相続放棄をするメリット3つ・デメリット5つ|相続する人がいない場合はどうする?
2023 11.20この記事はPRを含みます
相続放棄とは?
相続放棄とは、被相続人が残した全ての財産について、相続する権利を放棄することです。被相続人が生前に借金を抱えていたなどの理由があり、相続人が負債を抱えるリスクがある場合の救済策として活用されています。
相続放棄を選択する場合は、相続を知った時から3カ月以内に家庭裁判所へ申告しなければなりません。手続きすることで、相続の権利は最初からなかったものとみなされ、次の法定相続順位の方に権利が移されます。
土地は相続放棄できる?
必要な手続きを行えば、空き家となる実家の建物や所有している土地は、まとめて相続放棄することが可能です。相続放棄することで、固定資産税を払い続ける義務は免除されます。
ただし気をつけておきたいのは、次の管理者が決まるまでの間は、たとえ相続放棄しても不動産を管理する義務は消えないということです。管理者は次の順位の相続人が該当し、いない場合は家庭裁判所へ相続財産管理人を選任する手続きを行います。
相続放棄をする期間
相続放棄をできる期間は、相続が判明してから3カ月以内と定められています。この期間内に家庭裁判所で手続きをしなければ、自動的に単純承認したものとみなされ、負債も含めてすべて相続することになるので注意してください。
ちなみに相続放棄の手続きは、相続人単独での手続きが可能です。しかし自分の親が被相続人だった場合、被相続人の父母、兄弟姉妹の順に相続の権利が移るので、相続放棄の旨は親族に報告しましょう。
土地だけを相続放棄することはできない
相続放棄は現金のような資産も含めて、全ての受け取る権利を放棄することになります。そのため土地だけを選んで放棄することはできません。また相続放棄した時点で、権利は自動的に次の順位の相続人に移ってしまいます。
3カ月以内という期限があるため、あまり悠長に悩んでいる暇はありません。土地の問題については、被相続人がまだ元気なうちに、相続人全員であらかじめ話し合っておくのが理想的です。
相続放棄をするメリット3つ
相続放棄は、主に3つのメリットがあります。決断する前に、まずは単純相続した場合に負担することとなる金額をある程度計算してみましょう。一度相続放棄してしまうと撤回は原則できないため、わかっているものを整理して慎重に判断する必要があります。
また、遺産の調査が相続放棄できる期限内に間に合わない場合は、家庭裁判所に申告することで3カ月間延長することが可能です。延長する場合は、必ず期限が過ぎる前に申告しましょう。
相続放棄をするメリット1:被相続人の借金を返済する必要がない
相続放棄でまず挙げられるメリットとして、被相続人の借金を返済しなくてよくなるということがあります。借金を引き継ぐということは、想像以上に負担となるケースが多いです。
例えば借金の返済が滞っていた場合、借金の返済額に遅延損害金が加算されています。そして、債権者から早急な返済を求められることになってしまうのです。相続放棄はこうしたリスクを回避する、有効な手段となります。
相続放棄をするメリット2:管理の手間や金銭負担を減らせる
土地を相続した場合、主に固定資産税の支払いと、土地の管理義務を負担することとなります。空き家が建っている場合は家の管理をしなければならず、家屋を解体した場合でも金銭負担は大きくなる可能性が高いです。
相続放棄をすると、まず固定資産税を支払う義務がなくなります。そして次の相続人が決まるか、次の管理者が選定され次第、管理の手間からも解放されるのです。
相続放棄をするメリット3:相続の揉め事に関与しない
相続人が複数いる場合は、まず相続人同士で遺産分割協議を行いますが、このとき意見が合わず揉め事に発展してしまうケースが少なくありません。相続放棄をすることで、遺産分割協議に参加する必要がなくなり、厄介な相続トラブルを回避できます。
相続の権利がまず発生するのは被相続人の配偶者と子どもです。時には何年もの間相続トラブルが収まらないこともあります。時間の浪費や精神的なストレスから逃れる手段になるでしょう。
相続放棄をするデメリット5つ
相続放棄には確かなメリットがある一方で、知っておきたい5つのデメリットもあります。例えば財産の全てが相続できなくなってしまう点や、必要な措置を行わなかったことで相続人同士のトラブルになりかねないことなどです。
いずれものデメリットも理解していれば、いざ相続放棄したときに困ることはありません。理解したうえで、トラブルを回避するべく必要な対処を行いましょう。
相続放棄をするデメリット1:財産をすべて相続できない
相続放棄をすると、残された負債が免除される一方で、プラスとなる財産も全て相続することができなくなります。預貯金や貴金属はもちろんのこと、家財や電化製品まで持ち出すことは許されません。
また被相続人が自分の親だった場合でも、他の相続人の行動に関して口を挟む権利はなくなります。相続放棄をした時点で、相続権は最初からなかったとみなされることを理解しておきましょう。
相続放棄をするデメリット2:相続人によるトラブル
相続放棄は相続人が単独で行える手続きの為、相続権は自動的に他の相続人へと移ります。相続人全員が相続放棄しなければ、場合によっては誰か一人が責任を全て負わなければならなくなってしまうのです。
