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抵当権抹消における主な費用8選|注意点や費用の計算方法、司法書士に依頼した方が良い理由を紹介

2023 11.9この記事はPRを含みます

目次

抵当権抹消について

抵当権は土地や建物などの不動産を担保にお金を借りたときに、金融機関がその不動産に設定する権利です。返済が滞り債務不履行となった際には、金融機関は抵当権を行使し、不動産を競売にかけて現金化し返済に充てます。

 

ローンを完済すると、金融機関から抵当権抹消登記の書類として、「登記済証または登記識別情報」、「抵当権解除証書」、「委任状」、「金融機関の資格証明書」「登記事項証明書」などが交付されます。

 

抹消の手続きは、多忙でなければ司法書士などに依頼せず、自分で行うことが良いでしょう。

抵当権抹消の際の注意点5選

ローンを完済したのに、抵当権をそのままにしておくと後々支障が出ることがあります。抵当権抹消の手続きは速やかに行う方がよいです。以下に抵当権抹消の際の注意点を解説します。

抵当権抹消の際の注意点1:不動産売却ができない場合がある

ローンを完済したのに、抵当権を抹消せずそのままにしておくと、不動産を売却しようとするときに支障が生じます。抵当権付きの不動産を売買することは理屈上ではできます。

 

ですが、抵当権がついた不動産を購入して、前の所有者が返済を滞ったら、金融機関に抵当権を行使されるというリスクがつきまといます。

 

ローンを完済しているとしても、こうしたリスクのある不動産を売買することは現実的ではないので、やはり抵当権は抹消しておく必要があります。

抵当権抹消の際の注意点2:できるだけ早めに登記を行う

ローンが完済すると、金融機関から抵当権を抹消するための書類が交付されます。書類には有効期限のあるものがあるため、注意が必要です。

 

また登記をせずに放っておくと、その間に自分の現住所が変わったり、金融会社が合併などの理由により存在しなくなってしまったりします。抵当権抹消の時期と、現在の状況が乖離すればするほど手続きに時間を要することになるため、早めの手続きがおすすめです。

抵当権抹消の際の注意点3:書類をなくした場合の対処の仕方

もし、書類を紛失してしまったら、まずは金融機関に連絡して書類の再発行を依頼します。

 

抵当権解除証書や委任状は金融機関で再発行が可能です。登記事項証明書自体には有効期限は設けられていませんが、不動産取引などで書類を提出する際に、「発行から3ヶ月以内」という期限を指定される場合があります。

 

登記済証または登記識別情報は、抵当権を設定したときに法務局から発行されるもので、ローンが完済されるまで、金融機関で保管しています。登記済証または登記識別情報は金融機関で再発行はできませんので、紛失しないように注意しましょう。

抵当権抹消の際の注意点4:自分自身で手続きを行う場合

抵当権抹消手続きは自分で行うことができます。あらかじめ、地域を管轄する法務局を調べておきましょう。法務局によって、手続き方法や必要書類が異なる場合があるので確認をします。

 

登記申請書はホームページからダウンロードをするか、法務局においてあるものを使用します。金融機関から抵当権抹消のための書類が送られてきたら、登記申請書を作成し、法務局にそれらの書類を提出します。法務局の審査が1〜10日かかったのち登記が完了します。

 

手続きは郵送でもできますが、不備があると時間がかかってしまうので、窓口で相談しながら行うことをお勧めします。金融機関によっては返却を要する書類があるので、コピーを添えて提出すると、原本を返してもらえます。

抵当権抹消の際の注意点5:司法書士に依頼する場合

自分で手続きする手間や時間を惜しむなら、司法書士に依頼をすることができます。

 

司法書士に依頼する場合は、まず、相談の予約をします。費用は司法書士によって違うので、確認をしましょう。委任契約を結び委任状を提出し、金融機関から送られた書類を渡します。印鑑が必要になるので、スタンプ印ではない印鑑を持参しましょう。

 

抹消登記が完了したら、登記完了証や登記事項証明書を受け取り手続き完了です。

抵当権抹消における主な費用8選

抵当権抹消にはいくつかの費用がかかります。あらかじめ、どのようなものにどのくらいかかるのかわかっていると、慌てないで済むでしょう。

 

以下に抵当権抹消にかかる主な費用を8つ紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

抵当権抹消における主な費用1:司法書士報酬

司法書士の主な業務は、法務局に提出する書類を作成し、登記、供託等の手続きを代理で行うことです。司法書士に抵当権抹消登記を依頼する場合は司法書士報酬がかかります。

 

