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アパート経営の管理費|管理費に含まれるもの7つと決め方のポイント4つ

2020 10.21この記事はPRを含みます

アパートの管理費とは

アパートの管理費とは、その運営に必要な事務処理の費用、設備やその他共用部を維持管理するために必要な費用です。

アパート経営する上でこのような費用は必ず発生するものですが、必ずしも家賃と別記するとは限らず、明記せず家賃に含まれていることもあります。

共益費との違い

アパートの共益費は、例えばエレベーターの点検費用やエントランスの電気代や清掃人件費のように、借家人が共同して利用する設備や施設の維持に必要な費用です。

物件によっては、家賃とは別に管理費が記載されているものや、管理費の代わりに共益費が示されているものもあります。またどちらも別記せず、家賃に含まれているという物件もあります。

実際の管理費と共益費には明確な区別はなく、貸借人の捉え方の違いで起きています。

アパート経営の管理費に含まれるもの7つ

アパートを経営していく上では、さまざまな事務処理や設備の維持管理が必要になり、それぞれに費用が発生します。管理費に含まれるべき、7つの費用について以下に紹介しますので、参考にしてください。

1:入居者募集の費用

入居募集して空室を埋めなければ、アパート経営は成り立ちません。入居者募集に関わる費用として、不動産会社へ支払う仲介料や広告費があります。

不動産会社は、借主、貸主のどちらか一方へ家賃の1ヶ月分、または両方へ家賃の0.5ヶ月分ずつを上限として求めることができます。また不動産会社によっては、これと別に上限の定めのない広告費が必要なところもあり、入居募集の費用は家賃1ヶ月分を超える場合もあります。

2:委託管理費

アパート経営上必要な管理を、管理会社に委託して行うための委託管理費も管理費に含むべきものです。

管理会社が請け負う主な業務は、家賃の集金代行と管理、クレーム対応などの一般管理業務、新規入居募集と手続き業務、更新の有無確認とそれに伴う手続き、設備の点検やメンテナンス、清掃など建物管理業務、清算も含む退去立会業務などです。

どれだけ委託しているかで委託管理費が違い、別途費用にも注意が必要です。

3:修繕費

空室で使っていない部屋でも汚れがたまり、注意していても時間が経つとさまざまな部分が劣化します。メンテナンスのハウスクリーニング費や改修費用もアパートの管理費に含まれるものです。

これらの費用の相場は間取りなどにより異なりますが、業者によっても大きく違います。ハウスクリーニングの費用の場合、比較すると倍以上の違いがあるので、業者選定はしっかりとするのがおすすめです。

4:固定資産税

経営するアパートの土地や建物の所有に対して課せられる固定資産税や都市計画税も管理費に含むことができます。

固定資産税とは土地や家屋及び償却資産が課税対象となり、該当年度の1月1日時点で保有していた場合課税義務が生じます。課税主体は全市町村(東京都23区は東京都)で、毎年支払う必要があります。

これらも管理費として計算し、納税に備えることができます。

固定資産税等についてー地方財政審議会ー

5:修繕積立金

劣化するアパートを良好な状態で維持するために、日頃の修繕とは別に10~15年に1回必要となる大規模修繕工事の費用で管理費に含むべきものです。

大規模修繕工事では外壁塗装と屋根塗装、加えて屋上やベランダなど外回りの防水工事を行うのが一般的です。また、給湯器の交換、給水ポンプの取替、エアコンの交換など設備の一斉交換を行うこともあります。

6:水道代・光熱費

アパートでは各戸住居部以外の共用部分でかかる水道代や光熱費も管理費に含まれます。

階段や廊下の電灯、エントランスの明かりやイルミネーションなどの電気代、ごみ回収後の水洗いや植木への散水に使用する水道代などがこれにあたります。

7:雑費

6項目以外にアパートを経営する上で必要となる、細々とした雑費を管理費に含む場合があります。

具体的に紹介すると、アパートオーナーの携帯電話やインターネットの通信費、セミナーや勉強会へ参加の移動費、関係者と食事をする交際費、不動産関連の本や雑誌を購入する新聞書籍代、弁護料や税理士の費用などがそれに当たります。

