アパートを建て替えるメリットとデメリット|建て替える際の注意点4つ
2020 10.21この記事はPRを含みます
アパートを建て替える前に知っておきたいメリット・デメリット
アパート経営をして行く上で避けられない老朽化や空室率の悪化があります。そんな中でアパートの建て替えは、それらを改善する有効な手段とも言えます。
ただし、建て替える前に知っておくべきメリット・デメリットがあります。一体どんなメリット・デメリットなのでしょうか。
ここからはアパートの建て替えのメリットとデメリットをご紹介します。
アパート建て替えのメリット3つ
アパート建て替えのメリット1:空室のリスクを下げることができる
アパートの建て替えで一番大きなメリットと言えるのが空室のリクスを下げる事ができるという事です。一般的に空室率が上がってしまった場合に建て替えるのはアパート経営者としてはマストな方法と言えます。
時代に合った設備やサービス、間取りのアパートに建て替えれば必然的に空室のリスクは改善されます。もちろん、建て替え後の入居者募集にも力を入れる必要はあります。
アパート建て替えのメリット2:相続税の評価額を下げることができる
メリット2つ目は相続税の評価額を下げることができるということです。賃貸物件では、土地・建物の相続税評価額が下がります。しかし、老朽化で空室が増えてくると、空室部分は賃貸をしていることにならず、相続税評価額が下がらないのです。
建て替えをすることで空室を埋めることができれば、相続税評価額を下げることができ、節税に繋がります。
相続税評価額を下げるためにも、空室対策に有効なアパート建て替えなどの工夫が必要なのです。
アパート建て替えのメリット3:融資が通りやすくなる
これは一概には言えませんが、建て替えをすることで、融資が通りやすくなる場合があります。
過去にローンを組んでいて、その支払いが終わっている場合にはローンを完済したことの信用があるため、審査が通りやすいと言われています。また、一度住宅ローンの審査を通過していることで審査がスムーズになることもあり得ます。
アパート建て替えデメリット4つ
アパート建て替えデメリット1:費用がかかる
アパート建て替えでの特に大きなデメリットと言えるのが、費用がかかるということです。アパートを建て替える際にかかる費用と言っても単純に建物に対する建築費用だけではなく、取り壊しにかかる解体費やその時入居している人に対する退去費用なども含まれます。
基本的に解体業者と建築業者は別なので、それぞれ業者によって費用の増減はあるものの費用がかかるということはデメリットの一つと言えます。
アパート建て替えデメリット2:立ち退き料を支払う必要がある
アパートを建て替える際に入居者がいる場合、当然建て替えはできません。入居者に対して説明と、立ち退き料を支払う必要があります。立ち退き料とは退去費用とも言い、退去を要求した際、入居者が引越しをするための費用を負担することです。
中には新居の敷金礼金、手数料などを支払う場合もあります。入居者とトラブルにならないためにも賃貸契約書に基づいた時期に通知したり、弁護士に相談するなどして慎重に計画するのが賢明です。
アパート建て替えデメリット3:計画とおりに進まない
3つ目のデメリットとして言えるのは、建て替えは計画とおりに進まないという事です。アパートの建て替えは大きなお金と多くの人が関わる大仕事です。
建築プランを検討することから始まり、業者の決定や入居者への説明、資金の予算算出や準備など入念な計画を立てなければ、全ての段取りは計画通りには進みません。思わぬところでつまずくことも予想されます。
また災害や予期せぬ事故など起きてしまえば、入念に立てた計画も進まなくなってしまいます。計画を立てていても計画とおりに進まない事があります。
アパート建て替えデメリット4:時間がかかる
建て替えとなると費用もさることながら、時間がかかってしまうという事もデメリットと言えます。
建て替えに時間がかかれば掛かるほど、工事費用はかかる上に家賃収入もありません。コストを抑えるどころか、時間がかかったおかげで費用がかさむ訳ですからアパート建て替えの際時間がかかるというのは仕方のないことですが、大きなデメリットと言えるでしょう。
アパート建て替えの時期・費用5種
では、ここからはアパートを建て替える上で最適と言える時期や具体的にかかる費用の目安をご紹介します。やみくもに建て替えを検討したり、必要のない費用に出費をするわけには行きませんから、事前に知っておく必要があります。
アパート建て替えの時期や費用の知識を持って計画を立てる事が大切です。
アパート建て替えの時期・費用1:建物の老朽化による空室率が5割以上
アパートを建て替える時期の目安としては建物の老朽化による空室率が5割以上になったらという事を目安にします。建物の老朽化が進めば入居者からのニーズがなくなり空室率が上がってしまいます。
空室率を下げる為に、家賃の引き下げやインターホンの設置などの設備・サービスの充実等の対策をしても効果が得られず、空室率が5割以上になってしまった場合は建て替える時期と言えます。
アパート建て替えの時期・費用2:築30年を過ぎている
次に、アパートを建て替える時期の目安として築30年を過ぎているというのは大きなポイントと言えます。
建て替えの条件としては借入金の返済が終わっていることが第一となっていることから、おおよそ返済が終わっていると思われる築30年を過ぎている時期は建て替えの目安となっているのです。また、経年に伴って現代のニーズに合わない建物になってしまっている可能性があり、なかなか入居者が見つからない可能性があります。
アパート建て替えの時期・費用3:解体にかかる費用
建て替える際に解体にかかる費用の目安は、建物の規模にもよります。解体する際に、重機を使わなければいけなかったり、工事期間が長くなれば費用は更にかさんでしまいます。
解体費に関してはローンが組めない場合が多い為注意が必要です。解体業者によって多少の増減があるので、複数の解体業者に声をかけて見積もりを出してもらい、早い段階での予算組みをする必要があります。
アパート建て替えの時期・費用4:建設方法の種類・費用
建築費用に関しては深刻な職人不足が原因で近年下がることは見込めず、上昇傾向が続いています。その為、建築に関しても複数の業者に見積もりを出してもらうのが重要です。
建築方法については、アパートの建築で一般的と言われているプレハブ工法や、昔から使われる在来工法などがあります。アパート建て替えにおいて、経営者がどこに重点をおくかで建築方法も変わってきます。
アパート建て替えの時期・費用の目安5:フルリフォームとは?
