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マンションのスラム化はなぜ起こる?マンションがスラム化する原因4つ

2020 06.4この記事はPRを含みます

スラム化とは

近年のマンションをとりまく問題の1つに、「マンションのスラム化」があります。そもそもスラムとは、都市部において極貧層の住民たちが住む不衛生で行政サービスの届かない地域のことです。

日本は昔、総一億中流社会と呼ばれていました。今でもスラム化するほど治安が悪化した地域、貧しい地域はほぼないと言われているのですが、現在でもいくつかスラム化したと言われるマンションが存在しています。

近年のマンションのスラム化問題

懸念されているのは、現在すでに建造されているマンションがなんらかの事情で住民が去り、誰も住まなくなったマンションが老朽化と共にスラム化するという問題です。

これはすでに、一部のマンションとはいえ日本でも起こっている問題です。どうしてマンションのスラム化が起こってしまうのか、いったいどんなマンションがスラム化しやすいのかについて見ていきましょう。

どんなマンションがスラム化しやすい?

スラム化しやすいマンションとはどんなマンションかというと条件はいくつかありますが、まずは居住者に高齢者の割合が多いマンション、管理の行き届かないマンション、空き家率の高いマンションでしょう。

これらの物件が必ずしもスラム化する訳ではありませんが、可能性はあります。マンションの購入を検討している方、不動産投資をしようとしている方はこのようなポイントに注目して物件のチェックをすることをおすすめします。

居住者の高齢化が進んでいるマンション

居住者の高齢化が進んでいる、居住者の割合で高齢者が非常に多いようなマンションの場合、将来その方々が亡くなった後に住む人がいなくなりマンションがスラム化するという懸念があります。

高齢の居住者の子どもが新たに入居するならよいですが、実際のところ子ども世代は子ども世代で別のマンションに居住してしまうことがほとんどです。高齢化が進んでいるマンションは、将来的に住民が激減するリスクがあります。

マンションの老朽化により管理がされていないマンション

マンションの管理状態は入居者の増加や維持に大きく関わるため、老朽化してメンテナンスが滞っているマンションや管理がされておらず清潔でないマンションはスラム化の可能性があります。

マンションを探すとき、管理の行き届かない不衛生なマンションではなく管理の行き届いたマンションに住みたいと考える人がほとんどです。そのため管理のされていない物件は新たな入居者を見つけづらくなり、スラム化が進むと考えられています。

空き家率が30%を超えたマンション

1つの目安として、空き家率が30%を超えるマンションはそうではないマンションに比べて治安が低下しやすく、さらに空き家になる物件が増えたりしてスラム化する可能性が高くなっています。

高齢化などでマンションに空き家が増えると、空き家が増えたことによってさらに状況が悪化していきスラム化するという問題です。利便性などから人気の低いマンションや高齢者の多いマンションは、空き家問題に直面すると言われています。

マンションがスラム化する原因4つ

ここまではスラム化しやすいマンションとはどんなマンションなのかについて紹介してきました。そもそもマンションがスラム化するからにはそれなりの原因がありますので、そちらもチェックしておきましょう。

日本の場合、マンションのスラム化は不審人物が住むというよりもマンションの治安の悪化、管理されず荒れ放題になる問題の方が大きいです。また悲惨なのは、スラム化したマンションに引き続き住まざるを得ない住人がいることです。

マンションがスラム化する原因1:入居者の高齢化

スラム化しやすいマンションに高齢化が進んでいるマンションとあったように、入居者の高齢化はいずれ入居している住人の多くがいなくなることを示唆しており、このことがスラム化する原因となっています。

高齢者は若い世代よりも早く老人ホームに入ったり、亡くなったりします。「人がいない家は早く老朽化する」とよく言われているように、人が住まなくなると途端に荒れ始めるのはマンションも変わらないことなのです。

マンションがスラム化する原因2:人口の減少

日本は現在少子高齢化の問題を抱えており年々人口が減少していますが、この人口減少による入居者数の減少もマンションがスラム化する原因となっています。

少子化の前は団塊の世代など、人口の多い世代があります。この世代に合わせて多数建造されたマンションは、人口の減少によって自然に淘汰されていくでしょう。人が多いマンションはそのまま残りますが、人が去ったマンションはスラム化が進むことになります。

マンションがスラム化する原因3:空き家の増加

マンションに住む人が減り空き家が増えてしまうと、それだけ管理の行き届かない場所が増え、老朽化の問題などが出てきます。それにより、マンションがスラム化しやすくなっていきます。

空き家が増えることの問題は修繕にも波及します。マンションの老朽化などが原因による修繕には多大な費用がかかりますが、空き家が多ければ費用を出す人が足りずに老朽化が放置されてしまいさらに空き家が増える原因になったりします。

