マンション内覧会を充実させるために|必要な準備と7つのチェックポイント
2020 10.21この記事はPRを含みます
マンションの内覧会はなぜ重要?
新築のマンションの購入者は、引き渡しから一定期間、定められた事象について売主に無料で不具合を直してもらえる権利があります。これはアフターサービスと呼ばれるもので、そのために購入者は不具合を引き渡し後でも直してもらえると思われがちです。
しかし、後に気づいた施工不良は、無料で修理に対応してもらえなかったケースもあるようです。そのためには、マンションの内覧会時にしっかりチェックが必要です。
建設時の状態を把握して不具合を直してもらおう
新築のマンションを購入する際には、建築時の状態を把握することが重要です。そのチェックを行える貴重なチャンスといえるのがこの内覧会です。
もし引き渡し前に大きな傾きがないことを把握できていれば、施工不良ではないと安心できるでしょう。つまりマンションの建設時の状態をしっかり確認できるのがこの内覧会なので、不具合があれば指摘して直してもらいましょう。
不具合を直すのに有料になってしまうケース
マンションの内覧会において、しっかりと売主に不具合を指摘しておかないと、後々の修理時に有料となるケースがあります。ここではそのケースを3つのポイントに分けて見ていきます。
これらは、新築マンションの内覧会に参加する前にはおさえておきたい知識であるとともに、売主が対処するべき不具合をしっかりと直してもらうためにも、契約した建物は引き渡し前にしっかりチェックしておくことが必要です。
家具の設置後
例えば、新築マンションを売主から引き渡し後に、自分で設置した家具のあたりの床が非常に傾いていることに気づきとても心配になる場合があります。
急いで売主にこの事実を報告しても「床の沈みは家具の重みが原因です。特別、問題とはいえないので修理対象外」と回答される可能性があります。
もし内覧会において床が大きく傾いていないことを把握できていれば、家具の重みによるもので施工不良ではないと安心できるでしょう。
保証期間を過ぎた
ほとんどの新築マンションには3年などアフターサービス期間が設けられています。購入者はこの期間までに入居後の不具合を売主に提示して、そのアフターサービス規準書に書かれた保証期間内の連絡(通知)であれば、無料で直してもらえる可能性があります。
しかし、注意すべき点は、アフターサービスの対応期間で、これが期限切れの場合、売主への不具合通知とその修理対応は基本的に有料となる可能性が高いです。
建設時からの不具合と認められない
売主によるアフターサービス期間内の無償修理は、購入者が普段の日常生活において使用していたにも関わらず発生した「所有者に責任がない」不具合です。
売主から購入者の使用方法の不備を指摘されて、売主が「これは物件完成直後からの不具合とは認められない。つまり売主の過失は認められないので、アフターサービスの対象ではありません」と回答されてしまうケースがあります。
マンション内覧会当日の心構えと持ち物
それでは実際に新築マンションの内覧会当日においての心構えと、当日持参しておくべき持ち物について具体的に見ていきます。
特に、新築マンションの内覧会は大抵の購入者は初めての経験となります。そのため何も準備していないと細かなチェックができず、後悔する場合も多くあります。こうした失敗を未然に防ぎ、気持ちの余裕をもって内覧会に参加しましょう。
できるだけ長い時間をかけよう
マンションの内覧会では、所要時間を気にし過ぎてチェックが甘くなってしまうことがあります。気が済むまでチェックするように長い時間をかけるのが基本です。
内覧会によっては時間制限などを設けている場合もありますが、チェックのための目安としては部屋に2時間くらいいさせてもらえるよう、事前に売主に依頼しておくと余裕をもって、部屋のチェックをすることができます。
些細なことでも確認・質問しよう
マンションの内覧会でよくある失敗が、当日売主に遠慮し過ぎてしまい細かな質問ができないことです。例えば、ちょっとした傷が見えても許容範囲なのではと遠慮し、図面と違う場所に気づいても売主に指摘をためらう方もいます。
しかし、疑問を抱いたまま内覧会を終えることはしてはいけません。そのままモヤモヤとした気持ちで入居することにならないようにしましょう。どんな些細なことでも内覧会で質問して確認するようにしてください。
内覧会当日の持ち物