建て替えと違ってフルリフォームとは、間取りや内装、設備などをリフォームする事で、それまでのアパートの躯体等はそのまま残して行うことです。その為、フルリフォームは建て替えと違って解体費もかかりませんし、その他かかる費用も時間も大幅に抑えることができます。
建て替えにかかる費用の目安よりも、随分と費用はかからないことが期待できますが、躯体等に劣化がある場合は当然その補修費がかかる場合もあります。また、建て替えに比べて間取りなどを自由に変えることができないのが難点です。
アパート建て替え検討の注意点4つ
アパートを建て替えるには多くのお金や時間がかかる事がわかってきました。目先の事だけでなくアパートを建て替えた後に待っているアパート経営・運営など、まだまだ注意するべき事があります。
ここからは注意点4つをご紹介します。アパートの建て替えをする際にはこのポイントをしっかり押さえておきましょう。
アパート建て替え検討の注意点1:賃料の引き下げを考える
アパートを建て替えようと検討する前に賃料の引き下げを考えるという選択肢もあります。その場合、建て替えやリフォームのように費用はかからず空室率が改善できても、賃料収入が減少するのはいうまでもありません。
空室率が上がってくると家賃収入が減ってしまうので、その対策として建て替えを検討する場合もありますが、耐用年数や老朽化の観点から見てまだ余裕がある場合は、逆に急いで建て替えるより賃料を引き下げる事で空室率を下げることができる場合もあります。
アパート建て替え検討の注意点2:将来の売却・事業承継の予定
建て替えを検討している方は将来の売却・事業承継の予定も視野に入れておく事が必要です。アパートを建て替える際の建築費のローンの申請時にも、いつまでアパート経営をする予定であるのかで融資してもらえる金額が変わってしまう場合もあります。
オーナーが体調を崩して経営ができなくなった場合や、将来的にアパート経営を引き継いでくれる身内がいるのか、身内にその意思があるのか等、建て替えを検討している時点で家族としっかり話し合う必要があります。
アパート建て替え検討の注意点3:しっかりとシミュレーションする
建て替えの際に必要な費用や手続きなどをしっかりとシミュレーションする事を忘れてはいけません。
おおよそこんな感じで大丈夫だろうという考えではなく、事前計画を立てて資金の準備や工事期間の想定、節税対策や建て替え後の収支予想まで専門家や家族と一緒にしっかりとシミュレーションを行いましょう。
アパート建て替え検討の注意点4:退去通知は6か月前
一般的に退去通知は6か月前というのが常識です。入居者に対して退去通知をする時にトラブルに発展してしまうケースは珍しくありません。
退去費用や慰謝料を提示するだけでなく誠意を持った丁寧な説明はもちろん、退去通知を行う時期についても注意し、賃貸借契約期間満了の6か月前には通知することが大切です。
またトラブルにならないよう弁護士に相談しながら慎重に進めて行くことも一つの手です。
アパート建て替にはしっかりとした事前計画が必要
いかがでしたか?これまでの内容で分かる通り、アパート建て替えにはしっかりとした事前計画が必要になります。建て替えと一口で言っても解体費や退去費用、建て替えまでにかかる時間など抱える問題は思ったより多いのが現実です。
トラブルや思わぬ事態が起きない為にもしっかりとした事前計画を立て、損や無駄のない出費で新たなアパート経営が前向きに行えるのが理想です。
費用も時間もかかりますが、アパートの建て替えはアパート経営で抱える大きな問題の改善に繋がる有効な手段と言えます。