司法書士報酬は、約13,000円〜18,000円が多いですが、司法書士や地域によって違うので、確認をしておきましょう。また、住所変更登記等別の手続きが伴う場合は、さらに費用が増しますので確認してください。

抵当権抹消における主な費用2:登録免許税

登記を申請する際にかかる税金が登録免許税です。登記申請書に収入印紙を貼って納めます。

 

不動産1筆あたり1,000円かかります。土地1筆、建物1筆なら2,000円かかることになります。複数の土地にわたっている場合などは、その分1,000円ずつ増えていきます。

抵当権抹消における主な費用3:事前調査費用

現在の不動産の登記内容を確認するために、法務局で登記事項証明書を取得する費用などが、事前調査費用としてかかってきます。

 

登記事項証明書は法務局の窓口で1筆当たり600円かかります。登録免許税と同様に、土地、建物が1筆ずつであれば、1,200円かかることになります。オンライン請求だと500円で取得できます。

 

不動産を購入したときの登記事項証明書をお持ちの方も多いとは思いますが、現在の登記内容を確認しておいた方が間違いがないでしょう。

抵当権抹消における主な費用4:事後謄本の取得費用

抵当権抹消登記が完了した後、抵当権が抹消されているか確認するため登記事項証明書を取得する費用です。

 

抹消登記が終わったら法務局で登記完了証を交付してもらえるので、必ず事後謄本を取得しなければならないというわけではありません。費用は前述の事前調査費用と同じです。

抵当権抹消における主な費用5:住所変更時の費用

所有者や抵当権者(金融機関)の住所が変わっている場合は、抹消登記と同時に住所変更登記が必要です。

 

所有者の費用としては、移転履歴がわかる住民票を提出します。移転の多い方は戸籍謄本が必要になる場合があります。住所変更登記の登録免許税は、別途不動産1筆あたり1,000円がかかります。

抵当権抹消における主な費用6:相続時の費用

相続と同時に抵当権抹消登記を行う場合は、まず相続による所有権移転登記をした上で、相続人が抵当権抹消登記を申請するという流れになります。遺産分割協議書を作成するか、遺言書があれば遺言書の内容で登記の申請をします。

 

亡くなった方(被相続人)の生まれてから亡くなるまでの戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)と除籍全部事項証明書(除籍謄本)を市区町村で取得します。相続人全員の住民票及び印鑑証明書も提出が必要です。住民票や印鑑証明の取得費用は市区町村によって異なります。

 

また、登録免許税は不動産の課税標準価額に対しかかりますが、相続については免税措置があります。

登録免許税の税額表 国税庁

抵当権抹消における主な費用7:自分で登記する場合の費用

抵当権抹消登記を自分で行う場合の費用は、事前調査費用や事後謄本の登記事項証明書取得費用、登録免許税のほか、法務局に相談や手続きに行くときの交通費というところがかかってきます。

 

自分で手続きを行えば、司法書士への報酬を支払う必要がなくなるため安くなりますが、もし法務局が遠くて交通費がかかる場合は、近くの司法書士へ依頼した方が手っ取り早い場合もあります。

抵当権抹消における主な費用8:司法書士に依頼した場合の費用

抵当権抹消登記を司法書士に依頼する場合は、上記に加え司法書士報酬を支払う必要があります。上述した通り、司法書士や地域によってばらつきがありますが、およそ13,000円~18,000円ほどかかります。

 

不動産の筆数によっても報酬が増減するため、依頼する前に費用の見積もりを頼むと良いでしょう。

抵当権抹消の費用の計算方法

抵当権抹消には、登録免許税や事前調査費用などの費用がかかることをお伝えしました。自分で行う場合と司法書士に依頼をする場合とではどのように違うのか、確認をしてみましょう。

自分で行う場合

登録免許税は不動産1筆あたり1,000円かかります。土地、建物1筆ずつであれば1,000×2=2,000円となります。土地や建物が複数ある場合は、その分増えていきます。金融機関から送られてくる登記済証または登記識別情報に記載されている不動産の表示を確認しましょう。

 

また、抹消する抵当権者(金融機関)が複数ある場合は別の申請となるので、登録免許税は金融機関の数の分となります。但し、登記原因となる弁済日が同一の場合は一括して申請することが可能な場合もあります。

 

住所変更登記を一緒に申請する場合、登録免許税1,000円×筆数がかかります。所有権移転登記を行う場合は、課税標準価額に対し一定の登録免許税がかかります。登録免許税を納めるための収入印紙は法務局にて購入が可能です。

 

