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平均数値から見るエンゲル係数の傾向|エンゲル係数を抑える食費の節約術7選

2021 04.12この記事はPRを含みます

エンゲル係数とは

エンゲル係数とは「家計の消費支出にしめる食料費の比率(%)のこと。」です。家計の総支出のうち、食料費がどのくらい占めるのかを割合で示した統計法則です。

 

一般的に所得が増えると、エンゲル係数は少なくなります。また、ある一定の収入を下回るとエンゲル係数も少なくなるという統計結果があります。

 

エンゲル係数は生活だけではなく社会情勢も読み取れます。

家計の消費支出にしめる食料費の比率(%)のこと。

https://www.shiruporuto.jp/public/data/vocabulary/yogo/a/…

エンゲル係数の計算式

エンゲル係数は次の計算式で算出されます。

 

エンゲル係数(%)=食費÷消費支出×100

 

外食費も食費に含まれることから物価が高く外食の機会が多い都心ではエンゲル係数が高い傾向です。反対に北海道や沖縄などの地方ではエンゲル係数は低くなっています。

 

ご家庭で算出する場合の消費支出はローンや保険料、税金、貯蓄の4項目を除いた総支出です。令和元年の二人以上世帯のエンゲル係数は25.7%との統計結果があります。

二人以上の世帯(被服及び履物~エンゲル係数)

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=…

平均数値から見るエンゲル係数の傾向5つ

エンゲル係数は家庭だけではなく社会情勢も読み取れる統計です。

 

その中で収入が高いほどエンゲル係数の割合が少なくなっていることが知られています。食費にお金をかけつつも、それよりも娯楽や教養、その他のものに支出を割くため、支出における食費の割合が低くなることが原因です。

 

昨今の統計では、エンゲル係数の数値が上昇しつつあり、日本の生活に余裕がなくなっているのではないかとの議論が起こっています。

エンゲル係数の傾向1:総世帯の統計は約25%

近年のエンゲル係数は総世帯で25%ほどです。昭和から平成にかけて低下を続けていましたが、近年、急速に大きく上昇しています。

 

平成に入って大きくなって伸びた要因は、食とライフスタイルの変化です。

 

バブル以前では、食物素材と言われる穀物や野菜などが食費の大部分を占めていましたが、バブル後、外食が普通になり、コンビニやスーパーなどで気軽にお惣菜などの調理済み食材が購入できるようになりました。

エンゲル係数の傾向2:昨今は上昇している

昨今、エンゲル係数は上昇しています。そのため、日本の家庭では、生活が厳しくなっているのではないかという議論が交わされています。

 

エンゲル係数が上昇した理由に、世帯の高齢化や食生活スタイルの変化や共働きの世帯が増えたことが挙げられます。

 

高齢化による無職世帯が増えたこと、ライフスタイルの変化や共働き世帯の増加により外食や加工食品への依存が増えたことがエンゲル係数の増加の一因になっています。

エンゲル係数の傾向3:収入が高い世帯は数値が低い

エンゲル係数は消費支出全体に占める食糧支出の割合です。生命を維持する食料の割合が多いということは、他の消費に割ける余裕がないことを表し、生活が厳しいことを意味しています。

 

一方、収入の高い世帯では食費よりも娯楽費や教養費、そして長く使える財産と呼ばれるものにお金を使うため、食費割合は低くなります。

 

エンゲルの法則とは家計の所得が増えると生活費を占める食費の割合が低下するということを表しています。

エンゲル係数の傾向4:20~50代にかけて減少

エンゲル係数は消費支出における食費の割合を表し、所得が高いと低くなり、所得が低くなるとあがります。

 

これは所得が高いと食費以外の消費支出に割ける金額が増えることを意味し、給料が安い20代前半ではエンゲル係数が高くなり、だんだんと収入が多くなるにつれて生活水準が上がり、エンゲル係数が低くなります。

 

