株式投資の配当利回りとは?配当利回りの用語や計算方法、アップする要因、目安を紹介
2024 09.25この記事はPRを含みます
配当利回りの用語や計算方法がよくわからないんだよね。
そうなんだ。配当利回りの用語や計算方法について教えるね。
ありがとう、先生!アップする要因、目安についても知りたいな。
なるほどねアップする要因、目安もあわせて教えるね。
株式投資の配当利回りとは
株式投資で得られるメリットには、購入価格より売却価格が上回ったときの譲渡益、会社が得た利益を株主に還元する配当金、会社の製品やサービスを受け取れる株主優待があります。この記事では、3つの利益のなかの配当金に焦点を当てて解説していきます。
株式投資でどの株へ投資しようか検討するときには、どの程度の利益が出るかを判断し、より利益の高い銘柄へ投資しようとするでしょう。
配当利回りは、株価に対する配当金の割合を示す指標です。配当利回りが高いということは、より効率的に利益を得られることを意味しています。
利回りと利率の違い
株式投資における利率とは、投資元本に対する配当金の利益の割合を指し、利回りは、株式投資で得られるすべての利益の割合を指します。
株式投資による利益には、インカムゲインという配当益と、キャピタルゲインという売却益がありますが、利率は配当のみの割合で、利回りは売却益も含めた利益の割合ということになります。
配当金の金額は企業が決めるので利率は計算しやすいのですが、利回りは譲渡益なども含むため、株価の影響を受けやすく計算が難しいといえます。
株式投資の配当利回りに関する用語2つ
株式投資で得ることのできる利益は、インカムゲインとキャピタルゲインがあります。配当利回りとキャピタルゲイン、インカムゲインはどのような関係にあるのでしょうか。
キャピタルゲインとインカムゲインの違いを理解することで、配当利回りがどのようなものなのか理解してください。
キャピタルゲインとは
キャピタルゲインとは、保有している株式を売却することで得られる売買差益のことです。たとえば、株価30万円で購入した株式を35万円で売却した場合、差額5万円がキャピタルゲインになります。
この記事では配当利回りを中心に解説しますが、株式投資による利益は配当だけでなく、キャピタルゲインによる利益もあることを知っておくとよいでしょう。
インカムゲインとは
インカムゲインとは、株式や債券を保有することで得られる収益のことで、株式投資では企業が得た利益を株主へ還元する配当金がインカムゲインになります。
株式投資のインカムゲインとなる配当は、業績や会社の方針で支払い額は変動し、支払われない場合もあります。
参考までに、株式投資以外では、不動産のインカムゲインは家賃収入、預貯金のインカムゲインは利息となります。
株式投資の配当利回りの計算方法とは?
配当利回りは、株価に対する配当金の割合を示す指標ですが、具体的にはどのように計算して算出したらよいのでしょうか。
実際に具体的な金額を入れて計算してみると、配当利回りの意味がより分かるようになり、銘柄選びの判断にも役立ちます。
配当利回りと優待利回りの計算式をご紹介し、具体的な事例をもとに計算していきます。
配当利回りの場合
配当利回りの計算式は、「年間の配当金額÷投資元本(購入価格)×100」で算出します。
たとえば、300万円で購入した株式から、1年間で15万円の配当金を受け取ったとします。計算式に当てはめると、「15万円÷300万円×100=5」ですので、この場合の配当利回りは年間5%です。
この企業の株式へ投資とは、年間5%の利益を得られるということになるのです。
株主優待利回りの場合
株式投資では株主優待という、商品、サービス、金券などを受け取れる銘柄もあります。株主優待利回りとは、投資額に対して、どのくらいの株主優待を年間で受けられるのかを判断するのに使います。
優待利回りの計算式は、「株主優待の価値÷投資元本(購入価格)×100」で算出します。
たとえば、10万円で購入した株式から、株主優待で年間1,000円の商品券をもらったとします。計算式に当てはめると「1,000円÷10万円×100=1」ですので、年間の株主優待利回りは1%になります。
株式投資の配当利回りがアップする要因2つ
配当利回りは、配当によるインカムゲインに期待して株式を探すときに重要な指標といえます。ただし、配当利回りが高い、低いだけに注目するのではなく、配当利回りが上がる仕組みについても知っておく必要があります。
配当利回りがアップしている銘柄には、株価が下落したとき、配当が増配したときの、どちらかに当てはまるものが多いです。株式投資の配当がアップする2つの要因について、それぞれ解説します。
株価が下落したとき
配当利回りは配当金を投資額で割るため、配当金額が同じであっても、分母である株価が下がると配当利回りは大きくなります。
割安で配当利回りの高い銘柄を購入できるチャンスではありますが、株価が下落するのには理由があるので、その理由について考える必要があります。
企業の財務状況や業績が不安視されているのであれば、将来的に減配の可能性もありますし、株価がさらに低下してしまう可能性もあるからです。
配当が増配したとき
配当利回りは配当金を投資額で割るため、分子である配当金が増加すると、配当利回りも高くなります。
配当金が増加することを増配といいますが、企業は増配することで業績の良さをアピールし、株主還元に力を入れているという意思表示をすることがあります。こういった企業の姿勢は株式市場から評価され人気が出て、株価が上昇する可能性があります。
株式投資の配当利回りの目安3つ
株式投資で、売買を繰り返してキャピタルゲインを得るのは大きな魅力ですが、高配当銘柄を長期保有して、安定的な利益を得るのもおすすめです。