マンションの内覧会にける持ち物を紹介します。
(1)間取り図の写し(間取りやコンセントの位置など確認します。)
(2)水平器(床や壁、棚等の水平垂直精度を確認します。)
(3)デジカメやビデオ(指摘個所を記録するため)
(4)メジャー(家具やカーテンなどの採寸に利用するため)
(5)スリッパ(靴下の汚れ防止のため)
(6)懐中電灯・ライト(戸棚の中や部屋の隅、床下や天井裏のチェックのため)
新築マンションで絶対に見るべきチェックポイント7つ
マンションの内覧会に参加するために、事前準備が整ったところで、当日におけるチェックポイントを7つに分けて見ていきます。
冬の内覧会などは、かなり部屋が冷え込んでいることがあります。室温に合わせ調整できる服装をし、フローリングが冷たく足元から冷えてしまうこともあります。底が厚いスリッパや厚手の靴下で準備万端にしましょう。
ポイント1:床は水平か・壁は垂直か
マンションの内覧会で最初に確認したいポイントは、床が水平か、壁が垂直かという基本的な精度をチェックです。そのために持参した水平器を使用します。精度が若干弱いので一ヵ所だけでなく何ヵ所かで確認してみることが大切です。
具体的には、壁に水平器をあてます。そして垂直かどうかのチェックをしてみることをおすすめします。計測すると「水平」か「傾いている」かのどちらかが確認できます。
ポイント2:設計図・間取り図と相違ないか
次にマンションの内覧会チェックすべきポイントは、間取り図や設計図面と実際の部屋との相違点です。これには間取り図をもとにひとつずつ確認していきます。特にコンセントの位置がずれていないか、個数は違っていないかなど図面との違いについて細かくチェックしましょう。
チェックの作業は、終わったところにマーカーなどでしるしをつけながら行うと、チェックがスムーズにおこなうことができるのでおすすめです。
ポイント3:ドアの開閉はスムーズか
次に紹介するポイントは、建具や水栓などの見た目だけでは分からない部分の動作確認です。まずは室内ドアや収納扉、窓を開けたり閉めたりを何度か繰り返します。この時、開閉時がスムーズでなければ建付けが悪い証拠です。
さらに収納の扉も、何度か開閉をしてチェックする必要があります。音の大きさや、軋み、ゆがみなども同時に見るとよいでしょう。水回りは台所、キッチン、トイレ、浴室など漏らさず確認することをおすすめします。
ポイント4:施錠に問題はないか
マンションの内覧会においては、施錠に関するチェックも必須ポイントです。玄関の施錠はもちろんのこと、部屋ごとに施錠できるマンションであれば、その1つ1つがしっかり施錠されるか実際に確認しましょう。
特に、玄関の施錠は実際に鍵を差し込んでスムーズに開閉できるか、異常音など無いかなどを入念にチェックし、入居後のトラブルのリスクを無くしましょう。
ポイント5:排水の異常・水漏れはないか
新築マンションにおける内覧会において、水回りのチェック方法を見ていきます。まずは実際に水を出して確認することが大切です。
浴室では、実際に浴槽に水を溜めて、排水をしてみましょう。水がしっかりと貯まるか、そして流れるかは最低限確認するべきポイントです。
また浴室だけでなく、台所や洗面の水についても同様の確認が必要です。水の出る勢いと排水をしっかり見てみましょう。
ポイント6:照明や換気・電気設備は正常か
さらに押さえたいチェックポイントは照明や換気などの電気設備の動作です。内覧会では実際に換気扇や換気システムや電気設備のスイッチなどを入れ、動作状態をチェックしてみましょう。
ただ、台所や浴室の周辺設備については、住み始めてからでないと分からないことも多く、実際にそれで不具合が発覚することもあります。内覧や下見では見つけようがない不具合は、念の為、アフターサービスの無償対象になるかなどの確認をしておきましょう。
ポイント7:壁や床に傷・クロスの破れやほつれはないか
新築マンションの内覧会においてチェックすべき最後の点としては壁や床に関するチェックです。壁のクロスは近くまで寄ってじっくり確認しましょう。特に大事なのが、クロスとクロスの継ぎ目です。剥がれている箇所や隙間がないかを確認します。
また、トイレや洗面室などの水回りのクロスは、湿気が原因となり時間の経過とともに剥がれが大きくなるので特に重点的にチェックしましょう。
オーナーとして多様な目線でチェックしよう
