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健康保険の任意継続にメリットはある?被保険者になる条件と手続き方法

2021 08.3この記事はPRを含みます

3退職後に加入する健康保険について

会社を退職した後の健康保険には、任意継続健康保険、国民健康保険、家族の健康保険という3つのプランがあります。

 

任意継続健康保険は、退職後も継続して会社の保険に加入できる制度です。国民健康保険は、最寄りの市区町村の国民健康保険窓口で申請します。また、家族の健康保険とは、家族が加入している健康保険の被扶養者になることです。

 

在職時の保険証が使えるのは退職日までなので、新たな健康保険への加入が必要になります。

退職後の健康保険のご案内

健康保険の任意継続とは

退職後も在職中の健康保険を引き継ぐことができる制度で、在職中と同じ保険内容の給付が受けられます。

 

任意継続被保険者として2年間の継続期間が定められており、就職したときや後期高齢者医療の被保険者となった時以外は、やめることはできません。

 

しかし、保険料の滞納には厳しく、納付期日までに納付しなかったときは、翌日に資格喪失となってしまいます。

保険料について

健康保険の任意継続に加入する条件

任意継続被保険者になる条件は、資格喪失日の前日までに「2か月以上継続して被保険者期間」があること、資格喪失日から「20日以内」に申請することの2つです。

 

健康保険組合の任意継続の場合は、2年間継続する意志があることも条件に含まれます。

 

協会けんぽの健康保険に加入の場合は住所地を管轄する協会けんぽ支部へ、健康保険組合の健康保険は健康保険組合にて加入手続きをします。

任意継続被保険者となるための要件

健康保険の任意継続のメリット3つ

通常は会社を退職すると、被保険者としての資格が無くなるため健康保険は喪失します。しかし、任意継続制度はそのまま退職前の会社の健康保険を引き継ぎ、2年間継続することができるものです。

 

任意継続のメリットは、一人分で扶養家族分も保険適用されること、保険料が安くなる可能性があること、在職中と同じ給付が受けられることの3つです。

健康保険の任意継続のメリット1:一人分で扶養家族分も保険適用される

任意継続は、国民健康保険と違い扶養があるので、一人分の保険で扶養家族全員が保険適用され、給付を受けられるというメリットがあります。

 

任意継続の保険料は、原則2年間同じ金額となっています。一人分の保険料で扶養家族分も保険適用されるので、扶養家族が多ければ、家族みんなで国民健康保険に加入するよりも保険料が安くなる場合があります。

扶養家族分の保険適用の条件

任意継続で扶養家族として保険適用されるためには、「収入要件」「被扶養者の範囲」があります。

 

収入の面では、扶養家族の1年間の収入が130万円未満であり、被保険者の年収の二分の一以下であることが適用要件になります。

 

また被扶養者は3親等以内の親族に限られ、直系親族と配偶者については同居していなくても被扶養者と認められますが、それ以外の親族は被保険者と同居していることが要件になります。

任意継続の加入手続きについて

健康保険の任意継続のメリット2:保険料が安くなる可能性がある

任意継続保険料は、退職時の標準報酬月額に住所地の都道府県の保険料率をかけて計算されますが、退職時の標準報酬の月額が30万円を超えていた場合は、30万円の標準報酬月額として計算されます。

 

このように任意継続健康保険の保険料には上限があるので、給料が高い人ほど本来支払うべき保険料より安くなるというメリットがあります。

任意継続の保険料はどのようになりますか?

