マンション購入時等の土地・建物の価格割合の確認方法や計算方法|建築価額表からの推計手順
2024 04.10この記事はPRを含みます
マンションを購入した時の土地や建物の価格割合の確認方法がよくわからないんだよね。
そうなんだ。確認方法について教えるね。
ありがとう、先生!計算方法についても知りたいな。
なるほどね。計算方法もあわせて教えるね。
土地・建物の価格割合を算出する必要がある時とは
土地・建物の価格割合を算出する必要がある時とは、マンションなどの不動産購入時や不動産売却時です。
不動産購入時は、建物にかかる消費税を求める必要があり、不動産売却時は、譲渡益(損)を計算する必要があるので、土地と建物の価格割合を算出しなければなりません。
価格割合によっては、節税になったり、逆に税金が多くかかったりするので注意する必要があります。
マンションなどの不動産購入時
マンションなどの不動産購入時に土地・建物価格を分けて算出する必要があります。おもに投資用不動産の場合です。建物価格に応じて、購入後の毎年の減価償却費が変わってきます。減価償却費は費用として計上できるので、建物価格が高い程、節税効果を上げることができるのです。
購入後、賃貸マンションとして貸した場合、得られる家賃収入額から減価償却費を経費として計上でき、申告額を減額できます。
消費税の計算に必要
マンションなどの不動産購入時は、建物部分の価格について消費税がかかってきます。土地の価格部分については消費税がかかりません。マンションなどの売買契約では、土地・建物の区別なく総額で表記されることが多いので、確認する必要があります。
建物価格を決めないと、売主と買主の税務申告の建物価格が違ってきます。つまり、売主の納める消費税額と買主が賃貸収入から差引く減価償却費に矛盾が生じます。
マンションなどの不動産売却時
マンションなどの不動産売却時に、建物価格を算出する必要があります。なぜなら、譲渡所得税の計算に必要であるからです。
買主が投資目的で購入する場合、建物部分の価格を高くしてほしいと言ってくるかもしれません。買主にとっては毎年の減価償却費が多くなるからです。しかし、高い建物価格にすると、売主側では譲渡所得が多くなるので注意が必要です。
譲渡所得税の計算に必要
マンションなどの不動産を売却したときに譲渡益が発生した場合、譲渡所得税がかかります。譲渡所得税の計算には、割合に応じた土地・建物の価格が必要です。
譲渡益の金額は、当初の不動産購入時の価格(取得費)と購入諸費用を売却価格から差し引いた額になります。取得費の建物価格は経過年数分の減価償却費を差し引いた価格になるので、注意しましょう。なぜなら、取得費が小さくなると譲渡所得が多くなるからです。
マンションなどの不動産相続時
マンションなどの不動産相続時に、土地・建物の価格を分けて算出する必要があります。土地は国税庁が発表する路線価評価額を基に算出しましょう。建物部分は築年数や購入価格などから合理的と認められる方法で算出してください。
土地価格についても、合理的と認められれば売買契約書記載の価格でよいのですが、一般的には路線価評価額を土地価格とします。なぜなら、契約代金より路線価評価額のほうが低いからです。
相続税・贈与税の計算に必要
土地・建物の価格割合は相続税や贈与税の計算に必要です。なぜなら、相続税や贈与税は、対象不動産の時価に応じて税額が決定するからです。
相続税や贈与税は、対象不動産の時価が安いほど低くなりますが、合理的で妥当な価格の必要があります。
土地に関しては国税庁が発表する路線価評価額が指標となりますので、あまりに低く設定すると税務署が認めません。建物価格は築年数や固定資産税評価額を勘案して決めましょう。
土地・建物の価格割合の確認方法
土地と建物の価格割合は、売買契約書や住宅ローン控除の確定申告書類に記載されている価格によって確認できます。
売買契約書に記載されていない場合や住宅ローン控除を受けていない場合は、固定資産税評価額の割合で売買総額に掛け合わせて算出しましょう。路線価評価額を土地価格として、売買総額から土地路線価評価額を差し引いて建物価格を算出する方法もあります。
確認方法1:売買契約書を確認
土地・建物の価格割合は、売買契約書に記載されている土地価格と建物価格により確認できます。又、売買契約書に記載されている消費税額から確認もできます。
消費税は建物部分にかかっているので、消費税額を消費税率で割り戻せば建物価格が算出されます。売買契約書に売買代金総額と消費税額のみ記載されている場合の方法です。
確認方法2:住宅ローン控除の確定申告書類を確認
売買契約書を紛失した場合でも、住宅ローン控除を受けている方であれば、住宅ローン控除の確定申告書類で、土地・建物の価格割合を確認できます。
住宅ローン控除の申告書に「家屋又は土地等の取得対価の額」の欄があるので、記載されている金額をそれぞれの価格とします。
土地・建物の価格割合の計算方法
土地・建物の価格割合の計算方法には、土地や建物の売買契約書記載の消費税額から算出する方法や、土地や建物の評価額から算出する方法があります。評価額は、地方税の固定資産税都市計画税の算出基礎になる固定資産税評価額が妥当であるとされています。
消費税や評価額以外にも、専門家による調査により土地・建物の価格割合を算出するという方法があります。評価額の一種といえます。専門家とは一般的には不動産鑑定士です。
計算方法1:消費税から計算する
土地・建物の価格割合は契約書に記載されている消費税から計算できます。消費税は建物価格にのみ発生するので消費税額を割り戻すことで建物価格を算出できます。土地価格は売買総額から消費税と建物価格を差し引いた価格です。
土地・建物の税込総額が4,750万円、内消費税250万円で消費税率10%の場合は、250万円÷10%=2,500万円が建物価格となり、土地価格は2,000万円になります。
消費税は建物価格にのみ発生
消費税は建物価格のみに発生することを利用して、土地・建物の価格割合を算出できます。
