敷金トラブルが絶えない理由とは?預かり金の役割・ガイドライン6つを解説
2020 06.29この記事はPRを含みます
敷金トラブルが絶えない理由
敷金トラブルは原状回復についての認識不足が招くものです。
部屋の退去時に原状回復にかかる金額を全て借主の負担と認識している貸主がおり、そういった認識が基となり、借主に対して高額な金額請求が行われるケースが出ています。
そういった敷金が戻らない高額な請求に対して不服を唱える借主もいます。このようなトラブルを回避するためにも、貸主と借主は国土交通省の原状回復に対するガイドラインを理解する必要があります。
敷金の基礎知識2つ
敷金の基礎知識を身につけて敷金トラブルを防ぎましょう。
敷金は、部屋を借りるために家賃などと一緒に納めるものですが、多くの場合、部屋の退去時に原状回復させるために使用され返金されないものという認識が持たれています。
実は、原状回復は基本的には貸主が行うので善管注意義務に則った使い方をしていれば、敷金は退去時に返金されます。ですが、敷金や原状回復への認識が低いために多くの敷金トラブルが発生しています。
基礎知識1:敷金は預かり金
敷金は貸主を金額面で保障する仕組みです。
貸主が部屋を貸した時に、家賃の滞納の発生や大規模な部屋の損壊などといったトラブルが発生する場合があります。
そういった時に、貸主の被害を金銭面で保障するのが敷金です。敷金は借主からの預かり金なので、借主が退去時に問題の無い部屋の使い方をしている場合には敷金が返還されます。
ですが多くの場合、原状回復のために敷金が使用されるといった敷金トラブルが目立っています。
基礎知識2:原状回復は大家の仕事
原状回復は貸主の仕事です。
借主は、退去時に貸主である大家から原状回復を求められますが、長期間にわたって部屋を借りているような場合、壁紙などの経年劣化が生じます。そういった日常生活で生じる劣化に対しての原状回復は貸主の仕事となっています。
ですが、カビを放置して掃除を怠るなど借主に落ち度がある場合には借主が費用を負担することになるので、敷金トラブルを防ぐためには原状回復に対する知識を持ちましょう。
敷金トラブルのガイドライン6つ
原状回復のガイドラインを知って敷金トラブルを防ぎましょう。
国土交通省が示した原状回復についてのガイドラインがあります。原状回復のガイドラインには、どのような対象物が経年劣化か消耗品となるのかなど細かく具体的に書かれています。
そのガイドラインを理解することにより、部屋の退去時の敷金トラブルを回避することができます。ここでは、具体的な例で原状回復のガイドラインについて紹介していくので参考にしてみてください。
ガイドライン1:お風呂
原状回復の負担については、経過年数や借主の使い方によって判断されます。
ガイドラインによると、多少のキズがあっても経年劣化を考慮した上で借主が必要な清掃を行い使用しているのであれば、お風呂の原状回復は貸主の負担です。
しかし、借主がお風呂を破損しているような場合は借主が原状回復を負担する場合があります。ですので、お風呂での敷金トラブルを回避したいのであればお風呂を破損するような使い方はやめましょう。
ガイドライン2:キッチン
キッチンの現状回復は借主の掃除の有無などが影響を与えます。
ガイドラインによると、退去時に掃除を行わず酷い汚れや備品の欠損など、損傷が激しい場合は借主の負担になります。ですが、借主が行える掃除の範囲外に及ぶような汚れに関しては一般的には借主の落ち度という認識ではなく、貸主が原状回復を負担することになっています。
敷金トラブルを回避したいのであれば、小まめなキッチン掃除を行うようにしましょう。
ガイドライン3:フローリング・絨毯
日常生活で発生する損傷などは貸主が原状回復を負担します。
フローリングや絨毯のガイドラインについては、日常生活で発生するような損傷などは貸主が原状回復を負担することになります。ただし、引っ越し業者が付けたキズや借主本人の不注意でできたフローリングや絨毯の損傷に対しては借主の落ち度になるので借主の負担と見なされます。
