投資と投機の違いは何?|メリット3つと投資コストを抑える方法を紹介
2020 10.21この記事はPRを含みます
投資と投機の違いとは?
資産運用を始めてみようと思っても、最初のうちは専門用語の多さに戸惑ってしまうことが多いかもしれません。
言葉の正しい意味の違いをわからないまま始めてしまうと「こんなはずでは」と取り返しのつかないことにもなりかねませんので、用語の意味をきちんと押さえておくことは大切です。
ここでは、投機と投資の違いについて説明します。似ていますが全く意味が異なりますので、この機会に違いについて押さえてみてください。
投資と投機は『目的』が違う
投資とは、将来が有望な投資先に資金を投じることです。将来の金銭的な不安の解消や、豊かな生活を送るために資産をふやす目的で、現在の自分の生活に支障の出ない範囲で行うものです。
投資とは違い、投機とは、相場の変動を利用して利益を得ようとする取引のことです。ハイリスク・ハイリターンの傾向が強く、値動きの激しい対象に、安く買って高く売ることで儲けを得るギャンブル的要素が強くなります。
投資と投機は『期間』が違う
投資は将来のためという目的のとおり、長期的に行います。まとまったお金を預ける場合も、月々コツコツと積み立てていく場合も、同じ投資対象を長期で保有することになります。相場の急変には左右されず、目標とする未来のために長い目を持つことが必要です。
投資と違い、投機は、短期売買とも言い換えられるように、短い期間で売買を行います。短期での成果を狙っているため、相場の急変で大きな損失が発生する可能性があります。
デイトレードのリスク
デイトレードとは、同一銘柄を当日中に売却、買戻することで、翌日に持ち越さない投資手法です。手持ちの資金を何回も回転売買し、値上がり時に売ることで利益を得ていくことになります。
値動きが大きく、一つの銘柄の動きで損益が決まるため、リスクを分散することが難しくなります。また、自分の感情に振り回されてしまうと大損をする危険性もあり、取引時間中は集中力が求められ、片手間に行うのは大きなリスクになります。
ギャンブルとは違う?
デイトレードとギャンブルは違います。そもそもギャンブルでは、主催者が集めたお金から取り分を差し引いて、当選者に分配しています。それ自体にお金を増やす力はない点で、デイトレードや株取引とは大きく異なっています。
デイトレードや株取引は、投資先の企業の企業努力により収益を生み出し、それが成功したタイミングで投資家は利益を得ることができますが、失敗すると逆に損失を被る場合もあります。
ビットコインは?
ビットコインとは、「暗号資産(仮想通貨)」と呼ばれ、インターネット上で使える資産のうち、取引高や時価総額が大きくポピュラーなものの一つです。法定通貨ではありませんが、決済手段としても使われており、利便性が高まっていることなどから投資対象ともされています。
ただし、投資と違い価格変動が大変激しいため投機に近い側面があり、不安定な取引です。リスクを十分に理解した上で始める必要があります。
投資のメリット3つ
投資と投機の違いについて見てきましたが、それでは、投資をすると一体どんなメリットがあるのでしょうか。
ここからは、投資と投機のメリットとデメリットをそれぞれ説明していきます。その目的が異なる故に、良い面悪い面にも違いがあります。
それではまず、投資のメリットについて3つご紹介します。
投資のメリット1:リターンがリターンに
投資のメリット1つ目は、長期保有により複利の効果が得られることです。複利とは、元金を運用することで得られた利息を元金に組み入れることで、大きくなった元金にさらに利息がつく仕組みのことです。このように雪だるま式に元本が増えていくことを複利効果と言います。
実際の投資では、保有しているうちに得られる利子や分配金などが元本に組み込まれて再投資されるため、効率的にお金を増やしていくことができます。
投資のメリット2:長期保有によりリスクが減る
投資のメリット2つ目は、長期保有によりリスクを抑える効果が期待できることです。政治的要因や環境的要因により市場が一時的に大きく不安定になることがありますが、長期的に保有することでこの変動リスクが小さくなる傾向があります。
市場が大きく動くときにも動じずに長期保有することで、結果的に着実にお金を増やせる可能性が高くなります。
投資のメリット3:精神的に安定する
