不動産を入札する方法5選|競争入札するメリット・デメリットや売却の流れを解説
2023 10.20この記事はPRを含みます
不動産とは
「不動産」とは、簡単に言えば土地の上に建っている建物や建築されている構造物のことを言います。
土地に付随している物として、簡単に動かせない財産が不動産ということになります。また動かせる財産でも、所有に登記が必要なものは不動産となっています。
不動産に対して、「動産」があります。動産とはいわゆる簡単に動かすことのできる財産で、代表的なものとして現金があります。
不動産を入札する方法5選
不動産を売却する方法の1つに、「入札(にゅうさつ)」があります。基本的な入札は買取希望者が集まって、その中で最も有利な条件をつけた者が落札するという形になっています。
不動産の入札方法には「一般競争入札」「公募型競争入札」「指名競争入札」「オープンカウンター」「希望性指名競争入札」の5つがあります。それぞれについて解説しますので、見ていきましょう。
不動産を入札する方法1:一般競争入札
「一般競争入札(PFI)」は文字通りもっとも一般的で、もっとも案件の多い入札です。不動産会社が入札対象となる不動産の情報を公示して買取希望者を集め、もっとも有利な条件をつけた者が契約者になれるという仕組みになっています。
売り手にとっては、一般競争入札で不動産を高く売るチャンスがあります。入札に参加する側にとってもとくに条件がなく不特定多数が参加可能なため、参加のハードルが低い入札となります。
不動産を入札する方法2:公募型競争入札
「公募型競争入札」はあらかじめ参加者に対して資格や条件を設け、条件を満たした参加者のみが参加できる入札形式のことです。
定められた資格や条件を満たしている上に、審査に通る必要があります。審査に通った希望者には「指名通知書」が届いて、入札に参加できるようになります。売り手にとっては最初から条件を付けることで参加者を絞れますが、買い手側は参加したくてもできない場合があります。
不動産を入札する方法3:指名競争入札
「指名競争契約」はあらかじめ参加できる参加者を指名して、その中からもっともよい条件を示した者が契約者になるという入札方法です。
最初から入札への参加者が少なくなることが特徴でしょう。指名競争入札はあまり一般的な入札方法ではありませんが、買取希望者に求める条件が厳しい場合、何かしら理由があって一般競争入札に出せないような不動産の場合に選択されることがあります。
不動産を入札する方法4:オープンカウンター
「オープンカウンター」は「見積もり」とも呼ばれています。条件が提示されて、買い手からその条件に沿った見積もり書を提出してもらい、もっとも有利な条件の者を契約者とするのがオープンカウンターです。
一般競争入札では公示して説明会をしますが、オープンカウンターでは説明会をしません。案件の公示日から応札日までが短めなこと、見積もりを提出するのに条件がつく場合がある、という特徴があります。
不動産を入札する方法5:希望制指名競争入札
「希望制指名競争入札」は入札への参加を希望している参加者を募り、その中から必要資料を提出してもらい、審査に通った者が入札に参加できる形となっています。
入札してくる者に対して高い条件をつけたい場合に、向いている入札です。入札参加希望者にとってはそもそも指名されなければならず、その上に審査を受けて通らなければならないというかなりハードルの高い入札となっています。
競争入札による不動産売却の流れ3つ
不動産売却の入札では一般競争入札が主流となっていますので、競争入札の流れについて解説します。いくらで売却できるかは分からないものの、高く売れる可能性がある入札となっています。
まずは不動産会社との打ち合わせに始まり、公示して買取希望者を見つけ、実際に落札されて取引する流れとなります。細かく見ていきましょう。
競争入札による不動産売却の流れ1:不動産会社との打ち合わせ
不動産を競争入札で売却したい場合、まず探さなければならないのは落札する買取希望者との間に入ってくれる不動産会社です。できるだけ競争入札の経験がある、慣れている不動産会社を見つけましょう。
不動産会社が見つかったら、売却価格について打ち合わせます。打ち合わせで大切なのは、不動産の最低売却価格をいくらにするのか査定して決めることです。最低売却価格は高い方がよいのですが、売れない可能性もでてきてしまいます。
競争入札による不動産売却の流れ2:入札を希望する人を募集する
不動産会社と話し合って最低売却価格を決めた後は、入札を希望する買取希望者を不動産会社が募集してくれます。
不動産会社が入札情報サイトに不動産の情報を載せてくれたり、提携先に情報を流してくれたりして物件と希望が合う買取希望者を募集します。個人で競争入札するのが難しい理由は、ここにあるでしょう。不動産を探している人に、しっかり情報を届ける必要があります。
競争入札による不動産売却の流れ3:落札
