繰り上げ返済か投資か?繰り上げ返済のメリットと検討すべき5つのポイント
2020 10.21この記事はPRを含みます
繰り上げ返済とは?
繰り上げ返済とは住宅ローンや奨学金といったローンの元本部分に対して一部や全額を繰り上げて返済する手続きを言います。繰り上げ返済をすることで当初支払う予定だった借入利息を支払う必要がなくなるため、支払い総額が少なくなります。
収入が増加して余裕が出来た場合や臨時で大きなお金が手に入った場合には、自身の持っているローンの繰り上げ返済を検討してみると良いでしょう。
余剰資金の運用方法にはどんなものがある?
余剰資金ができ繰り上げ返済をしようと考えた際には、その資金を繰り上げ返済に充てるべきか投資として運用すべきかを考える必要があります。
ローンの利払い予定額より投資での運用益が大きいと見込める場合は、繰り上げ返済をせずに余剰資金を運用した方が将来多くのお金を残すことが出来ます。
ここでは主な投資方法として不動産投資と信託投資の2つをご紹介します。
不動産投資
余剰資金の投資方法の1つ目は不動産投資です。不動産投資とはアパートや戸建て、マンションの一室といった不動産を購入し、値上がり益や家賃収入を狙う投資を言います。
値上がり益とは不動産を買った値段よりも売る値段が高い時に発生します。家賃収入とは購入した不動産を他の人へ貸し出すことで発生する家賃収入を指します。
不動産投資は投資を始めるための準備資金が大きいですが、株式や債権のように突然価格が0円になるリスクが低いことからミドルリスクミドルリターンの投資と言われています。
信託投資
余剰資金の投資方法の2つ目は信託投資です。信託投資とは投資信託を購入して運用する投資方法です。投資信託とは株式や債権を運用する集団であるファンドの商品を購入することです。
通常の株式投資では1つの銘柄に投資をする際の最低単位として100株が採用されていることが多いです。1株5千円の銘柄だと最低50万円の用意が必要です。また単一銘柄の購入は非常にリスクが高いです。
その点ファンドの商品を購入する信託投資を行うことで少ない準備資金から投資を始められるほか、分散投資による低リスクを実現することが出来ます。
住宅ローンの繰り上げ返済の2つのメリット
住宅ローンの繰り上げ返済の2つのメリッをご紹介します。ト繰り上げ返済のメリットを知ることで余剰資金を繰り上げ返済に充てるべきか運用すべきかの判断をスムーズに行うことが出来ます。繰り上げ返済は債権者にどのような利益をもたらすでしょうか。
メリット1:返済期間を短縮する
住宅ローンの繰り上げ返済の1つのメリットは返済期間を短縮出来ることです。返済期間が長くなればなるほど自分が返済出来るかどうかのリスク(デフォルトリスク)は高まります。
余剰資金が出来たタイミングで繰り上げ返済を行うことで、結婚やマイカーの購入、怪我や病気、親の介護といったお金のかかるタイミングに備えることが出来ます。
メリット2:返済総額を軽減する
住宅ローンの繰り上げ返済の2つ目のメリットは返済総額の軽減です。住宅ローンを組むと元本を返済すると同時に借入利息を支払わなければなりません。返済期間が長くなればなるほど支払う借入利息は増加します。
余剰資金が出来たタイミングで繰り上げ返済を行うことで、本来であれば支払う予定であった借入利息を支払わずにローンを返済することが出来ます。
住宅ローンの繰り上げ返済を検討する際の5つのポイント
住宅ローンの繰り上げ返済を検討する際の5つのポイントをご紹介します。余剰資金ができ、繰り上げ返済を検討した際に気をつけるべきポイントとはどのようなものがあるでしょうか。
ポイント1:借入住宅ローンの金利
住宅ローンの繰り上げ返済を検討する際の1つ目のポイントは借入住宅ローンの金利です。住宅ローンの繰り上げ返済をするメリットとして残返済期間の借入利息を支払わなくて良いことを挙げました。
借入住宅ローンの金利相場はその時代によって変動します。バブル期には借入金利が非常に高かったですが、現在は低金利の時代に入っています。住宅ローンの金利が高ければ高いほど住宅ローンの繰り上げ返済のメリットは大きくなります。
ポイント2:残返済期間
住宅ローンの繰り上げ返済を検討する際の2つ目のポイントは残返済期間です。残返済期間が繰り上げ返済を検討時に影響する主な点は繰り上げ返済時の準備資金です。
残返済期間が長い時ほど返済に必要な資金は大きくなり、繰り上げ返済をする際に準備する資金は多く必要になります。逆に残返済期間が短い時ほど返済に必要な資金は小さくなり、繰り上げ返済をする際に準備する資金は少なくて済む傾向があります。
ポイント3:借入残高
