手付金の相場とは?ゼロ円で契約できない理由と注意点4つを紹介!
2020 10.21この記事はPRを含みます
手付金の相場とは?
「手付金」とは、不動産の買い主が売り主に対して売買契約時に支払う金銭のことです。手付金にも相場があり、SUUMOによると売買しようとしている不動産の10~12%相当となっています。
手付金は不動産業界で慣例的に行われていることであり、一般的には支払い時に手付金を売買費用の一部として充当します。もしも契約した後、買い主側が自己都合で契約解除を申し出たような場合には、この手付金は「違約金」として扱われることがあります。
手付金の相場と役割3つ
手付金に決まった額というのはありませんが、慣例的に売買代金の10~12%程度と紹介してきました。では、手付金にはどのような役割があるのか詳しく見ていきましょう。
手付金は不動産の売買契約締結時に買い主側から売り主に支払う金銭です。のちに不動産の売買費用の一部として充当できるのが一般的ですが、最初から売買代金の一部として渡したものではありません。
手付金の相場と役割1:証約手付
手付金の役割の1つは、不動産の売買取引が成立したことを証明するための「証約手付」です。買い主側が売り主に対して、自分がその不動産を購入する、という明確な意思表示として使われています。
ただ、証約手付としての手付金にするためには契約時にその旨を取り決め、記載しておく必要があるでしょう。とくに何も決めずにただ手付金を渡した場合には、基本的に解約手付のみの役割をもつ手付金として扱われます。
手付金の相場と役割2:解約手付
手付金はとくに何も取り決めていない場合、一般的には解約権をもつための「解約手付」として扱われています。買い主側、売り主側も手付金によって一方的に解約する権利を持っている、ということです。
例えば、買い主側ならすでに支払った手付金の権利を放棄することで「手付流し」として売買契約を解約できます。売り主側の場合は、支払われた手付金の倍額を支払う「手付倍返し」で売買契約を一方的に解約できます。
手付解除期日
「手付解除期日」というのは、解約手付として使えるのがいつまでか、ということを買い主と売り主が取り決めた期日のことです。この手付解除期日を過ぎたら、手付流しや手付倍返しで契約を解除できなくなります。つまりその後で気が変わっても、一方的な契約解除はできないのです。
買い主側、売り主側双方のスムーズな取引のために、手付解除期日を決めておくのがよいでしょう。
手付金の相場と役割3:違約手付
「違約手付」とは、買い主側売り主側のどちらもが何らかの理由で債務不履行になった、契約書通りに実行できなくなった時に相手に支払う違約金としての役割を持った手付金です。
買い主側の債務不履行であれば、手付金はそのまま違約金として売り主に没収されます。売り主側の債務不履行の場合は、相場に応じて支払われた手付金を買い主に返還した上で、同額の違約金を支払う必要があります。
手付金の相場と支払い方2つ
手付金の相場は不動産売却金額の10~12%程度と紹介しましたが、あくまでも相場であって、必ず10~12%という訳ではありません。場合によっては、相場の10~12%よりも高い15%程度を要求されることも考えられます。逆に相場よりも低く、5%程度である場合もあります。
不動産の手付金は売却価格ほどではありませんが、物件の価格が高ければ高額な相場になりやすいため、支払い方法について考えておきましょう。
手付金の相場と支払い方1:基本的に自己資金
手付金の支払方法ですが、基本的には自己資金にて支払うことになっています。
住宅ローンの本審査への申し込みは売買契約締結後です。住宅ローンを借りる予定になっているとしても、手付金については相場と取り決めに基づいて契約締結時に支払う必要があるため、自己資金で用意する必要があるのです。
購入したい物件を見つけたら、手付金の相場として売却額の10%~15%程度の自己資金は用意しておきましょう。
手付金の相場と支払い方2:フルローン
頭金なしでも不動産購入が行えるという「フルローン」ですが、フルローンであっても手付金の支払いは自己資金で行う必要があるため、注意してください。
なぜなら、住宅ローンと同じくフルローンであっても、融資は不動産売買締結後であるからです。契約締結時に支払われる手付金には、融資が間に合いません。資金が足りないならあらかじめ親族などから借りて相場の手付金を支払い、後にフルローンで返済する方法があります。
手付金の相場・目安2つ
手付金の相場についてとくに決まりはありませんが、相場の目安となるポイント2つについて紹介します。
まず手付金というのは不動産の売買において慣例的に行われていることであり、金額に明確な決まりといったものはないというポイントに注意すべきでしょう。そして多くの場合、売り主と買い主の話し合いによって手付金をいくらにするか決めます。
もしも手付金の相場が高く支払いが困難な場合は、売り主に相談するのも手でしょう。
