土地を更地にする際にかかる費用|影響する要因4つと費用を抑えるポイント
2020 10.21この記事はPRを含みます
更地とは?
古い家が付いている土地を売却する場合、更地にするかどうかが問題になります。
更地というと建物や建築物が建っていない、手が加えられていない土地というイメージを持たれます。この説明では不動産用語としては不十分です。
不動産の広告などに記載されている更地とは、建物や建築物などがなく、借地権など使用収益を制約する権利の付いていない土地のことで、自由に住宅を建てられる土地のことです。
更地にするメリット
建物を解体するなどして更地にすると買い手が付きやすくなるというメリットがあります。
古家付きとして土地を売ることもできますが、購入してから解体する手間を嫌われ、買い手が付きにくいです。古家付きの土地として買い手が見つからない状態が何年も続いてしまうこともあります。
できるだけ早く買い手を見つけたいのであれば更地にすることをおすすめします。
更地にするデメリット
更地にすることで考えられるデメリットは、解体費用と固定資産税です。
更地にするために建物を解体しなくてはいけない場合、解体費用がかかります。解体費用を土地の価格に上乗せできないこともあり、解体費用が負担になります。
また住宅が建つ土地は固定資産税が1/6になる優遇措置がありますが、更地になることで固定資産税が跳ね上がってしまいます。
更地にすることで金銭的負担が増してしまいます。
土地を更地にする際にかかる費用の相場
ここからは、建物を壊して更地にする場合にどれぐらいの費用がかかるのか相場を紹介していきます。
今回は木造家屋・鉄骨造(S造)・鉄筋コンクリート造(RC造)の3つの建物の種類ごとに解体費用の相場を見ていきます。
更地にする費用は、建物の種類以外にも広さや解体業者などさまざまなことが関係してきます。紹介する相場は目安として参考にしてください。
木造家屋
日本の一戸建ての中で木造家屋は一番多いと言われています。古くから木造家屋中心で建築がなされてきたので耐用年数を超える家屋も多く、解体を考える人も多くいます。
木造家屋の解体費用の相場は、不動産・住宅情報サイトライフルホームズの調べによりますと20坪で80万円~100万円、30坪で120万円~150万円、40坪で160万円~200万円となっています。
1坪当たり4万円~5万円ほどが相場です。
鉄骨造(S造)
鉄骨造(S造)の解体費用の相場は、木造家屋を解体するよりも高く、鋼材の厚さが6mm以上の重量鉄骨造と6mm未満の軽量鉄骨造で解体費用は異なります。
重量鉄骨造の費用相場は、20坪で130万円~140万円、30坪で195万円~210万円、40坪で260万円~280万円です。
軽量鉄骨造の費用相場は、20坪で120万円~130万円、30坪で180万円~195万円、40坪で240万円~260万円です。(不動産・住宅情報サイトライフルホームズの調べ)
鉄筋コンクリート造(RC造)
地震が多い日本で地震に強いということでビルやマンションなどの大型建築物に多く使われるようになった鉄筋コンクリート造(RC造)は、木造家屋や鉄骨造(S造)よりも解体費用が高くなる傾向にあります。
鉄筋コンクリート造(RC造)の解体費用の相場は、20坪で120万円~160万円、30坪で180万円~240万円、40坪で240万円~320万円となっています。(不動産・住宅情報サイトライフルホームズの調べ)
【土地を更地にする場合】費用に影響する要因4つ
更地にする解体費用は、1坪当たり木造家屋なら4万円~5万円、鉄骨造(S造)なら6万円~7万円、鉄筋コンクリート造(RC造)なら6万円~8万円であることがわかりましたが、解体する費用は何をもとに決められているのでしょう。
土地を更地にする場合、費用に影響する要因としては、構造・立地・付随工事費用・解体業者の4つがあると言われています。
ここからは4つの要因について説明していきます。
要因1:構造
更地にする費用に影響する要因として、構造があります。先ほども紹介した木造家屋や鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)という建物の種類だけでなく、1階建てか2階建てかといった階数や地下室など特殊な構造かといったことが影響します。
地下室があるなど普通の住宅と違う部分があると、解体に通常使わない特殊な重機を持ち込まなければいけないので費用が上がります。
要因2:立地
重機が入ることが可能な道路沿いにある土地や、足場を建てるのに十分な敷地面積があれば問題ありませんが、隣接している道路が狭く、重機が入れない土地や隣の家と近すぎるなど立地に問題がある場合には解体費用が上がります。
重機で解体できればそれほど人手や時間をかけなくて済みますが、重機が使えないとすべて人力になりそれだけ人件費が高騰してしまうので費用が上がってしまいます。
立地は更地にする場合の費用に影響してきます。
要因3:付随工事費用
付随工事があるかないかということも費用に影響してきます。
ただ建物を解体するだけで更地にすることができれば問題ありませんが、庭に樹木があったり浄化槽があったりするとそれを撤去するための作業が必要になり費用が通常よりも上がってしまいます。
ここ数年、人体に影響を及ぼすとして話題となったアスベストは、特別な処理をする必要があります。アスベストが使われている古い家は処理費用が上乗せされます。