マンションは購入した部屋以上に、共用部分の状態が資産性に大きく影響します。よって内覧会においては、オーナーとしてマンション全体を多様な目線でチェックすることが重要です。
そのためには、ロビーや廊下、ごみ置き場などの共用部のチェック方法など内覧会で見落としがちなチェックポイントを紹介します。
共用スペースは出入りや利用者が多い
購入した部屋を専有部分と呼ぶ一方で、それ以外の用途の場所や設備を共用部分といいます。具体的にはエントランス、ロビー、集合ポスト、廊下、階段、自転車置場、車庫などです。これらの共用部には、マンションの住人の他に、外部からも様々な利用者があります。
新築のマンション内覧会の際には、使用方法について売主より説明がありますので、その際に壁のひび割れや汚れ、設備の劣化など不自然な点をチェックしましょう。
荷物の搬入の邪魔になるものはないか
マンションのオーナーとしては、普段の荷物の搬入時などの動線チェックもこの内覧会でチェックしたいところです。特にマンションの住人が荷物の搬入時に邪魔になるものが無いかをチェックしましょう。
住人のマンション内の動線を確保するうえで、明らかに邪魔になるものや不自然な設備の設置などは内覧会においてしっかりとチェックし、おかしなところがある場合はすぐに売主に報告しましょう。
防音は十分か・音が響く場所はないか
さらにマンションのオーナーとしては、防音についても内覧会時にチェックすべき重要な点です。マンションは共同住宅ですので隣人の生活音など、防音は重要なポイントです。
当初、売り主から説明があったマンションの防音設備や実際の防音効果について、しっかりと確認し、入居後の騒音トラブルを回避しましょう。
売主や施工会社の立ち合いがないケース
新築マンションの内覧会においては、売主や施工会社の立ち合いがないケースもあります。その際は、不備箇所があった場合は後に売主などに確認をすることになりますので、その手続きについては事前にしっかり確認する必要があります。
ここでは特に注意したいポイントについて内覧会当日からその後の対応など、具体的な項目を見ていきます。
渡されたチェックシートを使用する
新築マンションの内覧会においては、売主や施工会社の立ち合いがないケースでは、内覧会の当日に売主などからチェックシートを渡される場合が多くあります。
こうした際には、通常の内覧会同様にしっかりとマンションの部屋をチェックリストに基づきチェックしますが、重要なのは、チェックリストに無い項目でもおかしなところや疑問をしっかりと記録することです。売主のチェックリストに頼りきらないようにしましょう。
随時質問ができないため注意
内覧会においては、売主や施工会社の立ち合いがないケースでは、随時質問や確認ができません。こうした状況の中で重要なのは、チェックの内容をしっかり写真や動画などで記録することです。
また常時メモがとれるようにしておくのもいいでしょう。これは紙とペンでもいいのですが、スマートフォンのメモ帳機能を使っても良いでしょう。
こうした記録を後の売主との交渉において提示し、不備があればしっかりと補修してもらいましょう。
内覧会立ち合いのプロや第三者に同行してもらおう
マンションの購入を初めてする方は当然ですが、慣れている方でも内覧会だけで全ての不備を見つけることは困難です。こうした場合に、建築士などの専門家に同行してもらう内覧会・立会い同行サービスを利用するのも手段の一つです。
目立つ汚れや傷だけではなく、水回りの水漏れチェックや、床の浮きなどについても、補修が必要かなど、素人には分かりづらい不備を見つけ、正しい判断をしてくれます。
売主・施工会社に事前に確認しよう
こうしたプロの立ち合いを実施する場合は、トラブルとならないために、内覧会の事前に売主や施工主に確認しておきます。こうした事前確認でよりスムーズで安心できる内覧会を実施することができます。
これは、これまで述べてきた事前の持ち物や準備と同じように、欠かすことのできない事前の確認の一つです。内覧会の成功となるためには非常に重要なので忘れずに行いましょう。
準備と情報収集をしっかりして挑むことが重要
新築マンションの内覧会は、購入者にとっては非常にワクワクするイベントです。しかし一方で売主との契約に基づくマンションがしっかりと施工されて引き渡されるかというチェックをする重要な場面でもあります。
そのためには、入念な事前準備と情報収集を行い内覧会当日にしっかりとしたチェックができる体制を整えて、ぜひこの内覧会を成功させましょう。