手付金の相場・目安1:ゼロ円で契約は難しい
手付金に決まった額はないと解説してきましたが、だからといって相場よりもとんでもなく安く契約することはできないと考えておきましょう。
手付金を相場よりもずっと安くするということは、買う契約をした買い主側が、いつでも気軽に契約を解除してしまえるということです。売り主側にとってかなり不利な状況になるため、手付金ゼロ円といった契約を受け入れてくれる売り主はほとんどいないのではないでしょうか。
手付金の相場・目安3:売買代金の5%~20%程度
手付金の上限はありませんが、相場はある程度決まっており、不動産の売買代金の5%~20%となっています。手付金がいくらまでとは決まっていないにしても、買い主側と売り主側双方の利点を考えると、およそこの位の相場で落ち着くことが多いのでしょう。
ただし、あくまでも目安であるため必ずしもこの金額ではありません。安いケースもあれば、もっと高く要求されるケースもあります。多少は余裕をもって、資金を用意しておくと安心でしょう。
手付金の相場と注意点4つ
ここまで手付金の相場や目安について紹介してきましたが、いくつか気になるポイントはなかったでしょうか。手付金の相場には色々と気をつけておかなければならないポイントがあるため、ここから主に4つの注意点について紹介します。
ライバルが多いと考えられる場合の手付金はどうしたらよいのか、もし契約を締結した後で住宅ローンに落ちた時の手付金はどうなるのか、手付解除期日などについてです。
手付金の相場と注意点1:ライバルが多い物件は手付金が多い方が有利
手付金に決まった額はないとはいえ、もし購入したい物件のライバルが多いような場合には、手付金を多く設定していた方が買い主にとって有利になるでしょう。
手付金は自己資金で支払う必要があります。しかし、安ければ安いほど良い訳でもありません。相場よりも高い手付金を設定すれば、買い主が本気で購入する気がある、本気であることを売り主に理解してもらえやすくなります。ライバルが多いなら、手付金額を増やしましょう。
手付金の相場と注意点2:ローンが通らない場合は手付金は戻ってくる
住宅ローンの本審査は売買契約締結後に始まるため、場合によっては審査に通らないことがありますが、その場合は手付金は戻ってきます。正確には、「ローン特約(融資利用の特約)」をつけていれば手付金は返還されます。
住宅ローン審査が通らないというのは、買い主側の落ち度ではありません。そのためローン特約を付けて、審査に落ちた場合は手付金を返還するのが一般的です。しっかり契約書の内容をチェックしておきましょう。
手付金の相場と注意点3:手付解除期日は決めておく
買い主も売り主も、手付金の返還または手付金の倍額を支払うことでいつでも契約解除できる状態なので、それができなくなる日付「手付解除期日」を決めておきましょう。
これは売り主を保護するために重要です。もしも手付解除期日を決めていなかった場合、不動産の引き渡し直前でも買い主側から契約解除が可能になってしまいます。スムーズな不動産取引をするためにも、手付け解除期日を話し合って明記しておきましょう。
手付金の相場と注意点4:手付金は頭金や内金・申込証拠金ではない
最後に、手付金とよく混同されてしまいがちですが、手付金は「頭金」でも「内金」でも「申込証拠金」でもないことを覚えておきましょう。
手付金との違いについては、頭金・内金・申し込み証拠金それぞれで紹介します。手付金というのは、不動産の売買取引において契約した時に支払う、証拠手付・解約手付・違約手付といった役割を持つ金銭のことです。
頭金
頭金というのは、不動産の売買価格から住宅ローンで融資を受けられる額を引いた金額のことです。
手付金が売買契約締結時に支払われるのに対して、頭金は契約締結時から不動産の引き渡し日までに支払われる、という違いがあります。
内金
内金は売買契約締結した後で、不動産の購入代金の一部として買い主が売り主に渡す金銭のことを言います。内金は、最初から不動産購入代金の一部として渡すということと、渡す時期が契約後であるという点で手付金とは違います。
また、内金の金額についてはとくに相場などはありません。内金の金額は買い主側、売り主側双方の話し合いで決めることになるでしょう。
申込証拠金
「申込証拠金」は、購入したい物件を見つけた買い主が、契約締結前に売り主に対して購入の意思を示すために支払う金銭のことを言います。もし契約にいたらなかった場合には、売り主から買い主に返還されるお金です。
契約締結時に支払われ、証約手付や解約手付・違約手付といった役割をもつ手付金とは違う意味をもっています。
手付金の相場やルールを理解して購入準備を進めよう
ここまで手付金の役割と相場について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
手付金には買い主・売り主を守るために適切な相場がありますので、相場に見合う額をしっかりと用意してから不動産の購入準備を進めていきましょう。