住宅ローンの繰り上げ返済を検討する際の3つ目のポイントは借入残高です。借入残高が繰り上げ返済を検討時に影響する主な点は繰り上げ返済時の準備資金と借入利息です。
借入残高が大きいと繰り上げ返済時の準備資金は多く必要になります。また借入残高が大きいとそれに伴う借入利息は大きくなり、繰り上げ返済をするメリットは大きいです。
逆に借入残高が小さいときには返済時の準備資金は少なく済む反面、借入利息は小さいため返済総額の軽減という点のメリットは小さくなります。
ポイント4:定年までの期間
住宅ローンの繰り上げ返済を検討する際の4つ目のポイントは定年までの期間です。定年までの期間が繰り上げ返済を検討時に影響する主な点は繰り上げ返済後の生活資金です。
定年までの期間が長い場合、繰り上げ返済を行った後でも長期間安定して高い給与収入を得ることが期待出来ます。逆に定年までの期間が短い場合、繰り上げ返済を行った後高い給与収入を得ることが出来る期間が短くなり、老後の資産形成をすることが難しくなります。
ポイント5:当面必要な資金計画の有無
住宅ローンの繰り上げ返済を検討する際の5つ目のポイントは当面必要な資金計画の有無です。結婚式を挙げる予定や子供の授業料などの当面必要な資金計画がはっきりとしている場合には、住宅ローンの繰り上げ返済を今すべきなのか検討する必要があります。
必要な資金がはっきりしていて、住宅ローンの繰り上げ返済をすると資金が足りなくなってしまう場合には、繰り上げ返済をせずに余剰資金が貯まるまでの間、待つという選択肢がおすすめです。
繰り上げ返済をしない方がよい場合もある
返済期間を短縮出来る、返済総額を軽減出来るといったメリットのある繰り上げ返済ですが状況によって繰り上げ返済をしない方がよい場合もあります。
具体的には当面必要な資金計画がはっきりしている場合や借入利息以上の投資リターンが見込める場合が挙げられます。
余剰資金の繰り上げ返済と不動産投資のシミュレーション比較
余剰資金を使って繰り上げ返済をした場合と繰り上げ返済をせずに余剰資金で不動産投資をした場合のシミュレーション比較を行います。
ローンの契約金利や本人の収入見込み、投資の成長見込み等によって状況は異なるため一概に投資と繰り上げ返済のどちらが良いとは言えませんが一例としてご覧ください。
ケース1:繰り上げ返済
ローン元本が2,000万円、住宅ローンの金利が0.5%、返済期間が20年間のケースで10年目の利息・元本返済支払いが終了した時点で繰り上げ返済を支払いした場合を例に解説します。ただし、繰り上げ返済の手数料は考慮していません。
元本返済に必要な資金は1,000万円、支払い予定だった10年分の利息を支払う必要がなくなるため繰り上げ返済を行うことで100万円の収益を生む計算になります。
ケース2:繰り上げ返済資金を不動産投資にした場合
ローン元本が2,000万円、住宅ローンの金利が0.5%、返済期間が20年間、不動産価格が1,000万円、家賃月額が5万円のケースで10年目の利息・元本返済支払いが終了した時点で1,000万円の不動産を購入した場合を例に解説します。
ただし、繰り上げ返済の手数料、不動産の値上がり益は考慮していません。
家賃月額収入が5万円であるため10年間の家賃収入は600万円になります。600万円から住宅ローン10年分の利息100万円を差し引くことで500万円の収益を生む計算となります。
繰り上げ返済の手数料
繰り上げ返済には手数料がかかるケースがあります。繰り上げ返済にかかる手数料は1回あたり無料から数万円まで幅広く、借入先の金融機関によって異なります。
残返済期間が極端に短く、残返済期間の借入利息分の金額が手数料を下回る場合、繰り上げ返済を行うことで損をすることになるので注意が必要です。
投資にはリスクもある
投資にはリスクもあることを忘れていはいけません。余剰資金を繰り上げ返済に充てる代わりに不動産投資や信託投資で運用する選択肢をご紹介しました。
しかし投資での運用には必ずリスクがあります。投資先ファンドの大幅下落や家賃収入を見込んだ不動産に入居者が現れないといったリスクが考えられます。投資に使用する資金はあくまでも余剰資金を活用するようにしましょう。
これからの人生設計に合わせて検討しよう!
繰り上げ返済についてメリットや検討するポイントについて解説をしていきました。残返済期間や金利によっては繰り上げ返済をしない方がよい場合もあるため、資金計画や人生設計をもとによく検討をしましょう。
資金的に余裕がないのに無理をして繰り上げ返済をしたり、生活資金をリスクの高い商品へ投資することは危険であるため避けたほうがよいでしょう。