不動産の買取を希望した人から「入札参加申込書」を提出してもらい、不動産会社と決めた最低売却価格を上回っていて、なおかつ最高金額をつけた人に不動産が落札されます。
もし最低売却価格以上の入札がなかった場合は、希望すれば後日再び入札してもらうことも可能でしょう。
競争入札参加申込み時に必要なもの
競争入札参加申込み時には入札参加申込書・委任状(入札申込者以外の場合)・印鑑・本人確認書類(運転免許証や健康保険証)・筆記用具などが必要です。
入札できるのは1回です。入札参加申込書に最低売却価格以上の額を書いて記名・捺印し、封書に入れて提出します。この時、入札額の5%以上の現金または小切手が必要になる場合もありますので、何が必要なのか確認しておくことをおすすめします。
競争入札するメリット3つ
不動産を競争入札で売却することには、不動産をより高額で売却できる可能性があること、落札さえされればそのまま売却できる可能性が高いということ、買取価格に対して落札者からの不満が生まれにくいといったメリットがあります。
これらのメリットを受けたいと考えている方には、競争入札での売却がおすすめです。不動産会社にお任せしてしまえば、手続きに関しても不安はないでしょう。
競争入札のメリット1:落札後は高確率で売却できる
競争入札のメリットとして、入札して落札された場合はその後高確率で売却できるため、突然契約が解除され売却話が立ち消えになるといった心配は少ないでしょう。
不動産の競争入札の参加者は個人よりも業者の方が多いため、個人と契約した場合に起こりうる住宅ローン審査落ちによる契約解除は起こりにくくなっています。いったん契約を結んでしまえば、そのまま売却できる可能性が高いでしょう。
競争入札のメリット2:高額で売却できる可能性が高い
競争入札による売却では、最低売却価格以上でさらに他のライバル以上の価格をつけないと契約できないため、一般的には普通に売るよりも高額で売却できる可能性が高いメリットがあります。
とくに人気が高いと思われる不動産には、有効でしょう。たくさんの人が入札希望してくれば、必然的に入札価格は高くなる傾向にあります。必ずそうなるという訳ではありませんが、普通に売るより高く売れる可能性がある、という点が魅力です。
競争入札のメリット3:値段への不満がうまれにくい
不動産の売却価格に納得がいかないということがありますが、競争入札なら多くの入札参加者から不動産価格が提示されるため、売り手側はより売却価格に納得して売りやすいメリットがあります。
不動産の査定額が低すぎる、と感じていたとしても、実際に入札して同じような価格でしか希望者がいなかったら、それが不動産の適正価格なのだと納得するしかないでしょう。
競争入札のデメリット3つ
不動産をより高く売れる可能性がある競争入札ですが、メリットしかない、という訳ではありません。高く売れるならと競争入札を選ぶ前に、どんなデメリットがあるのか知っておきましょう。
不動産会社に競争入札を相談してもあまり良い返事を得られなかった場合は、これらのデメリットを危惧している可能性があります。
競争入札のデメリット1:相場より安価になる場合がある
競争入札では最低売却価格を相場より安価に設定する場合があり、入札希望者があまりいなかった場合はその相場よりも安価な価格のまま売却が決定してしまう可能性があります。
競争入札は確かに高く売れる可能性はあるのですが、それは高額で入札する希望者が多い場合に限られます。もし人気のない物件であれば、むしろ相場よりも安く売る羽目になる場合もあるでしょう。
競争入札のデメリット2:多くの人の目につきにくい
競争入札では入札物件として情報を出すために、とくに個人の購入希望者の目にはとまりにくいデメリットがあります。
不動産を売却する上では、売却情報が多くの人の目についた方が買取希望者が増えるメリットがあります。しかし競争入札の場合、入札してまで購入しようとする人は限られてしまうために、結果的に広く希望者を募ることには向いていません。
競争入札のデメリット3:売却できない場合もある
競争入札で売却する場合、当然ながら入札してくれる買取希望者がいなければなりません。希望者がいなければ、いくら競争入札に出しても売却できない場合があるというデメリットがあるでしょう。あまり人気のない不動産の競争入札は、おすすめできません。
また普通に売却に出すのと違い、競争入札の場合は売却期間が入札を受け付けている期間に限られている、という点もデメリットになるでしょう。
不動産売却を競争入札で活用しよう!
競争入札は不動産が相場よりも高く売れたり確実に売れたりするメリットがある一方で、相場よりも安く契約が成立してしまうこともある、最悪は売れない場合もある売却方法です。
しかし、人気がある物件ならば競争入札が上手くいく可能性は十分にありますので、不動産会社に相談することをおすすめします。
競争入札のメリットとデメリットを知って、自分の不動産が競争入札に向いているようなら活用していきましょう。
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