要因4:解体業者
解体業者をどこにするかも更地にする費用に影響する要因です。
解体を専門に行っている業者だと自社で重機を一式所有しているケースが多く、更地にするノウハウもあるので費用が安くなる傾向にあります。
逆に専門業者でないところだと下請け企業に依頼するケースも多く、利益を確保するために費用が上乗せされ費用が高くなる傾向にあります。
いくつか業者をピックアップして見積もりを依頼して比較するとよいでしょう。
土地を更地にする際に費用を抑えるポイント4つ
ここからは、土地を更地にする際に費用を抑えるポイントを4つ紹介していきます。
土地の売値に解体費用を上乗せすることができなければ手元に残るお金が少なくなりますので、できるだけ安く抑えたい費用です。
土地を更地にする際の費用を抑えるためには、解体時期を選ぶ、自分で処分出来るものがないか確認する、解体業者へ直接依頼をする、助成金を利用できるか自治体に確認するという4つのポイントがあります。
ポイント1:解体時期を選ぶ
解体業界にも繁忙期と閑散期があります。仕事量が多くなる繁忙期は、人材が不足するなどして価格が高騰してしまいます。仕事が少なくなる閑散期は価格をできるだけ安くして、仕事を獲得しようとします。
解体業者の一番の閑散期は6月と言われており、決算が集中する2,3月は最も忙しい繁忙期です。事情があり更地に早くしたいという場合を除いて、閑散期を狙うようにしましょう。
ポイント2:処分出来るものがないか確認する
古い家になると片付けが面倒だからと家具などをそのままにして解体を依頼する人がいますが、解体費用の中には産業廃棄物処理費用が含まれます。これは家庭ごみよりも高額で、処分するものが増えれば処理費用の部分も上がります。
家庭ごみとして事前に処分できるものは処分しておいた方が費用は抑えられます。また家具などは売ることができるものもあるかもしれないので、売れるものはリサイクルショップなどに持込むとよいでしょう。
ポイント3:解体業者へ直接依頼をする
先述の「土地を更地にする場合・費用に影響する要因4つ」の項目でも少し記載しましたが、解体を専門に行う業者に直接依頼することで更地にする費用を抑えることができます。
土地の売却をお願いする不動産会社や工務店などに依頼すると工務店から解体業者に依頼する形になり余計な費用がかかってしまうので、自分で解体業者を選び直接依頼するようにする方が安く抑えられます。
ポイント4:助成金を利用できるか自治体に確認する
自治体ごとに違いはありますが空き家を減らす目的などから、古い家を解体する費用の一部を助成してくれる助成金制度を設けているところもあります。
助成金を利用できるかを自治体に確認するようにしましょう。全額助成とはいきませんが、一部でも助成を受けられることで負担を軽くすることができます。
解体を依頼する人から申請をしないと助成を受けられないケースがほとんどですから、申請を忘れずに行いましょう。
更地の活用例4つ
ここからは、古い家を解体して更地にした土地を活用する4つの例を紹介します。
更地にした土地は売却した方がいいケースもありますし、ほかの用途に活用することで利益を得られるケースもあります。今回は駐車場経営、トランクルーム経営、太陽光発電、アパート経営の4つの活用例を見ていきます。
活用例1:駐車場経営
需要がある地域であることが前提になりますが、建物を建てるよりもリスクが少なく、すぐにはじめやすい更地の活用例に駐車場経営があります。
主に、コインパーキングと月極駐車場の2種類があり、需要がある都市部ではコインパーキングが人気です。駐車場運営会社に管理を任せれば面倒な作業は一切なく収入を得られるのでオススメです。
活用例2:トランクルーム経営
需要を見込める都市部であればトランクルームを経営して更地を活用するという方法もあります。
都市部では収納が十分に確保されていない住宅も多く、トランクルームを活用して収納を確保するためにという人も増えています。
温度・湿度管理、セキュリティなどを考えてコンテナを設置するだけでいいので、比較的少額の投資ではじめられます。
活用例3:太陽光発電
太陽光発電システムを設置するという活用法もあります。ただし太陽光発電システムの設置は、立地を選ぶのでどこでもできる方法ではありません。
雪国では冬場は太陽が雪で遮られるだけでなく、積雪で設備が破損してしまう恐れもあるので不向きです。雪国ではない地域でも四方を建物で囲まれていたり、障害物があると十分に発電することができません。
また太陽光発電は初期投資費用が高額で、気軽にできるものではありません。
活用例4:アパート経営
住宅地で需要が見込める地域であれば、アパート経営するという方法も有益な活用方法です。
アパート経営を軌道に乗せることができれば、長期的に安定した収入を得ることができます。更地や駐車場に比べ固定資産税の優遇措置を受けられるというメリットがありますが、建築費用など初期費用が高額で、維持や管理にも費用がかかるというデメリットがあります。
土地を更地にする前に費用を抑えるポイントを知ろう
土地を更地にするためには高額な費用がかかりますが、その費用は自己負担しなければならないケースも多くあります。自己負担になることを見越してできるだけ費用を抑えるようにしたいです。
土地を更地にする前に必要な費用を想定して、計画的な土地活用をしていきましょう。