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出産時に行う医療費控除の申請手順5つ|医療費控除の仕組みとは?

2021 07.2この記事はPRを含みます

出産時に行う医療費控除とは?

出産はとても大きな喜びを与えてくれるものですが、お金がかかるのでは、と心配になる方もいらっしゃるでしょう。特に共働き世帯の場合、妻が休業ししばらく収入が減少することに不安を感じてしまいます。

 

様々な手当金や補助金がありますが、ここでは、出産時に申請することができる医療費控除について説明します。

医療費控除の対象

病院で妊娠の診断を受けると、その後の定期検診や検査などの費用、それら検診・検査に伴う交通費、出産時の入院費が医療費控除の対象となります。出産入院の際には、バスや電車など公共交通機関の利用が難しく、タクシーを利用した場合、その料金も対象です。

 

通院のための交通費は領収書が出ないものが多いので、家計簿に記入するなど、後日しっかり説明できるようにしましょう。

医療費控除の対象となる出産費用の具体例

医療費控除の対象外

一方、医療費控除の対象外となるものもあります。出産のための入院の際に購入した寝巻きや身の回りの品といったお産セット、赤ちゃんのおむつ代、入院中の食事代は控除対象となりません。

 

また、個室で入院した際の差額ベッド代、里帰り出産を行う場合の帰省費用も同様に支払対象外です。

 

また、検査や検診のための通院で自家用車を使用する場合は、ガソリン代や駐車場・有料道路利用料金は控除の対象になりませんので、注意しましょう。

医療費控除の仕組みとは?

医療費控除はどのような仕組みなのかよくわからない方も少なくないでしょう。医療費控除は、1月1日から12月31日までの1年間の医療費が、10万円(住民税非課税世帯以外)を超えた時に確定申告を行うと、税金の一部が手元に戻る仕組みです。

 

医療費控除は、生計を同じにする配偶者や子供が通院した場合も医療費を合算して申請できます。しかし、サプリメントや整形など自己都合や美容目的のための医療費は控除の対象となりません。

医療費控除

出産時の医療費控除の計算式

医療費控除額は、世帯の総所得金額によって異なります。また、出産一時金とのかねあいもあります。実際いくらの控除があるのでしょうか。具体的な計算方法と金額を紹介します。

医療費控除額の計算式

医療費控除額は、世帯の総所得金額が「200万円」以上か以下か、で異なります。医療費控除額の計算式は以下のとおりです。総所得金額が200万円以下の場合は、「-10万円」ではなく「所得×5%」に置き換えてください。

 

医療費控除額=(実際に支払った医療費の合計額-保険金等で補填された金額)-(10万円)

医療費控除額の計算方法

医療費控除の申請で戻ってくる金額は?

例で考えてみましょう。Aさんは自然分娩で出産し、70万円かかりました。出産一時金42万円が支給されたため、実際に支出したのは70-42=28万円です。ここから10万円を引いた18万円が医療控除の対象となります。

 

しかし、高額療養費の対象となる帝王切開や吸引分娩を行った、医療保険に加入していたため保険金がおりたなど、様々な補助金が支給された場合、医療費控除額が医療費控除の対象外となってしまうので注意しましょう。

出産時に行う医療費控除の申請手順5つ

妊娠・出産による医療費控除の仕組みと実際の戻ってくるお金が掴めたところで、具体的な申請手順についても把握しておくと安心です。申告時期や必要な書類について、確認しましょう。</mark

医療費控除の申請手順1:確定申告の時期を確認する

始めに、確定申告の時期を確認しましょう。確定申告の期間は、2月16日~3月15日、です。申告するのは、昨年の1月1日~12月31日までにかかった医療費です。

 

また、年度途中で退職し、会社員から専業主婦となった場合は、年末調整を受けていない状態となるので気をつけましょう。還付金を受け取る還付申告を行う場合は、医療費のかかった年の翌年から5年間の申請も可能です。

申告と納税

医療費控除の申請手順2:必要な書類を準備する

次に、必要な書類を準備しましょう。確定申告に必要なのは、明細書・領収書・源泉徴収票・確定申告書の4つです。

 

