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押さえておきたい4つの価格「一物四価」とは?関係性とともに紹介

2020 10.21この記事はPRを含みます

不動産投資と他の投資の違い

不動産投資と株式やFXなどの投資の違いは、目に見えている商品かどうかがポイントといえます。

不動産投資と一言でいっても様々な投資方法があり、昔から行われている不動産投資には家などの建物(物件)を売買、貸借、転貸などがあります。不動産投資は、不動産という名称の通り、動かすことができない、物件の取引というのが一般的です。

ここでは、昔からの不動産投資に注目して案内していきます。

複雑な権利関係がある

不動産の種類によっては、土地と建物の権利者がバラバラであったり、売却する土地の上に別の建物の所有者が賃貸していて入居者がいたり、権利関係が分かれている場合があります。権利関係が複雑になるほど、取引がややこしくなる可能性があります。

不動産などの権利は、ひと目で判断できないので、素人には難しい場合があります。

また不動産には、その土地の価格の基準となる指標があり、それを一物四価とよんでいます。

公共性が高い

不動産投資は住居や店舗など、人が利用するという目的の物に投資をします。

こういった投資は、地域の発展や街づくりのために賃貸物件を提供すると考えられるため、公共性が高いとされます。そのため、他の投資に比べ、銀行からの融資も受けやすいとも言われています。

価格が分かりづらい

不動産投資は相対取引で、相手との交渉によって値段が決まります。株式投資のように取引所があり、そこで価格をみながら投資を行うという取引ではありません。そこが不動産取引初心者にとって難しいところです。

相手が提示している価格が適正なのかどうか、素人に見分けがつきません。

そのため、指標となる価格として一物四価があります。土地の価格などは、この一物四価を参考にして出されます。そのため不動産取引をする場合、この一物四価を知ることは、その土地の価格が適正か否かの判断材料にもなります。

流動性が低い

不動産投資は、一般的に他の投資に比べて流動性が低いと言われています。

不動産取引は、相対取引なので、売買をするときに相手を見つける必要があります。その他、土地の権利関係なども調べたり、その土地の適正価格を確認する際に一物四価で確認したりする必要もあるため、時間がかかります。

流動性が低いということは、売れにくい、売れるまで時間がかかるということです。しかし、不動産の種類や条件によっては、すぐに買い手がつく物件もあります。

一物四価を理解することで、どういう物件が売れやすいのかその傾向を知ることができます。

一物四価とは?

一物四価は、不動産投資をする上で抑えておきたい項目です。

一物四価は、不動産投資をする時に、土地の評価などをする4つの価格で評価価格のことを指します。

4つの価格は、それぞれ公示地価、実勢価格、路線価、固定資産税評価額に分かれます。これを合わせて、一物四価と呼んでいます。ここではそれぞれその4つの項目の意味について案内していきます。

公示地価

公示地価は、一般的に土地の取引の指標とされることが多く、不動産業界では広く知られています。

公示価格(地価公示価格)は、国土交通省が毎年3月下旬ごろにその年の1月1日時点でのその土地の価格を算定したものです。

実勢価格

実勢価格は、取引事例や近隣の取引としての参考になります。

実勢価格を公表しているのは各都道府県で、毎年9月下旬ごろに、その年の7月1日時点での
土地の価格を算出したものを公表しており、公示価格とほぼ同一水準価格になります。

実際に取引される場合は、こちらの実勢価格の方や基準地表価格の方が参考にしたりすることがあります。なぜかというと、実勢価格は、実際に市場で取引された過去の実績から平均的な土地の価格を算出しており、「時価」に当たり、より実状に即した値段になるからです。

路線価

路線価で、土地の価格を評価し、相続税の計算をして相続税が決まります。

路線価は、相続税路線価のことです。公表しているのは国税庁です。毎年7月上旬ごろにその年の1月1日時点での地価公示価格の80%の程度の土地の価格を算出しています。

路線価は、土地などの相続をした場合に使われます。土地などを相続すると相続税が発生する場合があります。

固定資産税評価額

固定資産税は、不動産の所有者から固定資産税を徴収する際に、その税の算定となる土地の価格を評価しています。

固定資産税評評価額を発表しているのは、市町村です。公表は、3年ごとになります。基準日(3年ごとの基準)の3月ごろに、その年の1月1日の地価公示価格の70%程度の土地の価格を算出しています。

固定資産税は、市町村によって納期なども異なります。

一物四価と違う?一物五価とは?