投資のメリット3つ目は、精神的に疲弊しにくいことです。
投資をすることで生活に支障が出てはならないので、投資に充てるべきお金は余裕資金であることが鉄則ですが、余裕資金を将来のために長期運用するという目標があると、日々の値上がりや値下がりに一喜一憂する必要もありません。
長い目で見た上で最終的に目標とする金額を達成すればよいので、精神的に安定して運用することができます。
投資のデメリット3つ
投資のメリットを3つご紹介しましたが、続いてデメリットを3つ見ていきましょう。メリットは見方を変えるとデメリットにもなり得ます。デメリットを踏まえて、自分に合った資産運用の方法を選ぶ際の参考にしてみてください。
投資のデメリット1:長期保有が前提
投資のデメリットの1つ目は、長期保有が前提となることです。急にお金が必要になったとしても、投資で大きく増やすことはできません。また、ライフプランが変わることで急な出費が発生することもあるでしょう。
目標とする年齢や金額に到達する前にやむを得ず現金化する場合、市場の変動によっては想定より少ない金額となる場合もあることを念頭に置いておく必要があります。
投資のデメリット2:予測を立てにくい
投資のデメリットの2つ目は、予測を立てにくいことです。投資を始めたときは順調に成長していた会社が経営不振に陥ったり、急に経済が落ち込んで市場の急変を経験したりすることは珍しくありません。このような状況は予測しにくいため、大きな影響を受けることもあります。
不測の事態が発生することを前提に、時間や投資対象を分散して投資するなど対策を立てることも大切です。
投資のデメリット3:費用がかかる
投資のデメリットの3つ目は、費用がかかることです。最近はローコストやノーロード商品も多くありますが、購入時、保有時、解約(換金)時にそれぞれ手数料などがかかることを覚えておきましょう。
銀行や証券会社によって違いが出るものもあります。詳しい費用は目論見書等に記載がありますので、購入前に確認することが大切です。手数料に見合ったリターンが得られるかどうかも投資対象を選ぶ際のポイントになります。
投機のメリット3つ
これまで、投資についてメリットとデメリットを見てきました。投資と投機は全く違うものですが、投機のメリットとは何でしょうか。投資との違いを確認しながら、ここでは投機のメリットについて3つご紹介します。
投機のメリット1:短期間で利益が得られる
投機は短期間で行うものであるため、元手があればすぐに利益が得られる可能性があります。デイトレードでは少なくとも当日中に利益(または損失)が確定します。
投資と違い、小さな値動きの変化を見逃さずに把握し、感情に左右されずに自分が決めたルールを守って売買することで、小さな利益を積み上げていくことができます。
投機のメリット2:常にチェックし損失の発生が抑えられる
デイトレードは日中常に株価チャートを見る必要があります。そこに要する集中力と時間はコストではあるものの、常にチェックしているため、大きな損失の発生は抑えられます。
ただし、「大きく値下がりしたけれどこれからきっと上がる」「目標の利益率は越えたけれどもう少しいけるかも」などと感情が入ってしまうと、せっかくのメリットもデメリットになりかねません。自分でルールを決め、遵守することが必要です。
投機のメリット3:短期間で大きな利益も
投機はハイリスクであるというイメージを持たれている方は多いでしょう。メンタル管理や分析力が必要になってくるため、初心者が失敗しやすい点も「大損する」というイメージに繋がっているようです。
逆を言えば、タイミングによっては短期間で大きな利益を得る可能性があるのも投機の特徴です。ハイリスクはハイリターンと隣り合わせになっています。
投機のデメリット5つ
投機は短期で利益が得られ、常にチェックすることで大きな損失を防ぐことができるメリットがあります。では、デメリットは何でしょうか。運用をする際は必ず、良い面と悪い面を知って行う必要があります。ここでは、投機のデメリットを5つ紹介します。
投機のデメリット1:株価チェックに時間が取られる
株価チェックは非常に大切なため、時間が取られることはデメリットと言えます。市場は朝の9時から15時まで開いており、その間11時半から12時半までが昼休憩になります。