30代~50代は、一般的に娯楽費や教育費が高くなります。そのため、エンゲル係数が低くなるのです。

食費とエンゲル係数の傾向5:都市部では食費共に高い

東京など都市部ではエンゲル係数が高い傾向にあります。その理由は、都市部では気軽に外食を楽しめる環境にあるから、また、物価が高いということも関係しています。

 

食べることを楽しむという必需的ではない食事や、紅茶やアルコールといった飲み物などの嗜好品の消費も増えています。

 

そのほかでも、共働き世帯が多くお惣菜などの料理済み食品の利用が多いのも理由でしょう。

エンゲル係数を抑える!食費の節約術7選

エンゲル係数=食費です。食費を抑えることでエンゲル係数を抑えることができます。エンゲル係数はできるだけ下げたいと考えますよね。食費を下げるにはどんなことをすればよいでしょうか。

 

もっとも簡単なのは「家で作れるものは家で作る」です。ランチを外食ではなくお弁当に、飲み物もお茶やコーヒーを買わずに水筒に入れていく。

 

そして、「食事の準備を簡単にする」というのも節約の第一歩です。食費を下げる方法をご紹介します。

食費の節約術1:目標金額を決める

まずは収入の中で食費に割ける金額を算出します。

 

総務省の家計調査報告から、二人以上世帯のエンゲル係数は25.7%ということが分かりますので1カ月の収入にエンゲル係数をかけて金額を算出しましょう。

 

ここで算出した金額を目標として食費として計上します。目安を設定することで買い物の抑制につなげましょう。

 

目標金額を5で割って、1週間分の予算を立てます。週の予算が守られれば自然と月の目標金額も達成できます。

食料は80,461円で,名目0.8%の増加,実質0.4%の増加となった。調理食品などが実質増加 となった。一方,肉類などが実質減少となった。なお,エンゲル係数注4(消費支出に占める食 料費の割合)は25.7%と,前年と同水準となった。

https://www.stat.go.jp/data/kakei/2019np/gaikyo/pdf/gk01.pdf

食費の節約術2:外食もうまく利用する

節約、というと真っ先に切り捨てられるのは「外食」です。

 

しかし、外食の方が安く上がる食べ物もあります。また、後始末などを考えると、外食を利用した方が良いものもあります。

 

毎日自炊はハードルが高いと感じるなら、外食の回数を減らす、外食の予算を組むなどの方法をとると無理なく続けられます。

 

あまり節約と行って縛りすぎると思わぬリバウンドが襲います。ほどよく外食をしてストレスを発散しましょう。

食費の節約術3:買い物の前にリストを作る

買い物の前に冷蔵庫の中身やストックを確認し買い物リストを作ることで無駄を省けます。

 

できるなら、あらかじめ1週間分の献立を決めておきそこから買い物リストを作りましょう。

 

買い物の額をコントロールできますし、買い忘れて再び買い物に行くということを防げます。何度も買い物に行くとついつい余計なものを買ってしまって予算を達成するのが難しくなるので、できれば一回で買い物リストに沿ったお買い物を心がけましょう。

食費の節約術4:まとめ買いや冷凍食品を活用する

何度も買い物に行くとついつい余計なものを買ってしまいます。買い物はできるだけ週に1度にまとめましょう。

 

鮮度が心配な肉や野菜なども昨今は冷凍食材として販売していますし、冷凍食品は生鮮食品よりも価格高騰に影響されにくく、価格が安定しているのでおすすめです。

 

また、チルド食品や冷凍食品など簡単な調理でできるものを準備しておけば、「めんどくさいから外食」ということを減らせるので便利です。

食費の節約術5:コンビニの利用頻度を減らす

何でも売っているコンビニエンスストアは品揃えが充実していますが、その分商品は割高に設定されています。

 