「一物五価」と一物四価はどのような違いがあるのでしょうか。

一物四価は、土地の価格の基準となる算出方法や不動産取引の目的に応じて参考とされる土地の価格の指標です。同じ土地であっても、評価が異なるのはそのためです。

しかし、実際に、不動産投資をする場合、取引の際に一物五価が使われることがあります。一物四価に加えて、一物五価も覚えておきたい指標です。

基準地標準価格が含まれる

物五価は4つの価格までは、一物四価の価格の項目と同じです。5つ目に基準地標準価格が含まれて、一物五価になります。

基準地表価格とは、都道府県より毎年9月に発表される7月1日時点での土地の価格を表示しています。国土交通省が出す公示価格を補う形で発表されており、実際の土地の売買の際の指標として使われています。

不動産投資や取引される際の土地の価格の基準としてきたのが一物四価でしたが、最近は一物五価での方式も取り入れられています。より実状に合わせた価格の方が参考にしやすいと考えられます。

実際に売買される価格は「実勢価格」

一物四価の価格のうち、実際に不動産取引を行う場合に参考にされるのは「実勢価格」になります。ただ「実勢価格」がそのままその不動産取引に反映される訳ではなく、あくまで、価格の指標となります。

そのため、不動産会社によって価格は若干のばらつきがありますので、評価をしてもらう場合は複数の不動産会社に頼んで、出てきた価格を比較してみましょう。

覚えておきたい不動産投資で使う専門用語6つ

不動産の評価額の指標に、一物四価や一物五価があるということがわかったと思いますが、その他にも不動産投資を行う上で、覚えておきたいことがあります。

不動産投資には、家賃収入や売却した時の売却益がありますが、一方で、物件を維持するためにかかるコストや税金なども発生します。

不動産投資は、収入と出ていくコストを計算して、収益性があるかどうかをみます。

この収益性に関わる6つの専門用語も覚えておきたいことになります。

表面利回り

不動産投資の収益を計算する上で、必要なのが表面利回りです。不動産投資には、様々なコストがかかりますが、表面利回りはそういったコストなどは計算せず購入した不動産価格と入ってきた家賃収入の割合で出します。

表面利回りの計算は、家賃収入を物件価格で割った数値になります。家賃収入の利回りは表面上の利回りなので、グロス利回りと呼ばれることもあります。

しかし、表面利回りが高いから収益性があるとは限りません。

実質利回り

実質利回りは、収入(家賃収入など)から、かかったランニングコスト、諸費用などを差し引いて、購入した物件価格を割って出した数値です。

表面利回りと比べて、実質利回りが大幅に下がっている場合は、費用がかかっている物件だと考えられます。不動産投資を考える際には、表面利回りと同時に、実質利回りも確認する必要があります。

実質利回りは、ネット利回りと呼ばれることもあります。

用途地域

用途地域により、建てられる建物の種類や大きさなどが制限されていますので、売買をする時は注意する必要があります。

不動産の用途地域は、計画的な市街地を形成するため、予めその土地の用途が決まっている地域のことです。

用途地域は13地域あり、エリアごとに分けられています。なぜなら、多くの人が何も考えずに色々な建物を建ててしまうと住みにくい地域などが出てくる可能性があるからです。

そこで、住みづらい環境の発生を避けるために用途地域で制限をしています。

ファンド

不動産投資でも、物件などを購入しないで、不動産投資のファンドなどに投資する不動産投資もあります。

ファンドは、基金、資金と訳され、投資を行うために、複数の投資家から資金や運用を目的として集めた資金のことを指します。

サブリース

サブリースとは、転貸借のことをいいます。

サブリースは、不動産会社(サブリースを行っている会社)が物件を所有するオーナーから物件を一括で借り上げて、その物件の管理をする方法をいいます。

サブリースには、2つの賃貸借契約があり、マスターリース契約とサブリース契約があります。
また、サブリースの種類や内容は契約する不動産会社(サブリース会社)によって異なっています。

節税対策

相続税や固定資産税など、物件を所有していることや相続などで、税金が発生する場合があります。

不動産投資でも、様々なコストもかかりますが、かかったコストは、不動産投資で得た収益から差し引くことができます。

さらに、物はいつまでも新品ではないように、不動産も経年劣化があります。そのため、長く保有する設備を整えることも必要です。減価償却費として決められた期間の経費として計上し、不動産収入から相殺したり、投資で損失が出た場合にその損失を繰越できたりする制度もあります。

法人と個人では、税金の内容が異なるため、確認が必要です。

一物四価を押さえて不動産投資に活用しよう

不動産投資の際に土地の価格の指標となるのが一物四価ですが、それぞれどういった不動産の取引なのかによって異なります。

また、一物四価は土地の価格を決める時の指標ですので、一物四価が分かれば土地の価格の変化するタイミングなど、その土地の価格がどうやって算出されているかがわかるようになります。

不動産投資は、様々な投資方法がありますので、まずは一物四価、一物五価を確認し自分にあった不動産投資を見つけましょう

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