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つなぎ売りとはどんな取引のこと?メリット5つとデメリット8つを解説

2024 03.11この記事はPRを含みます

つなぎ売りがよくわからないんだよね。

そうなんだ。キンプルちゃんにつなぎ売りについて教えるね。

ありがとう、先生!メリットとデメリットも知りたいな。

なるほどね。メリットとデメリットについても教えるね。

目次

つなぎ売りとは

つなぎ売りとは、保有株の株価が下落しそうだと思った時に現物を売るのではなく、信用取引による空売りすることで株価下落のリスクを軽減しようとする取引のことです。

 

クロス取引と呼ばれている取引と、つなぎ売りはよく似ています。ただ、クロス取引が買いと売りを同時に行うのに対して、つなぎ売りはまず信用取引での空売りからである、という部分に違いがあります。

つなぎ売りの仕組み

つなぎ売りの仕組みは簡単で、保有株の株価が下がりそうな時に現物の株を売るのではなく信用取引による空売りし、実際に値下がりしたらその後で買い戻すことで保有株値下がり分の損益を相殺します。

 

つなぎ売りとは株で利益をあげるのではなく、保有している株の株価が下がりそうだという時にとれるリスクヘッジなのです。保有している株の、株価による変動の影響を限定的にするために用いられることがあります。

信用取引とは

信用取引とは、実際に現物の株を取引するのではなく、証券会社に保証金を預けておいて購入するための資金や株式を借りる取引のことです。

 

信用取引では、実際に株を保有している必要はありません。株を保有していなくても売れる「空売り」も、信用取引で行う取引です。また、信用取引では実際に証券会社に預けた保証金よりも高い比率での取引が可能になっており、レバレッジ効果を得られるという特徴もあります。

つなぎ売り(クロス取引)のデメリット8つ

株主優待目当てのような理由で株を長期保有したい人にとって、株価の値動きによるリスクはなるべく減らしておきたいものです。その点、つなぎ売りは利益こそでませんが、株価の値動きによるリスクを減らせるというメリットがある取引です。

 

良いことばかりに見えますが、つなぎ売りすることにはデメリットもあるのでチェックしておきましょう。知らずにつなぎ売りをしていると、思わぬ損失が生まれてしまう可能性があります。

つなぎ売りのデメリット1:手間がかかる

つなぎ売りをするためには、常に自分が保有する株についての情報収集しておき、株価が値下がりするという兆候をつかんだら信用取引で売り建てをするため、手間がかかります。

 

保有している株の値下がりが発生した時に、それをカバーできるだけの取引をしておかなければなりません。信用取引にはレバレッジ効果があるとはいえ、ある程度の資金は必要になることもつなぎ売りのデメリットでしょう。

つなぎ売りのデメリット2:配当金の受払いが発生する

「配当金の権利付最終日」につなぎ売りをしていた場合、配当金の受払いが発生して、本来もらえるはずの配当金が減るというデメリットがあります。

 

本来、権利付最終日に現物の株を保有していれば配当金と株主優待を受けられます。しかし、つなぎ売りをしていた場合は配当金の分だけ出金されることになり、結果的に配当金による利益は発生しなくなります。ただし、この場合でも保有株の株主優待についてはもらえるでしょう。

つなぎ売りのデメリット3:情報を読み違える

つなぎ売りをすることで保有株の株価値下がりに備えられますが、得られた情報が常に正しいとは限らず、また情報の読み違えから必要のないつなぎ売りをしてしまうなどのデメリットもあるでしょう。

 

株価の値下がりを予想して売りをしても、本当に株価が下がるかどうかは分かりません。つなぎ売り後に値上がりしたとしても損失の相殺は可能ですが、つなぎ売りしなければ発生したはずの利益をなくすデメリットがあります。

つなぎ売りのデメリット4:逆日歩が発生する

信用取引の中でも制度信用取引を利用した場合、「逆日歩(ぎゃくひぶ)」という手数料を支払う必要がでることもデメリットです。

 

逆日歩の大きなデメリットは、いくらかかるのか事前に予測することが困難であることでしょう。実際に取引する前には、1日いくらの逆日歩が発生するのか分かりません。

 

保有している株の値下がりをつなぎ売りでカバーしたとしても、逆日歩という手数料の支払いが発生するのはデメリットでしょう。

つなぎ売りのデメリット5:信用取引口座を開設しなくてはならない

つなぎ売りをするためには「信用取引口座」を別途開設する必要があり、新たに審査を受けなければならないデメリットがあります。

 

株を保有していたとしても、現物取引とは別の信用取引口座が必要になってきます。そして、現物取引していたとしても、必ず信用取引口座開設のための審査に受かるとも限りません。新たに信用取引口座を開設する手間、審査に合格するか分からないデメリットがあります。

つなぎ売りのデメリット6:注文方法を間違えやすい

つなぎ売りのメリットを受けるためには現物と同じ株を信用取引で売る必要があります。うっかり、どの株を売るのか間違えたり、間違えて買いをしてしまったり、株数を間違えてしまうなどのミスが発生しやすいデメリットがあります。

 

保有している株が多くなければ、それほど複雑ではないかもしれません。しかし、複数株を保有していると、注文方法でミスして考えていた通りの注文ができず、失敗するデメリットがあるでしょう。

つなぎ売りのデメリット7:売買できる銘柄が決まっている

つなぎ売りが可能なのは証券取引所または、証券会社が指定する銘柄だけなので、保有している株のつなぎ売りがしたくても出来ない場合がある、というデメリットがあります。

 