アパート経営の管理形態別の管理費の違い

アパートの経営形態には、賃借人自らが必要な管理業務を行う自主管理と、管理会社に必要な管理業務を委託する管理委託の2つの形態があります。

この違いによって管理費に金額的な差があります。それぞれについての特徴を紹介しますので、検討材料にしてみましょう。

1:自主管理の場合

アパート経営で必要な管理業務を管理会社に委託することなく、すべてオーナー自らが行う管理形態を自主管理と言います。この形態では管理会社への委託費用支払いがないので管理費を低く設定できます。

しかし、管理ノウハウがない状態ですべての業務を行い対処するのは、非常に手間も時間もかかります。その結果、賃借人が対応に不満を持つ可能性が高くなります。

2:管理委託の場合

アパート経営に必要な業務を管理会社に委託する管理形態が管理委託です。この形態では委託費用を管理会社へ支払うので、どうしても管理費の設定は高めになります。

管理会社はすべての業務を請け負ってくれますが、それほどノウハウを必要としないもの、別途費用となるものなどさまざまなものを含んでいます。委託するものにより委託費用は上下するので、労力とコストのバランスをみて委託する業務を絞るのが良いでしょう。

アパート経営の管理費を決めるポイント4つ

適切な管理費の設定は安定したアパート経営に欠かせません。入居者獲得、経営安定という観点から管理費を決める4つのポイントを紹介しますので、シミュレーションする時の参考としてください。

ポイント1:管理費は家賃と別に徴収する

管理費を家賃と別にした方が、賃借人にとって割安感がでて入居しやすくなります。その理由は、管理費込みの家賃の場合とくらべて月々の支払いは同じでも年間にすると、敷金、礼金、仲介料、更新料は管理費を含まない費用であるため、4ヶ月の管理費分安いからです。

オーナーの収入も礼金や更新料の分、目減りしますが、入居してもらってこそ安定経営しやすくなるものです。

ポイント2:委託管理費の相場を把握する

管理費を決める上で、委託管理費の相場を知ることは非常に重要です。一般的には、家賃の5~8%程度が相場と言われますが、委託業務が少ないと安く、多いと高い傾向があります。

アパート経営の成功には精度の高いシミュレーションが必要なので、どれだけの業務範囲でいくらなのかしっかりと把握しておく方が良いでしょう。

【ホームズ】賃貸の管理費の相場は大体どれくらい? | 住まいのお役立ち情報

ポイント3:オーナーが負担した管理費を按分する

わかりやすく管理費を決めるには、オーナーがアパート経営を維持するために支払った金額を戸数で按分して求めます。

この維持費は一般的に家賃の15%から30%と言われます。実数計算するにしても仮定計算にしても相場より高くなり、実際にはその金額すべてを管理費で当て込めないでしょう。ですので、維持費の節約を心がけ、更新料や礼金などで一部負担する必要があるでしょう。

ポイント4:管理費を上げて家賃を下げる

アパートの管理費を設定するもう一つのポイントは、空室対策としてどれだけ家賃を下げて、その分管理費を上げられるかということです。ほとんどの場合、賃貸物件の検索、抽出は上限家賃を入力して行います。従って、家賃を下げるとそれだけ多くの人の目にとまるということです。

入居を検討する人にとっては、家賃が下がることで敷金や礼金の金額が下がるメリットがあり魅力的になります。しかし一方でオーナーの収入は下がります。

アパートを管理委託する場合は管理会社の選び方に注意しよう

委託管理でアパート経営する場合、管理会社の選定は慎重に行う必要があります。

管理会社はそれぞれ請け負うサービスも料金も異なります。委託管理費の相場はわかっていても、選定する時にはどのようなサービスで料金がいくらか調査し、そのサービスで過不足の問題がないか、金額面でも妥当か比較検討する必要があります。

アパートの管理費を理解しよう

今回はアパートを経営するときに設定する管理費について、どういう働きをするか、どういう経費が含まれるべきか、金額設定方法など、さまざまな角度から紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

アパート経営の検討に、非常に重要な管理費を理解する参考としてください。

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