日本の大企業の株式へ投資した場合のキャピタルゲインを含む運用利回りは、3%程度が相場といわれています。一般的には、株式投資の運用利回り目標は5%程度とすることが多いようです。
配当利回りの目安をさらに3つの視点でご紹介します。高配当株探しの参考として活用してください。
配当利回りの目安1:東証一部の配当利回り平均
東証一部上場企業のうち、配当を行っている企業の配当利回りの平均は2.00%です(2022年4月)。
東証一部上場企業の平均配当利回りが2.23%ですので、配当利回りが3%を超えている銘柄であれば、配当利回りのよい銘柄と考えてよいでしょう。
配当利回りの目安2:東証二部の配当利回り平均
東証二部上場企業のうち、配当を行っている企業の配当利回りの平均は1.79%です(2022年4月)。東証二部上場企業の平均利回りは、一部上場より低い水準となっています。
東証二部上場企業の配当利回りは、一部上場を上回る3%を超えていることを目安にするとよいでしょう。
配当利回りの目安3:定期預金と株式の利率比較
株式投資の配当利回りの目安を考えるのに、身近な定期預金の金利を比較するのも一つの方法といえます。
2023年8月時点の大手都市銀行の1年物のスーパー定期の金利は0.002%です。これは、100万円を1年預けたとしても、税引き前の金利は20円にしかなりません。
株式投資の目標利回りを5%とすると、100万円投資したときに得られる利益は税引き前で5万円になります。株式投資はリスクがありますが、定期預金よりはるかに高い利回りを期待できるのです。
株式投資の配当利回りの計算アプリとは
実際に銘柄探しをするときに便利なのが、配当利回りの計算アプリで、多くは無料で提供されています。
配当利回りを計算するアプリとはどのようなもので、利用することでどのようなメリットを得られるのか解説します。
アプリを利用するメリット
アプリを利用するメリットは、簡単に利回りを計算できることに加え、間違えずに算出できることの2つがあげられます。運用利回りのアプリであれば、購入株価、株数、配当金(1株あたり)、現在株価を入力すれば、アプリが運用利回りを計算し、結果を画面に表示してくれます。
複数の銘柄を続けて分析する場合、いちいち計算機を使うことなくアプリで簡単に計算できるのでおすすめです。
アプリの種類
利回り計算アプリは、単純に金利を算出するものと、複利計算ができるものがあります。配当利回りの計算をするのであれば、どちらを使っても問題ありません。使いやすいアプリを選んでみるのがよいでしょう。
高配当株の利回りにおけるリスク4つ
配当利回りに注目して株式投資を行うには、できるだけ高配当な銘柄に目がいってしまうかもしれませんが、高配当であるという理由だけで投資することにはリスクもあります。投資においては、メリットがあるということは、デメリットも避けられないものと考えるとよいでしょう。
高配当利回り株に投資する際に、気を付けておきたい4つのリスクについて解説します。
高配当株の利回りのリスク1:配当金以上の損失のリスク
株式投資で得られる利益には、配当金のほかに売却したときに得られるキャピタルゲインがありますが、株価が下がり、購入したときよりも安い値段で売却するとキャピタルゲインは得られず、損失がでます。
仮に、100万円で購入した株式から5%の配当利回りがあり、年間5万円の配当金を受け取ったとしても、株価が20%値下がりし80万円になってしまえば、配当以上の損失が出てしまうのです。
高配当の銘柄だとしても、値上がりが見込めない株式に投資するのはおすすめできません。
高配当株の利回りのリスク2:業績悪化による減配当
配当は企業の利益の一部を株主へ還元するものですが、どの程度を株主へ還元するかは企業の方針によって異なります。企業の中には、業績がいいからという理由ではなく、株主が株式を売却することを防ぐために、高配当にしているところもあります。
高配当の銘柄を安く購入できるということは、そもそもその株に人気がないとも考えられます。
つまり、業績悪化を見越して株式が売却されている可能性があるのです。将来的には減配ということも考えられるので、高配当株へ投資する際には、業績についてもしっかりチェックしましょう。
高配当株の利回りのリスク3:配当利回りが不確定
配当利回りの計算は、「1株あたりの年間配当金額÷1株購入価額×100」で算出しますので、配当金額の変化や株価の変動で、配当利回りも変化していきます。
1株あたりの年間配当が5円の株式を100円で購入した場合、年間の配当利回りは5%です。この株式を継続して保有したとして、翌年の配当が4円減配されると、配当利回りは4%に下がります。一方、株価は日々変更しますが、分母は売却しない限りは購入時の価格で大丈夫です。
高配当株の利回りのリスク4:複利運用によるマイナスリターン
配当投資における複利運用とは、受け取った配当金で株式を追加することにより、複利効果で資産を増やしていくことをいいます。
複利運用によるマイナスリターンはその反対で、受け取った配当金で株式を追加購入したものの、さらに株価が下がり、結果的に売却損が配当益を上回ってしまうことをいいます。
株式投資をする際には、配当利回りだけに注目するのではなく、将来的に売却するときのことを考え、売却損の出ないよう注意するとよいでしょう。
株式投資における配当利回りの計算方法をマスターしましょう
株式投資における配当利回りの計算は、配当によるインカムゲインに注目して投資を行う際には、必要不可欠なものです。
計算式は難しくありませんので、配当利回りを計算し、将来にわたってより高い利益を出せる企業を見つけていってください。
株式投資に関する記事を以下のリンク先にまとめていますので、興味がある方はご参照ください。
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