古い家はリフォームか建替えか?リフォームのメリット3つと問題・注意点
2020 06.4この記事はPRを含みます
古い家はリフォームが必要?
新築で建築した住宅でも、30以上住んでいると、古さや不便を感じる場所が出てきます。
古いだけならば気にならなくても、例えば、家が傾いていたり水回りの床が腐っていたりすると、健康を害したり怪我をしたりする可能性が出てきます。
そのような時はやはり、快適で健康的に過ごせるよう、古い家のリフォームをおすすめします。
古い家をリフォームするメリット3つ
長年住んだ古い家をリフォームするか建替えるか考えた場合、リフォームの方が、エコになったり納税額が抑えられたりするメリットがあります。
古い家をリフォームする際の、3つのメリットをご紹介します。
メリット1:良い素材や設備を再利用できる
キッチンや洗面台など、まだ十分使える設備があっても、建替えのときは基本的に設備類を全て新調します。使える設備を解体前に取り外し、保管場所を確保すれば再利用はできますが、取り外すための手間や保管場所の確保、運搬費等がかかるので新調する方が安いという理由です。
その点、リフォームは工期が短いので、一時的な保管場所さえ確保できれば、使える設備や素材を再利用することができます。
メリット2:固定資産税を抑える
固定資産税とは、毎年1月1日時点で不動産を所有する人に課せられる税金のことです。リフォームをした場合に気になるのが、この固定資産税の金額がどうなるかということです。
劣化に伴い必要な補修程度のリフォームなら、固定資産税は上がりません。建築確認申請の必要がなく、新築時以上に建物の価値は上がないからです。
また、確定申告により「住宅リフォーム減税」が利用できる場合がありますので、チェックしてみましょう。
メリット3:希少価値のある外観を残すことができる
リフォームの場合、日本の古い家ならではの外観や吹き抜け・土間・縁側などを残すことができます。
最近流行っている古民家のリノベーションのように、柱や梁をむき出しのまま利用したり、独特の色味を持った太い木を生かしたりすることで、古かった家を、リフォーム後は和モダンな雰囲気にすることもできます。
古い家によくある3つの問題
長く住んできた古い家は、現在の建築基準法などが適用されていないため、構造や間取り、耐震性や断熱性などに問題のある物が多いです。
ここでは、古い家の3つの問題点をご紹介します。
問題1:躯体・構造の問題
日本の建築基準法は、年々厳しい内容に改正されていますが、古い家の中には昔の基準で建てられたものが多いです。
構造に問題がある建物の場合、見た目にはわからないダメージがあることも多く、外観だけリフォームをしても、その後長期間住むことは難しいでしょう。
中にはゆがみが生じている建物もあり、そんな建物に長くいると平衡感覚のバランスが崩れ身体の調子を悪くする場合があります。
耐震性
1981年6月に建築基準法が改正されて以降、耐震基準は大きく見直されました。そのため、耐震補強が必要かどうかは、1981年6月より前に建てられたか、後に建てられたかが一つの目安になります。
また年数に関係なく、過去に大きな地震を経験している家なら、築年数15〜20年を目安に、耐震診断を受けることをおすすめします。
建築基準法に基づく現行の耐震基準は、昭和56年6月1日に導入されました。-国土交通省ー
断熱性
最近は、夏場は熱を、冬は冷気を通さない断熱・遮熱性に優れた構造の建築物が多いです。しかし古い家ではこういった断熱・遮熱性がなく、様々な場所から冷気や熱が家の中に入ってきてしまうことがあります。
古い家の寒さの原因として、すきま風、コールドドラフト現象(冷気は下へ、暖気は上にいくという空気の動き)、劣化により断熱材が機能せず、上手く断熱できていないなどがあります。
遮音性
古い家は、断熱・遮熱性がないと同時に、遮音性もとても低くなっています。断熱材が入っていない場合もありますが、隙間があることも原因の一つです。
リフォームをする際に、断熱性や気密性を高める工事をすれば、防音・遮音効果も上がることが期待できます。
問題2:間取りなどの問題
住宅の間取りは、家族構成やライフスタイル、趣味などによってもそれぞれ違います。古い家の間取りの特徴として、大家族が住むことを前提の間取りになっていることが多く、現在の家族構成やライフスタイルとは間取りが合わないという問題が出てきます。