なので相続放棄をするときは、他の相続人に対してあらかじめ連絡しておかなければ、相続人同士のトラブルに発展しかねません。相続放棄の期限も考慮して、早めに対応しておきましょう。
相続放棄をするデメリット3:プラス財産があると分かっても取り消せない
一度相続放棄をしてしまうと、後からプラスの財産があるとわかっても、撤回することはできません。民法によって定められていることから、どんな理由があったとしても認められないので注意しましょう。
このデメリットを回避するためには、相続放棄の期限となる3カ月間を有効に活用して、相続財産をしっかり調査することが重要です。調査に時間がかかる場合は、家庭裁判所に相続放棄の期限を延長するよう申し立てましょう。
相続放棄をするデメリット4:遺産の一部を処分すると放棄できない
相続放棄をする場合は、遺産の一部でも使用したり処分したりすると、法定単純承認となり、相続放棄が認められなくなってしまいます。法定単純承認とは、遺産に手を付けることで単純承認が法的に成立する制度です。
葬儀費用のような理由があったとしても、被相続人の預貯金を引き出せば相続放棄はできなくなります。また土地・建物の名義変更や、携帯電話の解約といった行為も行わないようにしましょう。
相続放棄をするデメリット5:住んでいる家を手放さなければならない場合もある
被相続人名義の家で同居していた場合、相続放棄をすると原則住んでいる家は手放さなければなりません。被相続人の名義である以上、土地も家屋も全ては相続財産となり、その後どうするかは他の相続人が決めることとなります。
いかなる理由があっても、相続人の決定には従わなければなりません。相続開始してから引っ越しをするのでは時間的に厳しくなるのが推測できるため、被相続人が元気で意思表示できるうちに考えておきましょう。
土地を相続放棄する手続き
土地を相続放棄すると決断したら、相続を知ってから3カ月以内に家庭裁判所での手続きが必要です。相続放棄が認められた時点で、土地の固定資産税を支払う義務が免除され、後は次の管理者が決まれば土地の問題は解決するでしょう。
手続きが不安な方は、弁護士や司法書士に依頼することもひとつの方法です。専門家に依頼することで、手続きを代行してくれるばかりでなく、デメリットを回避する適切なアドバイスが得られます。
家庭裁判所への申述が必要
相続放棄をするには、家庭裁判所へ申述書を提出する手続きが必要です。相続放棄の申述書は家庭裁判所で受け取れるほか、裁判所のWEBサイトからダウンロードできます。
申述書と一緒に必要な書類は、被相続人の戸籍附票あるいは住民票除票、そして手続きする方の戸籍謄本です。また収入印紙800円分と、郵便切手も用意しなければなりません。切手の金額や追加の必要書類は場合によって異なるので、家庭裁判所に確認しましょう。
手続きは弁護士や司法書士に依頼できる
相続放棄の手続きは、弁護士や司法書士に依頼することが可能です。家庭裁判所への申述書提出を代行してくれるため、必要書類を確認する手間が省けます。また家庭裁判所の開庁時間は平日昼間しかないので、日中働いている方には特におすすめです。
さらに万一相続人とのトラブルが起きた場合でも、弁護士であれば間に入って対処してもらえます。スムーズな相続放棄をするための有効な手段です。
相続する人がいない土地はどうする?
相続放棄が無事完了したとしても、相続人全員が相続放棄した場合、または他に相続人がいなかった場合、固定資産税の支払いは免除されても、土地を管理する義務は残ってしまいます。次の管理者を決めるには、再度家庭裁判所での手続きが必要です。
土地を相続する最初のステップとして、参考にしてみてください。
可能であれば売却する
土地や家屋などの不動産は、場合によって「負動産」ともいわれるほど、相続のときに厄介となるケースがあります。被相続人が元気なうちに話し合って、可能であれば不動産は売却して現金化しておくことが理想的です。
不動産会社によっては、売却後も引き続き住むことが可能なサービスもあります。土地のある場所や地域によって条件は異なるので、まずは各会社の公式サイトで情報収集してみましょう。
売れそうにない土地は寄付を検討する
土地が売れそうにない場合は、自治体・個人・法人への寄付を検討してみましょう。まず考えられるのは自治体ですが、土地の使用目的があれば無償で買い取ってもらえるものの、収入源となる固定資産税の税収を減らすリスクとなるため、可能性は低いです。
一番可能性が高いのは個人となる隣地所有者で、土地を広げられるメリットがあることから交渉しやすいでしょう。個人に寄付する際は基本的に税金がかかるので、注意してください。
相続放棄に対する理解を深めよう
相続放棄をするとメリットがある一方デメリットもあるので、焦って決断するのではなく、3カ月間の期限を有効に活用して、自分に合っているかどうか検討することが大切です。
土地の売却や寄付も選択肢に入れながら、被相続人も納得する相続ができるよう、生前のうちから話し合ってみてください。
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