不動産管理会社の設立がおすすめな理由とは?設立方式や利点、注意点を紹介
2023 10.21この記事はPRを含みます
不動産管理会社の設立がおすすめな理由は?
個人で賃貸物件を保有し、まとまった家賃収入がある場合には、不動産管理会社を設立することをおすすめします。なぜなら不動産管理会社を設立することにより、所得の控除や相続税対策などの利点が多くあるからです。
これから不動産管理会社を設立する方式や利点、注意点を詳しく解説していきます。今後不動産管理会社の設立を考えている方はぜひ参考にしてください。
設立する時期は?
不動産管理会社はどのような時期に設立すれば良いのでしょうか。個人事業主から法人へ切り替える主な目的は所得の控除や相続税対策のためです。そのため既にある程度まとまった家賃収入を得ている必要があります。
家賃収入が少ないのに会社を設立すると会社設立の費用や年間の税金、社会保険料の支払いだけで赤字になってしまうからです。
不動産管理会社を設立するのは、家賃収入が1,000万円を超え、諸経費を差し引いた課税所得が500万円以上になった時期にすると良いと言われています。
不動産管理会社の設立方式3つ
不動産管理会社の設立方式は、1.サブリース方式、2.管理委託方式、3.不動産保有方式の3種類があり、これらの3種類いずれかの方式で会社を設立します。それでは、3つの設立方式について詳しくみていきましょう。
不動産管理会社の設立方式1:サブリース方式
サブリース方式とは、オーナーから賃貸用不動産を一括して借り上げて、転貸する(サブリースする)方式のことです。借り上げた不動産は、不動産管理会社の名義で入居者に貸し出します。その際の賃貸料は不動産管理会社が受け取ります。
空室がある場合、サブリース方式では不動産管理会社がリスクを被るため管理料は物件収入の15~20%です。オーナーには管理料を差し引いた賃貸料を支払います。また、物件の点検、清掃、修繕や入退去手続きなどの業務は不動産管理会社が行うことが通常となっています。
不動産管理会社の設立方式2:管理委託方式
管理委託方式は、オーナーが所有している不動産の管理業務を不動産管理会社に委託する方式のことです。物件収入の5~10%が管理費として不動産管理会社に支払われます。入居者の募集から契約・物件管理・近隣住民からのクレーム対応まで可能な範囲で請け負います。
仕組みが単純で手間がかかりませんが、会社により多くのお金を入れたい場合には不向きな方式です。
不動産管理会社の設立方式3:不動産保有方式
オーナーが所有している賃貸用物件を不動産管理会社に譲渡し、名義を不動産管理会社に変更して不動産を所有する方式を不動産所有方式といいます。不動産管理会社が不動産を保有することにより、家賃収入は全額が不動産管理会社のものになります。
譲渡の際に土地まで譲渡してしまうと、値上がり益に多くの税金がかかるため、土地の名義をオーナーのままにしておくのが一般的です。不動産管理会社は家賃収入からオーナーに地代を支払います。オーナーは株主としての権利を行使できます。
とてもシンプルでわかりやすい方式で、多くのオーナーが不動産保有方式を採用しています。
不動産管理会社を設立する利点5つ
ここまで不動産管理会社の設立時期・3つの設立方式について解説しましたが、不動産管理会社を設立すると、どんな利点があるのでしょうか。不動産管理会社を設立する5つの利点について詳しくみていきましょう。
不動産管理会社を設立する利点1:経費の幅が広がる
不動産管理会社を設立すると、経費の幅が広がります。不動産所得が赤字である場合、個人事業主では土地の取得に係る借入金の利息部分は経費に加えることはできません。しかし法人であれば、たとえ赤字であったとしても全額経費として計上できるのです。
不動産管理会社を設立する利点2:所得の控除
個人の所得は累進課税制となっており、収入が多ければ多いほど税金が高くなります。また個人事業主である場合、所得の控除を受けることができません。
しかし不動産管理会社の場合は、家賃収入や入ってくる管理料を給与所得として受け取り、さらに所得の控除を受けることができます。500万円の給与所得がある場合、500万円×20%+54万円=154万円が給与所得から控除されます。