マンションがスラム化する原因4:景気や経済情勢の悪化

マンションの中でもタワーマンションのように価格の高いマンションの場合、景気や景気情勢の悪化によって住む人が減ることがスラム化の原因になることがあります。

タワーマンションは人気が高く、物件価格も高めなマンションです。それだけに景気が悪化して住めなくなる人が増えると、途端にスラム化するリスクが出てきてしまうのです。

マンションのスラム化が不動産投資に及ぼす影響

もしも不動産投資しているマンションがスラム化してしまったような場合、はかりしれない影響を受けることになってしまうでしょう。

考えられる影響としては、マンションの管理費や修繕費の回収が困難になること、マンションの空き室が増えて入居者が減ることでしょう。

及ぼす影響:管理費・修繕費の回収が困難になる

不動産投資しているマンションがスラム化してしまった場合、水道管や壁面の修繕や共有エリアを管理しても入居者が少なく、費用の回収が困難になるという問題があるでしょう。

いくら配管設備などのメンテナンスをしても、その修繕費を出す住民が少ないと完全に赤字になってしまいます。共有エリアの管理なども費用がかかりますが、スラム化して住民が少ないと費用をまかなえなくなることが懸念されます。

及ぼす影響:空室が増える

マンションがスラム化すると物件に入居したいという人も減るため人気が下がり、さらに入居者が入りづらくなって空き室が増えて収入よりも支出が増えるという問題があります。

そもそも入居者が少なくなることでスラム化しやすくなる上、スラム化したことが原因で入居者が引っ越したり、新たな入居者が現れず空き室が増えて収益を得にくくなるでしょう。

マンションがスラム化したことによる実例

日本でもすでにスラム化してマンションとして有名になったマンションがありますが、実際にスラム化するとどうなるのか実例により紹介いたします。

一般的にスラム化したマンションは管理や修繕の手が届かなくなったマンションであるため、一度スラム化してしまった場合、立て直すのは困難です。スラム化したことで共有部分の管理がとどこおりエレベーターが止まったり、水の供給が止まるなどの問題が起こっています。

実例1:悪臭がする

スラム化したマンションでは建物の管理が行き届かないことから老朽化した配管設備なども放置されることになり、場合によっては悪臭の原因になったりすることがあります。

そもそもスラム化で住む人が少なくなり、住人がいないことでゴミが捨てられていたり、粗大ゴミがそのまま置かれていることなども悪臭の原因となってしまいます。ゴミの清掃をする人がいなくなる、修繕できなくなるということが原因でしょう。

実例2:老朽化で建物がボロボロになる

マンションがスラム化してしまうと修繕積立金を積み立てることもできなくなり、計画的な修繕をすることができなくなるため老朽化した建物がそのまま放置されてボロボロになってしまいます。

浮浪者や不審者が入り込んでしまったり、火事などが起こったとしてもそのまま修繕されずに放置されてしまいます。これは修繕しようにもそもそも住民の数が少なく、費用を捻出することが困難になったことが原因でしょう。

実例3:治安が悪くなる

スラム化という言葉のように、スラム化したマンションは著しく治安が悪化して浮浪者や不審者のたまり場と化してしまったり、落書きされ放題になったりします。

スラム化したマンションはそもそも住人が少ないので目が届きにくく、不審者や浮浪者が入り込んでも気づきにくいといった面があります。スラム化してもまだ残っている住人には高齢者が多いため、対応することが難しくなっています。

マンションがスラム化することで近隣に起こる悪影響

マンションがスラム化することによる影響は、当のマンションだけではなく周辺地域にまで広がります。

マンションのスラム化を他人事として考えてはならないのは、こうした近隣に与える悪影響が非常に大きく無視することはできないといったことが理由です。

近隣に起こる悪影響:不法侵入などの犯罪が起こるリスクが高まる

スラム化したマンションには不審者や浮浪者などが入り込みやすくなり、場合によっては知らないうちに住んでいるようなこともありますが、このような人たちが出入りすることで近隣にも不法侵入などの犯罪リスクが高まる影響があります。

スラム化したマンションは管理が行き届いていないものの雨露をしのげるということで不審者が入り込みやすく、そのような人たちを呼び集める役割をはたしてしまいます。

近隣に起こる悪影響:衛生環境が悪化する

スラム化したマンションは修繕も管理も行き届かないため何かが故障しても放置されていたり、清掃が行われないことで近隣の衛生環境にも影響されます。

またスラム化したマンションに集まった人たちは清潔にしている人よりも不衛生な人が多いということもあり、衛生環境の悪化に拍車をかける可能性もあります。

23区内でもマンションのスラム化は起こり得る

マンションのスラム化は地方の問題かと思いきや、東京23区という都心でもすでに空き家が放置されている問題があるため、将来的にはマンションのスラム化も起こり得るでしょう。

都心では高級マンションに入るタワーマンションも人気が高いですが、前述したように景気や経済情勢によってはこのタワーマンションがスラム化してしまうこともないとはいえないと予想されています。

不動産投資する際にはスラム化にも注意しよう

これからの日本ではマンションのスラム化が進むと懸念されています。自分の物件がスラム化しなくても、近隣にそのようなマンションがあるだけで受ける影響は計り知れません。

これから不動産投資をする方は、スラム化しやすいマンションやスラム化の原因を知って、なるべくスラム化しない物件を選ぶなど注意して投資しましょう。

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