明細書は医療費の内訳を書いたもので、手書きでも構いません。領収書は、申請から5年間の保存が義務付けられています。申告の際提出する必要はありませんが、大切に保管しておきましょう。

 

源泉徴収票は、年末の忙しい時期に手元に来ることが多いので、紛失しないように注意しましょう。確定申告書は、最寄りの税務署もしくは国税庁のHPから取得できます。

確定申告書作成コーナー 作成コーナートップ

医療費控除の申請手順3:医療費を計算する

明細書の作成にもつながる医療費の計算をしましょう。医療費は、個人ではなく家族全体でかかった費用をまとめて申請できます。医療費の計算をする場合は、「誰に」かかった費用かを明確にしましょう。

 

歯医者にかかった場合、高額な材質を使用した治療など保険適用外の場合もあるので注意が必要です。

 

前述したとおり、医療費控除は過去5年間までさかのぼり申告できます。申告し忘れた医療費の控除を申請する場合は、更生の申告を行いましょう。

医療費控除の申請手順4:申請書を記入する

確定申告書への記入の仕方も見てみましょう。源泉徴収票に記載されている支払金額や給与所得控除後の金額等を記入します。

 

「所得から差し引かれる金額」には源泉徴収票の「社会保険料控除」「生命保険料控除」「扶養控除」といった控除の欄を参照し、その金額を記入してください。ふるさと納税などの控除もこちらの欄に記入します。そして、支払った医療費を元に医療費控除額を計算します。

 

記載例は国税庁HPにも掲載されているので、ご参照ください。

確定申告書の記載例

医療費控除の申請手順5:医療費の明細書を作る

明細書は手書きでも、自分でExcelなどのソフトを使用して作成しても構いません。「医療を受けた人」「受診した病院・薬局」「支払った医療費」を記載します。

 

書き方が不安な人は、国税庁のHPの医療費集計フォームを利用すると便利です。こちらのフォームを使うと医療費の総額までを算出できるので、申請手順3の医療費の総額の計算もできます。入力方法や記入例も同HPを参照してください。

確定申告書作成コーナー 医療費集計フォーム

出産時に行う医療費控除の申請方法3つ

医療費控除申請のための手順について、把握できたでしょうか。妊娠・出産時以外でも子供の入院費や検診代、薬代が多くかかった年には、ぜひ申請の準備をしましょう。医療費控除申請の手続きの方法は3種類あります。あなたにとって便利な申請方法を選択してください。

医療費控除の申請方法1:税務署で行う

1つ目は、税務署で行う方法です。住民票に記載されている住所を管轄する税務署に足を運び、確定申告書の用紙をもらってその場で記入します。

 

分からないところを職員に聞きながら記入できますし、直接持ち込むことで「確実に提出した」という安心感を得られます。しかし、申告時期は混雑が予想されること、必要な持ち物をしっかり確認し持参しなければならないことなど、デメリットもあります。

医療費控除の申請方法2:郵送で行う

2つ目は、郵送で行う方法です。明細書や確定申告書などの必要書類を自宅やコンビニエンスストア等で印刷し、管轄の税務署へ送付します。

 

ただし、確定申告書は「信書」になるので、宅配便ではなく、郵送もしくは信書便を利用して送付する必要があります。また、確定申告書の提出日は「消印の日付」になります。提出期限がギリギリになってしまった場合は、郵便局の窓口へ直接持ち込むことをおすすめします。

医療費控除の申請方法3:自宅で行う

3つ目は、自宅で行う方法です。e-tax(電子申告)で、自宅のPCを使い必要書類を作成し、マイナンバーカードもしくはID・パスワードを利用して提出します。なるべく外出を避けたい現在の状況を考えると、よいやり方と言えるでしょう。

 

しかし、事前の準備が若干煩雑となります。マイナンバーカードの情報を読み込むためのICカードリーダライタ(対応できるスマートフォンもある)の準備や利用者識別番号等の取得などが必要です。

出産時は忘れず医療費控除を行おう!

医療費控除の仕組みや対象、実際の申請手順とその方法について説明しました。妊娠・出産・子育てにあたり、しっかり医療費控除を行い、損をせず賢く税と向き合いましょう。

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