地代とは?地代の相場算出法9選と計算が難しいケースをご紹介!
2020 10.21この記事はPRを含みます
地代とは?
地代とは、土地を借りた人が、その土地の所有者に支払う借地料です。地代は毎月、地主に支払う必要があります。
土地を持たない人は地代を払うことにより、その土地に家を建て住むことができます。
地代を支払うことで得られる借地権3つ
土地の所有者に地代を支払うことで借地権という権利が認められます。借地権は、もともと借地法によって定められていましたが、平成4年8月1日に借地借家法が制定されました。
借地権ができた理由はとしては借地人と地主とのトラブルが増え裁判にもち持ち込まれる事例が頻発した為に、法律で取り決めることになったからといわれています。
なお、新借地法が適用されるか、旧借地法が適用されるかは、土地を借り始めた時期により異なります。
借地権1:普通借地権
1つ目の借地権は普通借地権です。平成4年8月1日に施行された借地借家法で改正された借地権です。この普通借地権の内容は地主側に、土地を返してもらう正当の事由がなければ、借地人が望む限り自動的に借地契約は更新されるというものです。
借地権の存続期間は最初は30年、2回目は20年、以降は10年です。また借地人は契約終了後に地主に建物の買取を請求できることになっています。
借地権2:定期借地権
借地権2つ目は、定期借地権です。平成4年8月1日に施行された借地借家法の借地権の一つです。定期借地権とは契約時に定められた契約期間で、借地関係は終了し、その後の更新はありません。
この定期借地権には3つのタイプがあり、1つ目は一般定期借地権です。これは、借地期間50年以上、契約終了後、更地にして返還しなければなりません。2つ目は。建物譲渡特約付借地権です。これは30年以上経過した時点で土地の所有者が建物を買い取る条件のものです。
3つ目は、事業用借地権です。期間は10年から50年以下とし事業用建物を建築し、利用することです。居住用の住宅は建てられません。
借地権3:旧借地権
借地権3つ目は旧借地権です。改正される前の借地法による借地権の事です。これは借地契約を続けることで、場合によっては永久的に借りられるという特徴があります。
存続期間の定めがない場合、建物が老朽化し朽廃すれば借地権が消滅しますが、期間の定めがある場合は建物がなくなってしまっても借地権が消えません。借地人に対し有利な権利関係になっています。
地代相場の計算方法9選
ここからは地代の相場とその計算方法について説明していきます。相場の計算方法として9つ挙げていますが、新規で借地契約を結ぶ場合の相場と、地代を改定するときの相場では、計算方法に違いがあります。
新規で借地契約の場合は積算法、賃貸事例、収益分析法があげられます。地代改定の場合は差額配分法、利回り算出法、スライド法、賃貸事例があげられます。そのほかに公租公課倍率法、路線価算出法があります。
相場計算方法1:積算法
積算法は地代相場計算の中でよく使われる方法です。具体的には、更地価格(路線価×面積)×期待利回り+必要経費で求めます。
期待利回りは正確な算出が難しい為、現在は2%としているのが一般的です。必要経費は、固定資産税や都市計画税などの公租公課。火災保険などの保険料、維持管理費、減価償却費などです。
相場計算方法2:差額配分法
差額分配法とは契約時点の地代と現在の適正な地代との差額を算出し、さらにその契約の内容や経緯などを考慮し、その差額の内、地価の変動に伴う地代の変動部分を貸主、借主で配分する貸主の部分を算出し、地代に加減算して求める方法です。
配分率については具体的には3分の1や2分の1、3分の2が理論的であるとされています。これは借地契約が非常に長い為、契約時に設定した地代が現在の適正な地代になっていないことがあるからです。
相場計算方法3:収益分析法
収益分析法とは、一般の企業経営に基づく総収益を分析し、対象となる不動産が一定期間に生み出すであろうと期待できる純収益を求め、これに必要な諸経費を加算して地代を求める方法です。
ただし企業の経営内容によって売り上げが大きく異なることがあり、不動産がどれだけ収益に貢献したのか算出が難しい側面があります。
相場計算方法4:スライド法
スライド法は現時点で合意した地代に変動率をかけて、その金額に価格判定基準日における必要経費を足して、地代を求める方法です。
変動率は物価、地価、所得水準のほか消費者物価指数なども考慮されます。
相場計算方法5:公租公課倍率法
公租公課倍率法とは、固定資産税と都市計画税の合計額の一定倍率に基づいて、地代を算出する方法です。自宅を建てる場合の倍率は2~3倍といわれています。
この計算方法は簡単ですが、税の軽減や対象の建物の広さなどで税金の額が変わる場合があります。
相場計算方法6:利回りから算出
利回りから算出する方法は利回り法と言い、更地価格に、継続賃料利回りをかけて、その金額に必要経費を足して、地代を算出する方法です。
実際には更地価格の変動の大きさや、近隣の取引実績を考慮するなどして、総合的に算出します。
相場計算方法7:路線価から算出
路線価から算出する方法は路線価から更地価格を計算し、算出する方法です。路線価を基準とした更地価格は、路線価の8割が目安になっていて、地代は更地価格のおよそ1.3~3%となっています。
地代の相場に幅があるのは、地域によって路線価の割合に幅があるためです。
相場計算方法8:周辺の借地料や更地価格から算出
地代相場の計算方法として、周辺の借地料や更地価格から算出する方法があります。これは、路線価から地代の相場を算出する方法と同じですが、相違点とすれば周辺の借地料を参考にすることです。
周辺の借地料の相場を知ることにより、実勢に見合った地代が算出できるからです。
相場計算方法9:賃貸事例など査定サイトから算出
地代相場の計算方法として賃貸事例などを利用して、算出する方法があります。これを賃貸事例比較法と言います。固定資産税や、更地価格を基準に決めてしまうと、周辺の借地と比べ借地料に大きな差が出てしまう場合があります。
なるべく周囲の似ている条件の借地料を、なるべく多く調べましょう。多くの事例を知ることにより、的確な相場を知ることができます。
地代相場の計算が難しいケース
ここまで地代相場の計算方法について説明してきました。上記の9つの地代相場の計算でも、すんなりと地代を算出するのは手間がかかります。
それ以上に相場の算出が難しいケースがあります。土地を様々な形状で所有しているケースの場合です。複雑な場合はどうしたらいいのか説明します。
形状が複雑
土地の形状は多岐にわたり、その土地周囲の道路の接し方も一様ではなく更地価格を元に地代を算出する場合は専門家に依頼して適正な更地価格を調査してもらいましょう。
更地価格を目安に地代を算出するのは、路線価を基に相場を加味して計算するので信頼性が高い方法ですが、先述した通り土地の形状はいろいろありますので、周辺に似たケースがあれば参考に出来ます。
地代の相場を理解しよう
土地を貸す側と借りる側との間には借地権が存在し両者の付き合いは長期間続きます。貸す側にとっては安定的な収入が長期にわたり期待できます。
相場をよく把握せず安い賃料で貸してしまうと長期にわたり損をしてしまうことになります。そのため地代の相場を計算する方法は、一つだけではないので複数の方法で、地代を算出し相応の金額かチェックが必要です。