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不動産投資で必須のキャッシュフロー|計算方法と改善のための4つの方法

2020 10.21この記事はPRを含みます

不動産投資におけるキャッシュフローとは

投資などによって実際に得られた現金収入に対して、支出を差し引いたのちに手元に残る資金の流れのことをキャッシュフローといいます。

掛け取引と呼ばれ、商品の引渡し時には代金支払いを行なわず、後日決められた期日までに支払いを行ないます。

そのため、売上があがっても実際には現金がないため、借入をして行う不動産投資、賃貸経営においてはキャッシュフローを把握していないと銀行への返済、外部取引先への支払いができなくなってしまうのです。

銀行への返済が滞らないように、キャッシュフローを正確に捉えた投資をしているかが賃貸経営の生死を分けてしまうため、不動産投資におけるキャッシュフローはとても大事なものとなります。

帳簿上の利益との違い

不動産投資には「帳簿上の利益」という指標があります。その中で、なぜキャッシュフローに着目するのでしょうか。理由としてはキャッシュフローの方が帳簿上の利益よりも、不動産投資における現実のお金の動きを反映しているからです。

帳簿上の利益とキャッシュフローの金額が相違する理由としては、現金支出をしないが帳簿上、経費計上する項目があったり、現金支出をしても帳簿上、経費計上しなかったりする項目があるためです。

キャッシュフローの重要性

初期の段階でキャッシュフローを重視する不動産投資が重要になってくる理由は、銀行への返済が滞らないよう借入を毎月の収入から確実に返せるようにしたいからです。

そのため、きちんと利益の出る投資を行うことが重要なのです。

キャッシュフロー計算方法

不動産投資のキャッシュフローを計算する方法を解説します。

同じ価格の収益物件を購入して不動産経営を始めたとしても、キャッシュフローが同じであるとは限りません。自己資金の金額、ローン期間の長短、ローン金利、空室率などの要素が影響し、大小の差が生じるためです。

手残りのキャッシュを計算するには家賃収入から不動産経営コストを差し引く必要がありますが、それぞれの数値によってキャッシュフローが変動すると思ってください。

キャッシュフローの計算式

不動産投資におけるキャッシュフローの額は、個人の場合、キャッシュフロー=総収入額-(運営経費+年間ローン返済額+所得税・住民税)で算出できます。

一方、帳簿上の利益の金額は、帳簿上の利益=総収入額-(運営経費+減価償却費+借入金支払利息+所得税/住民税)で算出します。

年間ローン返済額は、借入金支払利息+元金返済額になりますので、キャッシュフローは帳簿上の利益+減価償却費-元金返済額であると言えるのではないでしょうか。

キャッシュフローの計算式項目1:収入

この計算式の項目で、収入は家賃なのでわかりやすいでしょう。

一棟ものアパートで部屋数は6戸、それぞれの家賃は6万円だと仮定します。そこから得られる家賃収入は満室と仮定したら、ひと月で36万円、年間では36万円 × 12ヶ月 = 432万円となります。

キャッシュフローの計算式項目2:経費

実際のアパート経営では空室率を考慮する必要があるので、空室損も経費として考慮する必要があります。

その他に、管理費、清掃費、エレベーター費用、修繕費用、固定資産税などが含まれます。

但し、これらを正確に算出することは、物件によって競争力や条件が異なるため、概算で算出することになります。経費の総額としては20〜25%程度で見ておくのが良いでしょう。

キャッシュフローの計算式項目3:借入金返済額

月の返済額を産出するには、ローンシミュレーターを使用します。銀行への支払額を出してみると、家賃収入に対する銀行への支払いの割合が大きいです。

経費は20〜25%程度と振れ幅は低いですが、返済額は金利や融資年数の違いによって振れ幅は大きいです。

不動産投資初期の段階でキャッシュフローを重視する投資をすることは、借入を毎月の収入から確実に返せるようにするためにはとても重要なことだと言えます。

キャッシュフローの計算式項目4:税金

ここまでは、税引き前の金額で考えてきましたが、最終的に手元に残るお金(キャッシュフロー)を算出しなくてはいけません。

そのためには所得税・住民税額を算出する必要があります。所得税・住民税額は「不動産所得」により決まりますので、不動産所得=収入-(各種経費+支払い利息+減価償却費)で求められます。

毎年実際に手元に残るお金は、キャッシュフロー=収入-(各種経費+借入金返済+所得税・住民税)で求められます。

キャッシュフローの計算式項目5:減価償却費

不動産投資における帳簿上の利益とキャッシュフローでは金額が異なる理由に減価償却費があります。減価償却費は、実際にその支出が行われる時にすべて計上されるわけではなく、現金支出をともなわない経費の一つです。

通常一括で支払っていれば、実際の現金の支出は購入した年に行われローンを組んだのであれば、ローンの支払いは実際に現金を支出する時となります。しかし減価償却においては実際の現金の支出とは関係なく、一定期間毎年会計上の費用として分割して計上することになります。

