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三為業者の問題点5つと悪徳三為業者に騙されない為のポイント2つ

2020 06.4この記事はPRを含みます

三為業者とは

不動産投資を考えている方なら、「三為業者(さんためぎょうしゃ)」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

「三為業者」とは簡単に説明すれば不動産における「転売」を行っている不動産会社となります。

三為業者は怪しいの?

不動産における転売業者というととても怪しく聞こえます。実際、三為業者は悪徳業者として知られてもいますが、本当にそれだけなのでしょうか。

不動産会社が買い取りをして、その後個人に販売するような場合には、名義変更を2度する必要がありますが、三為業者はこれを1度で済ますメリットがある「新中間省略登記(第三者の為にする契約)」を行う不動産会社です。よって法律的にも、特に問題はありません。

三為業者の問題点5つ

適切に行われていれば問題ない三為業者ですが、問題なのはそれを悪用する人たちがいること、三為業者のことを知らなければ損をするケースがあることの2つでしょう。

とくに、不動産投資の初心者が悪徳な三為業者に騙されてしまうケースが多いため、三為業者そのものが悪徳だといったイメージが強くなってしまっています。

三為業者の問題点1:売主側は安く買われてしまう

三為業者の問題点としては、三為業者が転売で利益を出す不動産会社であることから、買うときは安く、売るときは高く売るため、売り主にとって不当なほど安く買われてしまうケースがあります。

売り主からの売り値を安くできれば、それだけ三為業者側の利益が増える仕組みになっているのです。そのため、三為業者に物件を安く買いたたかれた、というオーナーも現れます。

三為業者の問題点2:売却額は買主に明確にならない

三為業者に安く買いたたかれた物件は、三為業者のための利益を加算されて買い主に販売されることになりますが、このときもともとの売却額が買い主に示されることはないでしょう。

もともとの売却額を教えてしまえば、三為業者がいかに利益を上乗せしているか買い主側に筒抜けになってしまいます。きちんと不動産相場をチェックしている人なら気づくことができますが、そうでなければ高い金額で買わされてしまう問題があります。

三為業者の問題点3:業者利益が物件価格に上乗せされる

三為業者は不動産を転売して利益を得ている不動産会社です。そのため三為業者の利益がそのまま物件価格に上乗せされるので、売り主も買い主も大なり小なり損をすることになります。

なにしろ、普通に売り主と買い主が取引をしていれば、三為業者が上乗せした利益は発生しません。その分売り主は高く売ることができ、買い主は安く買えるはずでした。三為業者を通した売買取引には、利益が上乗せされているという問題点があります。

三為業者の問題点4:買い急がせる

三為業者に限らないのですが、悪徳業者の中には買い主に買い急がせる人たちが少なからずいる、というのも問題でしょう。

買い急がせるというのはどういうことかというと、「この物件は人気で他に購入を検討している人がいます」「〇中には契約が決まるのでそれまでに決めないと買えません」といったように、早く買わないと損だと買い手を急かせることで熟慮する時間を与えない売り方です。

三為業者の問題点5:高金利の融資利用を勧める

三為業者側としては早く物件を売りたいうえ、買い手が不動産相場を調べては困るということで、決済が早めの高金利の融資利用を勧めてくるという問題点もあります。

高金利の融資は決済こそ早めですむとはいえ、高い金利で支払い額が増える買い手側の都合をまったく考えていません。そこには、一方的に早めに物件を高く売りたいという三為業者側の都合のみがある、というのが問題でしょう。

なぜここまで三為業者の印象が悪いのか

三為業者の行う「新中間省略登記」は法律的にも問題なく、第三者の為の契約なのでデメリットだけとは限りません。しかし三為業者というと悪徳業者としてかなり印象が悪いのが現実です。

ここからはどうして三為業者の印象が悪化してしまったのか、その要因となった出来事について紹介いたします。

「かぼちゃの馬車」不動産投資問題とは

三為業者がよく使っていた「スルガ銀行」という金融機関は当時、審査基準がかなり易しいと言われていて、このスルガ銀行が融資していた「かぼちゃの馬車」が有名です。

「かぼちゃの馬車(スマートデイズ)」は女性用シェアハウスを運営するというビジネスモデルで、サブリース契約があることで人気の不動産投資だったのですが、経営破綻した結果、多くのサラリーマン不動産投資家が破産し、負債を背負う羽目になったと言われています。

概要:物件価格は相場よりも高く設定した

かぼちゃの馬車の問題として、本来の物件の価格よりも高い相場の価格をつけて物件販売をしていた、というものがあります。

というのも、かぼちゃの馬車を運営していた株式会社スマートデイズは、この売却益で利益を得ていたと考えられるからです。入居者への賃料は安いけども、サブリース賃料は高く設定していたため、物件価格の利益でマイナス分を相殺させる自転車操業スタイルだったのです。

概要:相場家賃より高い家賃で設定されていた

かぼちゃの馬車の経営破綻では、オーナーが受け取ることのできる家賃を相場よりも高く設定していたことも問題です。

相場よりも高い家賃をそのまま収入にできると考えていたオーナーが多かったが、この家賃と実際の家賃は違うといった虚偽記載問題がありました。しかし、オーナー側にはサブリース賃料が支払われていたため、問題の発覚は遅れました。