登録免許税のほかには、登記事項証明書(1筆600円)を取得する費用がかかります。

司法書士に依頼する場合

司法書士に手続きを依頼する場合は、上記に加え司法書士報酬がかかってきます。司法書士報酬は司法書士によって異なります。

 

所有権移転登記や住所変更登記が関係してくる場合は、報酬も加算されます。ホームページなどで概算を確認した上で依頼することがポイントと言えます。

司法書士に依頼した方が良い理由4選

時間と手間を惜しまなければ、抹消登記の手続き自体は難しいものではありません。事前に必要な手続きや書類を確認しておくと、落ち着いて手続きができるでしょう。また、法務局に行くと相談にのってもらえますし、書類に不備があったら教えてくれるので安心です。

 

とはいえ、普段の生活でそういった法的な手続きは頻繁にあるものではありません。プロである司法書士に手続きを依頼した方が良いケースもあるので、次にその理由をお伝えします。

司法書士に依頼した方が良い理由1:書類の不備がなくなる

抵当権抹消登記を自分でする場合、登記申請書を作成し、法務局に手続き書類をまとめて持参しますが、すんなり手続きができるとは限りません。書類に不備があったり、必要な書類が足りなかったりして、何度も法務局に足を運ぶことになるかもしれません。

 

抹消登記に期限はありませんが、あまり長期的に放置していいものでもありません。

 

不動産登記は司法書士の主な業務の一つです。プロにお任せすれば、そういった書類の不備も少なくなりますし、イレギュラーなケースにも対応してもらえます。

司法書士に依頼した方が良い理由2:手間をあまりかけたくない人向け

日中お仕事をされている方など、法務局に行く時間をなかなか確保できない場合も多いでしょう。登記申請には郵送やオンラインで行う方法があります。郵送の場合は書留郵便でのやりとりになり、返送用封筒の同封もしなければなりません。

 

また、オンラインの手続きも可能です。その場合は法務局のホームページで、登記・供託オンライン申請システムに登録しますが、その際も書類の郵送が必要です。

 

法務局に申請書類を持参する、もしくは郵送やオンラインで手続きにするにしても、それなりの労力を要するでしょう。こういった時間と手間をかけたくない人には、司法書士に依頼することをお勧めします。

司法書士に依頼した方が良い理由3:不動産取引と連動ができる

抵当権が設定された不動産を売却する場合など、抵当権抹消登記と所有権移転登記を同時に行うケースがあります。

 

この場合は売却先、不動産会社、金融機関と関係先が多くなりますので、手続きをスムーズに進めるためにも司法書士に手続きを任せます。不動産会社が司法書士を手配してくれることが多いでしょう。

 

売却代金をローンの返済に充てて、抵当権抹消書類を交付してもらう必要があるので、事前に金融機関に売却することを連絡しておかなければなりません。

登記・供託オンライン申請システム 法務局

司法書士に依頼した方が良い理由4:イレギュラー対応に困らない

不動産を売却するときや相続によって抵当権を抹消するときなど、ケースによっては自分で手続きするにはハードルが高いものがあります。

 

抹消登記をしないまま時間が経ってしまうと、金融機関の住所や名称が変わっていることもあり、さらに手続きは煩雑になります。

 

抵当権抹消登記の手続きはすぐに取りかかった方が良いですが、上記のようなイレギュラーな場合には、手続きのプロである司法書士にお任せしましょう。司法書士は相続などいろいろな法律問題に対応していますので、登記のこと以外でも相談できるのは心強いでしょう。

抵当権抹消のリスクをしっかり覚えておきましょう

抵当権抹消の登記手続きを放置すると、金融機関の住所や名称が変更になったり、相続が発生したりすることで手続きは煩雑になります。手続き書類を紛失するリスクも生じます。再発行できない書類もありますので、注意が必要です。

 

新たに金融機関から不動産を担保に借入するときに、抵当権が設定されていると、以前の借入が返済されていないとみなされ、借入ができないことがあります。

 

また、不動産を売却するときには、あらかじめ抵当権を抹消した上で買主に引き渡すことが原則ですので、抵当権が設定されたままだと、売却に至らないことも想定されます。

 

このように手続きをしないでいると、後々煩雑な手続きやトラブルに発展する恐れがあります。ローンが完済し、金融機関から抵当権抹消の手続き書類が送られてきたら、すぐに登記申請手続きに取りかかることをお勧めします。

 

抵当権に関連する記事を以下のリンク先にまとめていますので、興味がある方はご参照ください。

住宅ローンを繰り上げ完済したら?完済後の手続き3つと抵当権の抹消について紹介

 

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