原則、消費税は物を消費したときにかかってきます。建物は不動産ですが、経過により劣化し価格が減価していきます。このように減価償却する建物は、消費する対象物として消費税がかかるのです。
一方、土地は価値が変わらない物、経過により劣化しない物なので、消費税は掛かりません。
計算方法2:固定資産税評価割合による
土地・建物の価格割合を固定資産税評価額の割合によって算出することが可能です。固定資産税評価額は各市町村の固定資産課税台帳に記載されています。
不動産を持っていれば、毎年固定資産税・都市計画税がかかります。固定資産税や都市計画税を算出する際の基礎となる価格が、固定資産税評価額です。
固定資産税評価額は、毎年市区町村から送付される固定資産税・都市計画税の通知書に記載されているので、容易に確認できます。
土地・建物の評価額の比から計算
市町村から送付される通知書に記載されている土地・建物の固定資産税評価額の比から土地・建物の価格割合を算出して、土地と建物の価格を決めることができます。
合理的あるいは妥当な価格と認められるためには、公的な機関が発表している評価額で計算することが大事になります。不動産を持っている人が必ず収める税金の計算根拠となっている固定資産税評価額は、価格割合の算出根拠として、合理的かつ妥当な価格です。
計算方法3:建築価格表から建物価格を算出
建物価格は国税庁が示す「建物の標準的な建築価格表」によって算出できます。価格表には、建築時の1㎡あたりの単価(千円単位)が示されており、昭和50年(1975年)から現在までの単価が記載されているので、ほぼ全てのマンションの価格を算出できるのです。
固定資産税評価額を調べるよりも簡単で、かつ固定資産税評価額よりも価格が小さくなるので節税できる、というメリットがあります。
総額から建物価格を控除し土地価格とする
売買代金総額から建物価格を差し引いた価格を土地価格とします。しかし、マンションなどの不動産売買契約では、土地・建物の価格割合を売主と買主が自由に決められることも覚えておきましょう。
ここで示す方法の総額から建物価格を控除した価格を土地価格とすることは、問題ないのですが、価格割合を自由に決めた場合は、税務関係で認められないこともあるので注意しましょう。
建物価格が小さくなるので節税になる
建物価格は、固定資産税評価額よりも建築価格表から算出した価格のほうが小さくなるので、節税になります。購入時の消費税や売却時の譲渡所得税です。
しかし、売買契約書に記載がある場合は、その価格が建物価格になり、思うような節税ができないことがあります。
したがって、マンションなどの不動産売買契約書に建物価格を記載する必要がある場合は、当事者の相手方に建物価格を低くするための交渉が必要になってきます。
土地・建物の価格割合を建築価格表から計算する手順
土地・建物の価格割合を国税庁が示す「建物の標準的な建築価格表」から計算する手順をみていきましょう。
建物価格を価格表により算出し、売買代金総額から建物価格を控除して土地価格を算出します。例として、平成10年新築のマンション(床面積75㎡)を平成20年に3500万円で購入した場合を見ていきます。
手順1:新築時の建物価格を推計
新築時の建物価格を推計します。新築の年と建物の構造を建築価格表にあてはめて単価を取得し、建物床面積を掛けて計算した価格が該当建物の新築時の建物価格です
下のリンクの「建築価格表(国税庁)」を見て下さい。平成10年、鉄骨鉄筋コンクリート造、75㎡のマンションの単価は225,600円になるので、225,600円×75㎡=16,920,000円が建物価格になります。
手順2:減価償却費の算出
減価償却費は新築価格×0.9×償却率×経過年数で算出します。係数0.9は法定耐用年数経過後も一定の価値(1割)は残っているという考え方からです。
下のリンク「建物減価償却費(国税庁)」を見て下さい。マンションの耐用年数は70年、償却率は0.015なので、新築価格16,920,000円×0.9×0.015×10年=2,284,200円が減価償却費になります。
手順3:購入時の建物価格を算出
マンション購入時(平成20年)の建物価格は、新築時の建物価格から減価償却費を差し引いて算出します。
16,920,000円(新築価格)-2,284,200円=14,635,800円が購入時の建物価格です。
購入時の建物価格 = 新築時の建物価格 - 減価償却費
手順4:購入時の土地価格を算出
マンション購入時の土地価格は、売買代金総額から建物価格を差し引いて算出します。
35,000,000円(総額)-14,635,800円(建物価格)=20,364,200円が土地価格です。
購入時の土地価格 = 購入総額 - 購入時の建物価格
手順5:土地・建物の価格割合を現時点の価格に適用
手順1~4で求めた価格で土地価格割合と建物価格割合を算出し、現時点の価格に適用します。
土地価格割合は20,364,200円÷35,000,000円×100%=58%、建物価格割合は42%です。
平成30年に2,800万円で売却した場合、土地割合と建物割合を掛けてそれぞれの価格に適用します。2,800万円×58%=1,624万円が土地価格、2,800万円-1,624万円=1,176万円が建物価格です。
土地・建物の価格割合の算定方法を知っておこう
土地・建物の価格割合の算定方法を知っておくことは、消費税の計算や、譲渡所得税の計算などを行なう場面で、大きな武器になります。固定資産税評価額から算定する方法や建物価格表から算出する方法などを紹介してきました。
大事なことは、土地・建物の価格割合が合理的であるか、妥当であるか、場合によっては一貫性があるかということです。
取引の場面で、納得のいく土地・建物の価格割合を説明できるようになりましょう。
マンション購入に関して、以下のリンク先にまとめていますので、興味がある方はご参照ください。
マンション購入後に後悔する理由7つ|後悔しないための対策とは?
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