概要:募集の虚偽記載

かぼちゃの馬車では、オーナー募集の際の虚偽記載をはじめ、日銀に対してスルガ銀行が虚偽報告を行うなども横行していたことで有名です。

募集の虚偽記載とは、募集している家賃よりも実際にはもっと低い家賃だったということです。募集時の家賃ならローン返済に余裕があっても、実際の家賃では赤字になるというケースが多かったようです。

概要:ニーズを無視した間取り

かぼちゃの馬車には、そもそもシェアハウスのニーズはそんなに高くないことや、シェアハウスでありながら共有の部屋がないなど、入居者のニーズを無視した間取りにも問題があるとされています。

実際のところ、家族以外との共同生活を望む人はそう多くありません。また、かぼちゃの馬車の場合は入居者の占有スペースも5畳以下というかなり狭い間取りになっており、こちらもまた入居者のニーズにそぐわない間取りです。

概要:融資銀行がスルガ銀行のみ

かぼちゃの馬車で融資してくれる金融機関はスルガ銀行のみでしたが、かぼちゃの馬車に絡んではスルガ銀行にも多くの問題があったことが知られています。

他の金融機関では融資を受けられないような物件であっても、当時のスルガ銀行なら受けることができていたという問題です。当時、スルガ銀行は不動産への融資を積極的に行っており、審査が他よりも容易だったと言われていました。

悪徳な三為業者に騙されない為のポイント2つ

悪徳な三為業者については問題視されている面が多いため、騙されないために気をつけておきたいポイントは2つあります。

三為業者に騙されるのは、圧倒的に不動産投資の初心者であると言われています。不動産投資セミナーなどに参加した際に、そのような悪徳三為業者が近づいてくることはありますので、注意しておきましょう。

騙されない為のポイント1:相場観を養う

悪徳三為業者に騙されないためのポイントとして、まずは不動産投資をする本人がしっかりと不動産の相場を把握して相場観を養っておくことが大切です。

三為業者は通常、安く買った物件に自分の利益を足した上で売却価格として提示してきます。しっかりと不動産の相場観を持っていたなら、相場よりも高くなっている三為業者の物件価格に気づくことができるでしょう。土地総合情報システムなどで実際の取引価格を調べてみてください。

騙されない為のポイント2:目利き力を鍛える

不動産を購入する際には、物件の周辺地域についてや物件の構造がどうなっているのかなどの目利き力を鍛えることも大事です。

三為業者からであろうと普通の不動産会社からであろうと、不動産の購入にあたっては物件について詳しく知っておき、その物件が本当に収益を生むのか目利き力を鍛えておきましょう。

よく知らないけれど、不動産会社が言うことだから信頼できるといった考え方は危険です。自分で判断しましょう。

三為業者にメリットはある?

これまではデメリットを大きく紹介しましたが、三為業者を利用するにあたってメリットも存在します。

ただ悪徳な三為業者がいることは確かなので、確実にメリットを得られるように確認しておくこと、悪徳業者には引っかからないことが大事でしょう。

三為業者のメリット5つ

三為業者を利用することのメリットは、主に5つほどありますので紹介いたします。

「新中間省略登記(第三者の為にする契約)」は上手く利用することができれば、名義変更の手続きの手間や費用を減らすことができる契約です。きちんとメリットが得られるように活用していきましょう。

三為業者のメリット1:購入から2年以内は瑕疵担保責任を追求が可能

三為業者を利用することのメリットとして何かしらの問題があった場合には「購入から2年以内は三為業者に瑕疵担保責任」を請求できる点があります。

通常の不動産売買では、一般の売り主からの購入では契約時に瑕疵担保責任が免除されているケースが多いです。しかし三為業者との取引では相手は不動産会社なので、瑕疵担保責任を追及することが可能になるのです。

三為業者のメリット2:提携金融機関での融資付けが多い

三為業者との取引では提携金融機関での融資付けが多いため、すでに不動産の資産鑑定が終えていたり融資を受けやすくなったりするメリットがあります。

不動産投資に慣れていなくても、金融機関を訪れてのローン申し込みなどを行ってくれるので手間がかかりません。

三為業者のメリット3:フルローンやオーバーローンが期待できる

三為業者との取引では業者が物件価格を決めているため、不動産取引に関わる金額全てをフルローンで融資してもらうことや、登記費用などの諸費用をプラスして融資してもらうオーバーローンなどの利用も可能になることがあります。

自己資金があまり用意できなかったという方や、不動産投資での諸費用が思ったよりかかってしまったような場合でも対応可能になるでしょう。

三為業者のメリット4:利益が乗っても割安で購入できる

三為業者は安く買って高く売ることで利益を得ていると紹介しましたが、安く買われた物件の場合は、三為業者側の利益が乗ったとしても通常の相場よりも割安で購入できるというケースもあります。

三為業者の取り扱う物件が、全て割高な訳ではありません。割安な物件を見つけたら検討してみましょう。

三為業者のメリット5:リフォームなどの手間が省ける

リフォームが必要な場合は三為業者が対応してくれているので、売り手や買い手が気にする必要はなくなります。

また三為業者は多数のリフォームを行っており、一般に行うよりも安くリフォームを行える、というお得な面もあります。

三為業者は悪質な会社も多いので注意しよう

三為業者は決して悪徳業者ばかりという訳ではなく、利用することでメリットになる場合もある不動産会社です。大事なことは、相場を知って目利き力を養っておく事、相手の言い分を鵜呑みにしないことです。

悪徳業者も多いので注意する必要はありますが、メリットや注意点を押さえてお得に利用しましょう。

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