実際に投資した金額)よりも高い時に売却すると良いでしょう。

1つ目のポイントで述べたように、つみたてNISAでは毎月一定額を投資し続けるという性質上、下落局面では少ない金額で多くの株式を購入することができます。

下落局面でファンドを売却したり、積み立てをやめることは長期的に見て損となることが多いです。下落局面ではそのまま積み立て、上昇局面で売却をしましょう。

つみたてNISAで利益が出る運用方法を知ろう!

つみたてNISAは税制上非常に有利な制度であり、投資先のファンドを金融庁が限定している点からも安心して投資をすることができます。

届け出に金融庁のチェックが入るため、積み立て開始までに少し時間がかってしまうデメリットもありますが、それを上回るメリットが多数あります。

低金利時代が続き、貯金や定期預金だけでは老後の資産形成をすることは難しいです。是非一度つみたてNISAを検討してみてはいかがでしょうか。

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