そのため、現金の実際の支出がないものの各年の利益を圧縮することができ、結果として毎年の利益に対して課税される税額を少なくすることができるのです。

キャッシュフローを改善する4つの方法

不動産投資においてキャッシュフローを多くすることは経営の健全化に直接関わりがあるので、多いに越したことはありません。

では、どうすればキャッシュフローが多くなるのでしょうか。

キャッシュフローを改善する方法1:空室率を下げる

家賃収入から必要コストを差し引いたものがキャッシュフローなので、差し引く前の家賃収入を増やす(または減らさない)ことが有効です。

まず考えられることとしては、空室率を下げることです。そうすれば、収益が上昇し、キャッシュフローもよくなるでしょう。

ただし、空室率を改善するために物件の修繕等費用が必要な場合は、空室率改善による収益向上とのバランスについて慎重に検討したほうが良いでしょう。

キャッシュフローを改善する方法2:稼働率を上げる

空室ができたとしても、すぐに次の入居者が入ってもらえるようにすることも、不動産投資におけるキャッシュフロー改善には有効です。

今いる入居者の満足度を上げ、さらには新たな入居者を惹きつけるため、物件の状態やその変化をできる限り把握する。そしてその中で改善点を見つけ、物件の魅力・価値向上に取り組むことが必要です。

物件に足を運び、不動産仲介会社や管理会社と綿密なコミュニケーションをはかり、改善点を確認・把握し、消耗の度合いによっては内装や外装のリフォームをしたり、環境の向上をするなどの経営努力をすることも必要です。

キャッシュフローを改善する方法3:ローンの繰り上げ返済をする

ローンを組んで不動産投資を行っている場合、ローンの返済の方法によっては、支出額を減らすことができます。それが繰り上げ返済です。

ローン返済期間を短くすることによって利息総額を減らすことができるので、キャッシュフローの改善につながります。

繰り上げ返済はキャッシュフローが増えるのに加え、銀行の融資可能額が上がる可能性もあります。融資枠が増えれば、次の投資を臨機応変に行うことができるようになるので、非常に大きな効果が期待できます。

ですので、新たな投資につなげるという意味で、不動産投資における繰り上げ返済は積極的な行動であると言えます。

キャッシュフローを改善する方法4:ローンの返済期間を長くする

毎月の返済額が少なくし、空室リスクがあっても支払い不能になるリスクを抑えられる長期融資という方法もあります。もし満室に近い状態で運用できれば、キャッシュフローが多く出るため他の資産運用に使ったり、いざという時のための蓄えにしたりできます。

また、長期保有した不動産を売却する時の減税措置が受けられるという優遇措置もあります。ただし、利息を含めたトータルの支払額は、長期の返済ですので大幅に増えてしまうことになります。

また、長期的に支払いを続けると支払いが終わるころには築年数が進んでしまい、不動産の価値が減少するだけでなく、リフォームなどの突発的な費用の用意も必要となってきます。

キャッシュフローのシミュレーション例

シミュレーションをする際は、インターネット上に無料のツールが多数存在しますので使いやすいものを探してみると良いでしょう。

登録不要で使えるものとしても、大手不動産サービスや利便性で支持されるサービス等、様々なシミュレーションサービスがあるので、利用してみましょう。

不動産投資におけるキャッシュフローの健全性を判断するには

不動産投資の健全性を確認するための指標としては、家賃収入からローン返済額以外の経費・税金を引いた金額(営業純利益:NOI=Net Operating Income)をローン返済額で割った値である、債務返済倍率(DCR=Debt Coverage Ratio)というものがあります。

金融機関はDSCRが1.2以上なければ融資の検討ができないと言われています。ですので、債務返済倍率は、それ以上は必要と言えるでしょう。

健全性を判断する:返済倍率を確認する

金融機関ではDSCRが1.2以上なければ融資の検討ができないと言われていますので、健全な債務返済倍率は、1.3以上あることが望ましいと言えます。

債務返済倍率の計算式は、債務返済倍率(DCR)= 年間の営業純利益 ÷ 年間のローン返済額で求められます。

健全性を判断する:返済倍率の目安は1.3以上

上記でも触れていますが、不動産投資におけるキャッシュフローの健全性を判断するうえで重要な指標は返済倍率が1.3以上であるということです。

返済倍率の指標をしっかり確認し、返済倍率1.3以上の健全な不動産投資を行うことが重要です。

不動産会社のおすすめの選び方

不動産投資用の物件を購入する場合、ほとんどの人が不動産会社を通して物件を探すことになります。

そのため、不動産投資を成功させられるか否かは、不動産会社選びも重要と言えるでしょう。

インターネット

身近で手軽な方法として、インターネットで「収益物件」、「不動産投資」のような検索キーワードで検索することです。

インターネットの場合、口コミも同時にチェックできるので、口コミもチェックしてみるとリアルな声を取り入れることができて良いでしょう。

投資用不動産専門会社

不動産投資を検討している顧客を対象とした、収益不動産を専門的に扱う不動産会社が増えてきています。

投資用不動産専門業者は、新しい会社が多く、ホームページが凝っています。また、全国紙で投資用不動産を扱う不動産会社の広告を掲載しています。

地域の不動産

自分が購入したいエリアや自宅最寄駅の不動産会社にも出かけてみましょう。この辺りで不動産投資用の物件を探しているという趣旨の話をすれば対応してくれるでしょう。

地元の不動屋さんでしか持ち得ない、マーケットには出回らないような物件情報を紹介してもらえることもあるでしょう。インターネットでオープンになっていない物件をもっていることもあり、お宝物件に出会うケースもあります。

キャッシュフローを理解し不動産投資を成功させよう

不動産投資で必要なキャッシュフローについてご紹介しましたが、いかがでしたか。投資で成功するためには、「現金の流れ」キャッシュフローをよく理解しておく必要があります。

キャッシュフローの仕組みや計算方法をよく理解して、さらなる改善に努めましょう。

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