健康保険の任意継続のメリット3:同じ内容の給付を受けられる

保険証は変わりますが、在職中とほぼ同じ内容の保険給付や健康診断などを受けられるので安心できます。

 

傷病手当金、出産手当金については支給されません。しかし、退職日の前日までに継続して1年以上被保険者であり、在職中に傷病手当、出産手当を受けていた場合には、引き続き手当金の支給を受けることができます。

 

また、出産手当金については、要件に該当すれば、退職後であっても一時金が支給される場合があります。

継続被保険者の保険給付

健康保険の任意継続のデメリット5つ

任意継続健康保険は、会社を退職してからも在職中の健康保険を引き継げる保険制度ですが、いくつかのデメリットがあります。

 

保険料の滞納に厳しい、選択すると変更できない、加入する条件が厳しい、国民健康保険のほうが安い場合がある、受付が遠方の可能性があるなどです。

 

任意継続の5つのデメリットについて見ていきましょう。

健康保険の任意継続のデメリット1:保険料の滞納に厳しい

保険料の滞納には大変厳しく、納付期限までに保険料の支払いがないと、理由を問わず、翌日には資格喪失になってしまいます。

 

また、任意継続の申込みの際に、期日内に保険料を納付できなかった場合には、申し込み自体が無効になります。

健康保険の任意継続のデメリット2:選択すると変更出来ない

任意継続は、次の仕事が決まるまでの期間の保険です。原則は就職が決まって資格喪失する以外には、自分で申し出るなどして途中で他の保険に変更することはできないことになっています。

 

保険料の未納で資格喪失になる場合もありますが、任意継続の途中で、国民健康保険の加入や家族の保険の扶養に入ることはできません。

健康保険の任意継続のデメリット3:加入する条件が厳しい

任意継続保険に加入するためには、資格喪失日までに健康保険の被保険者の期間が継続して、2か月以上あること、資格喪失日(退職日の翌日)から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を出す必要があります。

 

このように退職日から申し込み期限まで20日間と短いため、退職後の忙しい時期に家族構成などを考慮して、国保か任意継続かを検討して手続きをするのが難しいというデメリットがあります。

任意継続の加入条件について

健康保険の任意継続のデメリット4:国保が安い場合もある

国民健康保険は前年度の所得をもとに保険料を計算するので、退職後の最初の1年間は在職中の給与から計算されますが、2年目は退職1年目の低い所得で計算されます。それに比べて任意継続は2年間同じ保険料のため、国保のほうが安い場合があります。

 

また、標準報酬月額が30万円以下の単身の会社員の場合は、国保の保険料のほうが任意継続よりも安くなります。

退職時の個人の手続き

健康保険の任意継続のデメリット5:受付が遠方の可能性がある

任意継続の申し込みが協会けんぽの場合は、全国に支部がありますが、健康保険組合で都内1か所などの場合、別の市区町村から手続きする場合には、数日かかってしまいます。

 

任意継続を申し込む前に、保険料や手続き方法について在職中に加入していた健康保険の保険運営者へ確認します。しかし、申請受付期間が退職日の翌日から20日以内と大変短く、過ぎてしまうと申し込みができないため、早めの準備が必要となります。

健康保険の任意継続の手続き

「任意継続被保険者資格取得申出書」を記入し、住所地の管轄の協会けんぽ支部または健康保険組合に退職時の翌日から20日以内に申請します。被扶養家族がいる場合は、申出書の被扶養者届出書欄を記入します。同時に扶養を確認する書類の提出が必要な場合があります。

 

任意継続を申請後に国保に変更することができないため、国保の保険料について事前に市区町村の国民健康保険窓口で相談してから検討するとよいでしょう。

健康保険の任意継続が出来なくなる条件

任意継続健康保険は加入期間が、2年間と決まっていますが、資格喪失する場合があります。

 

就職して他の健康保険に切り替えた場合、納付期日までに保険料を支払わない、75歳になって後期高齢者医療制度の被保険者となった場合などに該当すると自動的に終了します。

健康保険の任意継続を上手く活用しよう

任意継続は、在職中と同じ保険内容の給付を受けることができる制度で、被保険者一人分の保険料で、家族全員分の保険料を賄うことができます。

 

自営業などを開業する場合には、退職した会社の保険内容をそのまま引き継ぐ任意継続は、会社負担分が無くなるため保険料は2倍になりますが、上限もあり安心できる制度です。

 

任意継続の保険加入期間は、最長2年間ですが、メリット、デメリットを踏まえて上手に活用しましょう。

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