古い間取りでも不便を感じていない部分は残しつつ、プライバシーを守りたい部分はリフォームをして、住みやすい間取りを考えるのが良いでしょう。
問題3:経年劣化の問題
経年劣化とは、時間と共に性能や機能が低下することをいいます。古い家は、太陽光による色褪せや日焼け、生活している中でどうしても避けられない汚れの付着などが多いです。
住宅は、完成した瞬間から経年劣化が始まっています。古い家ともなると、経年劣化はかなり進んでいて、放っておくと、後々多額のリフォーム費用が掛かってしまうため、補修が必要な場合は早めに対策するのが良いでしょう。
老朽化
老朽化によるリフォームは、その家に住んでいる限り必ず行わなければなりません。建物の部材には耐用年数があり、それにあわせてメンテナンスを行うのが、家を長持ちさせるポイントです。
トイレや洗面所などの水まわりは10年程度、キッチン、風呂、外壁などは15年~20年程度でリフォームを考えるとよいでしょう。また、住宅の耐用年数は30年程と言われ、30年を目処に家全体のリフォームを検討しましょう。
シロアリ被害
シロアリ被害を防ぐには、定期的にメンテナンスをすることが大切です。
新築のときに施すシロアリ予防の効果は、約5年です。なので、シロアリの被害は、築年数が5年の家から少しずつ増えていき、10年で10%、20~30年で10~20%以上の被害と言われています。
築年数が古い家ほどシロアリ被害が増える原因は建物の劣化です。築年数にとらわれず、5年ごとに定期点検を行っていれば安心です。
古い家をリフォームする際の注意点4つ
古い家は、長年暮らしていると色々な所で不具合が出てきます。その不具合を改善するのがリフォームなのですが、リフォームを行う際にどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。
注意点1:容積率・建蔽率の制限
古い家のリフォームの注意点の1つ目は、容積率と建蔽率の制限です。容積率とは、敷地に対する延床面積の割合のことで、建蔽率とは、敷地に対する建築面積の割合のことです。
この容積率や建蔽率は建築基準法で決められているので、リフォームで部屋数を増やしたり、部屋を広げたりすることで、建築基準法違反になってしまう恐れがあります。リフォーム会社と相談する際には、容積率や建蔽率に注意しましょう。
注意点2:耐久性に関わる間取りの変更
古い家のリフォームの注意点の2つ目は、耐久性に関わる間取りの変更です。壁を取り払って2部屋を1部屋にしたり、窓や扉のように壁がない部分を増やしたりすることで、住宅全体の耐久性が下がってしまいます。
窓や扉を増やしたり、部屋をつなげたりしたい場合は、リフォーム会社と良く相談する必要があります。
注意点3:電気・上下水道設備の対応能力
古い家のリフォームの注意点の3つ目は、電気・上下水道設備の対応能力です。オール電化やIHヒーター、エコキュートなどへのリフォームは人気ですが、電気工事の他、基礎工事や配管工事が必要な場合があり、想定外の費用がかかることがあります。
上下水道設備は、キッチン、浴室、洗面所、トイレなど、配管可能であれば増設は可能です。ただし、水道設備が増えると使用水量も増えるので、引込管の交換が必要なこともあります。
注意点4:リフォーム費用は建替えより高い場合もある
老朽化の具合によっては、リフォーム費用が建替えより高くなる場合があります。工事はまとめて行う方が安く、個別に工事を積み重ねて行くリフォームは、工事単価が高くなるということも理由の1つです。
今後長期間に渡って住み続けたり、次世代に引き継いだりするなら、建替えも検討してみてはいかがでしょうか。
古い家のリフォームは現状把握と費用比較がポイント
築30年以上の古い家を、建替えるかリフォームするかで悩んだら、まず家の現状を把握しましょう。
家の現状は、今までのメンテナンスによって変わります。手入れをしていた家は傷みが少なく補修費用も少なくて済みますが、手入れをしていない家は、腐食やシロアリ被害で費用がかかる場合があります。
建替えかリフォームかで悩んだら、まずは専門家に相談しましょう。建替えたほうが良いか、リフォームで十分かを見極めて貰えます。