また、コンビニは誘惑が多いです。新製品のお菓子、スイーツ、小腹が減ったらデリ商品など「ついつい」お財布の紐も緩みがちになってしまいます。また、お子さんを連れて行くとおやつやジュース、食玩などもねだられて買い与えることが多くなります。

 

できるだけコンビニに足を踏み入れないようにすることが誘惑に勝つ第一歩です。

食費の節約術6:空腹時の買い物は避ける

お腹が空いている時、スーパーに行くとついつい買いすぎてしまいます。

 

お腹が空くと人間は「獲得モード」に入りものを手に入れるための行動を活性化してしまいます。特に食べ物は、「お腹が空いていて多めに買ってしまった」という経験がある人が多いのではないでしょうか。

 

スーパーに行く前に、何か一口、口に入れることでこの衝動は緩和されます。空腹時には買い物に行かない、行く前には何か一口食べるなど工夫をしてみてください。

食費の節約術7:ポイント還元にも注目する

現金決済は支出の内容も把握しやすく、財布の中身だけで買い物をしなければいけないため使いすぎるということがありません。しかし、現金決済では、支払い時につくポイントがないため、お得感が少ないです。

 

クレジットカードや電子マネーなどでは買い物するたびにポイントが付加されるのでお得感があります。たまったポイントは、買い物の時に利用できます。

 

できれば現金ではなくキャッシュレス決済を利用しましょう。

エンゲル係数に関する3つの注意点

エンゲル係数は社会情勢も表すと言われています。しかし、昔から言われている「エンゲル係数が高い=生活にゆとりがない」という図式は、最近では少し変わってきています。

 

食に対する考え方やライフスタイルなど価値観が大きく変わりつつあります。エンゲル係数だけでは社会情勢を読み取ることが難しくなりつつあります。

 

先進国ではエンゲル係数は食へのこだわりとの価値観も生まれており注意が必要です。

エンゲル係数に関する注意点1:世帯内の労働者人数によって変動する

エンゲル係数は世帯内の労働者人数によっても変動します。世帯内で労働者が増えると収入が増えます。

 

収入が増えると家計に余裕が生まれます。食費はそのままでも、教育費、嗜好品などにお金を割けるようになり、消費支出が下がりエンゲル係数が低くなります。

 

また、消費支出に回さずに貯蓄にお金を回した場合にはエンゲル係数が高くなります。そのためエンゲル係数が高い=ゆとりがないと決めつけるのは間違いの元になるでしょう。

エンゲル係数に関する注意点2:食費には飲料や酒類も含まれる

食費というと、日々の食事のことばかりに目がいってしまいます。しかし、エンゲル係数を算出する時、食事だけではなく、酒や茶、果物やおやつといった嗜好品も食費に含まれます。

 

消費支出とは、衣食住全ての支出ですが、税金や健康保険料、保険料、住宅ローン、貯金は除かれます。生きていくために必要ではない娯楽費や交際費などももちろん含みます。

エンゲル係数に関する注意点3:あくまで指標である

エンゲル係数=生活水準が低いとは限りません。エンゲル係数は人間にとって必需品である食料費から算出しますが、「食べることを楽しむ」人もまた多いです。

 

娯楽として「食べる」人もいます。外食が趣味、という人も多いですよね。そのため、エンゲル係数が高い=貧しいというのは昨今では当てはまりません。

 

先進国でのエンゲル係数は生活水準ではなく食へのこだわりの現れではないか、との価値観も生まれています。

エンゲル係数を理解して生活を見直してみよう

エンゲル係数とは消費支出における食費の割合を表したものです。節約を考えた場合に真っ先に削る予算としての候補にあがる食費の割合を知ることで上手に節約を開始できます。

 

節約をする場合にはまずは1カ月のお金の流れを把握することが大切です。レシートを見ながら、自分のお金の使い方を見てみると思わぬ傾向が見えることもあります。

 

エンゲル係数の平均は25%です。まずはこの数値を目標に食費の削減を頑張りましょう。

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