市場が開いている時間は、集中して株価のチェックをする必要があるため、まずはその時間が確保できる必要があります。片手間に行うことは大損に繋がりかねないので注意が必要です。
投機のデメリット2:一喜一憂しやすい
自分の予想が当たったり、思いがけず大きな値上がりのタイミングを捉えたりすると、嬉しくなってしまうのは当然のことでしょう。しかし、その反面値下がりのタイミングでは気分が落ち込み、不安な気持ちになってしまいます。
値動きが大きいため、一日の間でも何回も浮き沈みがありますが、変動に一喜一憂しないメンタル管理が必要です。
投機のデメリット3:精神的にやすらげない
株価の変動を常にチェックしたり、値上がり値下がりを受けて一喜一憂したりすることを一日中続けていると、精神的にやすらぐことができず、疲れてしまいます。
デイトレードはまず、自分の中でのルール作りが重要であると言われています。損失が何%までであれば許容できるか、それを越えたときに損切りする心の強さも必要になります。ストレスをコントロールし、自分の決めたルールを守ることが大切です。
投機のデメリット4:コストが大きくなる
投機のポイントは短期間に何回も回転売買することで、少しずつ利益を積み重ねていくことです。少しずつ利益を出しながら、一日に何度も売買することによってリスクを抑えた取引ができる可能性が高くなるからです。
ただし、何度も売り買いを繰り返していると、そのたびに手数料等の必要経費がかかるため、コストがかさんでいきます。手数料が低く設定されている証券会社を選ぶなどの工夫が必要です。
投機のデメリット5:レバレッジをかけることでリスクが発生する
レバレッジとは、てこの原理と言われます。保証金(証拠金)を預けておくことで、保証金の何倍もの金額の取引ができるハイリスク・ハイリターンの取引のことです。レバレッジを利用して取引を行うと、最大損失見込み額は投資比率と比べてより大きくなります。
圧倒的な利益が期待できる反面、潜在的損失があるため、リスクをきちんと理解し、管理して利用しなければなりません。
投資のコストを抑える方法3つ
投資には必ずコストがかかります。そのコストをできるだけ抑える方法があるとすれば是非実践してみたいと思いませんか。もちろん、コストに見合ったメリットがある場合もありますので、さまざまな角度から自分に合った投資方法を選び、その上でコストも抑えていきましょう。
ここでは、投資のコストを抑える方法を3つご紹介します。
投資のコストを抑える方法1:費用の安い証券会社を選ぶ
投資のコストを抑える方法の1つ目は、費用の安い証券会社を選ぶことです。一般的には、店頭での対面取引に比べて、非対面のネット取引の方が手数料は安くなる傾向にあります。
しかし、ネット取引では手数料が安い分、自分で情報収集をしたり注文操作をしたりしなくてはなりません。専門家から情報提供を受け、相談しながら投資をしたい場合など、コスト以外の面でのメリットも考慮しながら証券会社を選択する必要があります。
投資のコストを抑える方法2:NISAを利用する
投資のコストを抑える方法の2つ目は、NISAを利用することです。NISAとは少額投資非課税制度のことで、購入した株式や投資信託などの売却益や配当金にかかる税金が非課税になるものです。通常は約20%の税金が引かれますから大変お得な制度です。
毎年120万円の非課税枠が最長5年間設定されるNISA、年間40万円までの積立による投資契約が20年間対象となるつみたてNISAなどがあります。
投資のコストを抑える方法3:インデックス投資を利用する
投資のコストを抑える方法の3つ目は、インデックス投資を利用することです。インデックス投資とは、運用成果の目安となるベンチマーク(日経平均株価やTOPIX、ダウなど)に連動する成果を目指す投資方法です。機械的な運用であるため、低コストであることが多いです。
反対に、ベンチマークを上回る成果を目指すアクティブ投資は、運用担当者が調査分析を行うため信託報酬というコストが割高になる傾向があります。
投資と投機の違いを知って自分に合った資産運用を行おう
投資と投機の違いについて紹介してきましたが、いかがでしたか。投資と投機は全く違うものですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
その違いを正確に理解した上で、自分に適した資産運用を行いましょう。いずれの場合も、自分にできる範囲で無理のない運用をすることが大切です。