敷金トラブルを回避するためには、部屋は借りものだということを意識して生活しましょう。
ガイドライン4:壁
借主の使い方によって経過年数に関係なく支払いを負担する場合があります。
壁のクロスは6年以上替えない状態が続くと残存価額が1円となるので、壁を損傷させずに6年以上住んだ後に退去した場合の原状回復は貸主の負担になります。
しかし、釘で壁に穴を開けるような損傷やタバコの煙で壁を汚した場合などは経過年数に関係なく借主の負担となってしまいます。敷金トラブルを回避するのであれば、壁の損傷や汚れに注意しましょう。
ガイドライン5:設置済みの電化製品
社会通念上、問題の無い部屋の使い方をしている場合は貸主の負担になります。
エアコンや換気扇など設置済みの電化製品についてのガイドラインですが、適度な掃除を行うなど社会通念上、問題の無い使い方をしていれば部屋の原状回復は貸主が負担します。しかし、借主が必要とされる掃除を怠っているような場合は原状回復は借主が負担することになります。
敷金トラブルを回避するためには、掃除や手入れを行うようにしましょう。
ガイドライン6:鍵の紛失
鍵の紛失は借主の負担になります。
部屋の鍵についてのガイドラインですが、経過年数を問わず鍵の交換にかかる全ての費用を借主が負担します。鍵の紛失は、鍵本体だけでなく鍵穴の部分にあたるシリンダーも含みます。
鍵の紛失については、防犯面で考えた場合でも自分の借りた部屋だけでなく他の住人の安全面を脅かす可能性があります。ですので敷金トラブルを防ぐのであれば、鍵の紛失を防ぐようにしましょう。
敷金トラブルの対処法3つ
敷金トラブルの対処法を知って活用しましょう。
部屋の退去時の原状回復については、非常に多くの敷金トラブルが発生しています。そういった敷金トラブルに巻き込まれないためにも、対処法を理解することが必要です。
敷金トラブルの対処法を上手に活用することにより、退去時のトラブルを回避することができます。そうすることにより退去時の敷金の返金に繋がります。敷金トラブルの対処法を知ってスムーズな退去を行いましょう。
対処法1:入居前に撮影しておく
借主が入居する前に部屋の撮影をしておきましょう。
借主が退去する時に部屋の損傷などがあった場合、その損傷が入居する前の物なのか、借主が損傷させた物なのか確認する必要があります。
損傷の有無については記憶力だけに頼るような証言だと、貸主と借主の間で意見の相違が出てきてしまい、場合によっては敷金トラブルに繋がります。そういったトラブルを防ぐためにも、入居前に部屋の撮影をしておくとよいでしょう。
対処法2:入居者による故意・過失は全額自己負担
借主による故意や過失による損傷は自己負担です。
入居者である借主が部屋を不注意で損傷させたり故意に損傷させた場合は、原状回復についての金額を経過年数に関係なく全額自己負担することになります。
借主が入居している部屋は借りている間は自分の部屋といえますが、あくまでも貸主から借りている部屋だということを忘れてはいけません。そういった意識を借主が忘れないで生活していれば、敷金トラブルを防ぐことができます。
対処法3:契約書の特約を確認する
契約書の特約を確認して敷金トラブルを防ぎましょう。
特約とは、通常の原状回復の他に契約書に追加で設けられた決まり事を指します。一般的には貸主が負担するものでも、特約に記載されている条件については借主が原状回復を負担することになります。
特約は本契約の後に記載されることが多く、借主が見逃してしまい敷金トラブルの原因になる場合があるので、契約時には貸主と借主は一緒に特約を確認するようにしましょう。
敷金トラブルにならないように知識を身につけよう
原状回復への知識は敷金トラブルを回避することに繋がります。
部屋の退去時に敷金トラブルになってしまい、場合によっては借主が原状回復の費用を追加で負担することもあります。
そういったトラブルを防ぐためには、敷金や原状回復についての知識は欠かせません。知識を身につけて貸主との賃貸契約を結べば、退去時に敷金の返金も可能になります。ぜひ、敷金や原状回復についての知識を身につけて敷金の返金を目指しましょう。