特に先に保有したい株を購入してしまった場合に、発生しやすいデメリットです。信用取引で売買できる銘柄はあらかじめ決まっています。現物取引してからではなく、目をつけた株が信用取引で売買できるか確認してから保有した方がよいでしょう。

つなぎ売りのデメリット8:売る(使う)のを忘れやすい

つなぎ売りで株価の値下がりへのリスクヘッジしようと考えていても、売りを忘れてしまうと意味がない、というデメリットがあります。

 

きちんと覚えていて、株価が値下がりしそうになったらきちんと信用取引で売りを入れられる場合は問題ないでしょう。しかし、うっかりと売りを入れることを忘れてしまうと、つなぎ売りはできません。

つなぎ売り(クロス取引)のメリット5つ

つなぎ売りにはいくつかデメリットがあるとはいえ、それでも魅力的なメリットがあることは間違いありません。ここからは、つなぎ売りに実際にどのようなメリットがあるのか具体的に紹介します。

 

株主優待のある株を保有したいと考えている方、株で利益を得ることよりも値動きのリスクを最小限に抑えたい方は特につなぎ売りにメリットがあるでしょう。

つなぎ売りのメリット1:積極的に株主優待を狙える

株主優待のある優待銘柄を保有しておくこととつなぎ売りをしておくことで、保有株の株価が値下がりしたとしてもその損失を補えるため、積極的に優待銘柄を狙えるメリットがあります。

 

株主優待がある優待銘柄を取得したとしても、株価が値下がりして株主優待分以上の損失が出てしまえば、意味がありません。その点、つなぎ売りしていれば値下がりした分が利益となるため、株価の値下がりによるリスクが少なくなります。

つなぎ売りのメリット2:評価損益が固定できる

つなぎ売りは評価益を得ることには向いていませんが、株価の値下がりにも値上がりにも対応できることで株の評価損益が固定できるメリットがあります。

 

例えば保有株が値下がりした場合、保有株には評価損が発生してしまいます。しかし、つなぎ売りをしていればその分の評価益があるため、手数料等の費用はかかるものの、結果的に評価損益に大きな変動はありません。

つなぎ売りのメリット3:株の保有期間を短くできる

つなぎ売りで株主優待を狙っている場合、権利付最終日までに現物買いをしてさらに同数分のつなぎ売りをし、権利落ち日に現渡しで決済することで株の保有期間を短くできるメリットがあります。

 

証券会社の中には逆日歩のない、返済期限が短い短期信用があるため、つなぎ売りではそちらを利用可能です。つなぎ売りは基本的に、長期間は行いません。

つなぎ売りのメリット4:スキルとして活用できる

つなぎ売りをすることで株価値下がりのリスクを低くしながら、どんな時に株価が値上がりしたり値下がりしたりするのかを学んでスキルとし、活用できるメリットがあります。

 

つなぎ売りをしていると、値上がりしても値下がりしても相殺可能なため、比較的冷静な目で株価を観察できます。そうした観察眼をスキルとして活用することも可能でしょう。

つなぎ売りのメリット5:貸株料が安くなる

信用取引での空売りをすると「貸株料」というコストがかかりますが、つなぎ売りの場合は短期のため、結果的に貸株料が安くすむというメリットがあります。

 

そもそもつなぎ売りは、株価が値下がりした時の値下がりリスクに備えるために行う取引です。そのため、長期的な取引ではありません。空売りの期間も短めであることから、貸株料も安めになるでしょう。

つなぎ売りのやり方3ステップ

つなぎ売りのやり方は、まずはつなぎ売りができる株を見つけて信用取引を行える状態にし、現物取引して信用取引で空売りをして現渡で決済する、という形となります。

 

つなぎ売りは同じ銘柄を現物取引で保有し、信用取引で空売りできる必要があります。まずは、この条件を満たせる株を探すことから始めてみましょう。

つなぎ売りのやり方ステップ1:一般信用取引

つなぎ売りではできるだけ「一般信用取引」を使い、一般信用取引ができるよう信用取引口座を開設して、つなぎ売りする株を探しましょう。

 

制度信用取引は、金利は低いものの逆日歩がつく可能性があり、それはつなぎ売りではデメリットとなります。一般信用取引は制度信用取引よりも金利は高めですが、逆日歩がつかず、利用できる銘柄も多いことがメリットです。

つなぎ売りのやり方ステップ2:現物取引

つなぎ売りをする銘柄が見つかったら、現物取引の買い注文を入れて株の保有をして、購入した株と同数・できるだけ同じ株価で信用取引の新規売建注文をしましょう。

 

現物取引で100株購入したなら、信用取引で売り100株の注文を入れます。この時、できれば買いと売りで同じ株価で注文できれば、なお良いでしょう。

つなぎ売りのやり方ステップ3:現渡し

つなぎ売りの決済は、現物取引と信用取引の「現渡し(品渡しとも)」で行います。

 

株主優待を狙って株主優待銘柄を取得した場合は、権利付最終日までに現物取引してつなぎ売りをし、権利付最終日の翌日以降に現物取引と一般信用取引の現渡しで決済すればよいでしょう。

つなぎ売りのデメリットやメリットを理解して運用しよう

つなぎ売りは株価の値下がりを少なくするリスクヘッジとして、株主優待目当ての取引でも人気があります。しかし、よく調べないでつなぎ売りをしてしまうと、優待どころかそれ以上に損してしまう場合があります。けして、リスクが全くないという取引ではありません。

 

つなぎ売りをする際にはメリットだけでなくデメリットもしっかり調べて、理解した上で運用していきましょう。

 

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