不動産管理会社を設立する利点3:相続税対策になる
個人が所有する不動産は相続するたびに相続税がかかります。個人事業主の場合、不動産経営による利益は個人の所得や財産となります。事業主本人が亡くなった時に多くの財産が残されていると、その家族は財産を引き継ぐ際に多大な相続税を支払わなければなりません。
しかし不動産管理会社を設立すれば、家賃収入は会社に引き継がれて会社を通じて分配されるため、家族に残す財産を適度な金額に抑えることができるのです。
不動産管理会社を設立する利点4:入居者の信用が増す
入居者が賃貸物件を探す際に、物件を管理している所が信用できるかできないかは、入居先を決定するかを左右する大きな要因となります。
一般的にみて、個人事業主よりも会社の方が信頼性は高いため、不動産管理会社を設立した方が入居率が上がります。また社会的な信頼性が高いと銀行の融資も受けやすくなるというメリットもあります。
不動産管理会社を設立する利点5:事業を拡大しやすい
個人事業主の場合、取引の相手によっては信用がないために相手にしてもらえない場合があり、事業拡大には限界があります。
不動産管理会社を設立することで、銀行からの融資を受けて不動産の所有を増やしたり、他のオーナーからの委託を受けるなど「法人ならでは」の信用で事業を拡大しやすくなります。
不動産管理会社を設立する際の注意点5つ
不動産管理会社を設立する利点について解説しましたが、同時に注意点も知っておかなければなりません。不動産管理会社を設立するにあたってかかる費用や税務調査など5つの注意点について詳しく解説します。
不動産管理会社を設立する際の注意点1:調査の頻度が高い
不動産管理会社を設立すると、家賃収入など建物に関する収入は会社のものとなります。建物に関する収入は、法人税の対象です。個人事業主の所得の税務調査よりも会社の法人税の税務調査の方が高い頻度になります。
税務調査のポイントは、管理業務をしているか・収入を正確に処理しているか・役員報酬額・役員報酬に対する源泉徴収・不動産管理料は適正な額なのかなどが挙げられます。
不動産管理会社を設立する際の注意点2:費用がかかる
不動産管理会社を設立するためには費用がかかります。株式会社の場合、定款認証手数料、登録免許税、定款の謄本の保存料で20~30万円は必要です。合同会社の場合は10~15万円の費用で設立できます。
収入や経費は、オーナーの所得と会社の所得に分けて計算しなければならないため、その分手間がかかります。その他にも電子定款の作成費用・会社の実印や印鑑証明などの雑費が加算されます。
不動産管理会社を設立する際の注意点3:移転の際にも費用がかかる
不動産管理会社を設立する方法によっては、移転の際に費用がかかります。不動産や土地の所有者が変わった時は所有権移転登記という手続きをしなければなりません。
前述した不動産管理会社の3種類の設立方式を「不動産保有方式」にした場合、会社を移転する際は不動産の所有権移転登記が必要になります。手続きを行う際には、不動産の固定資産税評価額2%分の登録免許料を支払わなければなりません。
不動産管理会社を設立する際の注意点4:管理委託手数料が認められない場合がある
不動産管理会社の設立方式を「管理委託方式」にした場合、不動産の所有者はオーナーです。管理委託手数料とは、オーナー所有の物件の管理に対して、オーナーから不動産管理会社に支払われる手数料のことを指します。
所得の控除や相続税対策のために不動産管理会社を設立した場合、社員である家族が管理業務を行う必要があります。しかし管理業務はノウハウがないとできないので、他の不動産管理会社にさらに委託しなければなりません。
そのような場合に、“他の不動産管理会社に委託するのなら、同族経営の不動産管理会社は管理委託手数料をうけとる必要がない”と税務調査で指摘され、経費計上されないことがあります。
民間の不動産管理会社の管理委託手数料の相場よりも高い料金を、同族会社の不動産管理会社に支払っていると高い確率で指摘を受けるので、手数料の設定は相場の8%程度にしておいたほうが良いでしょう。
不動産管理会社を設立する際の注意点5:専門家に相談する
不動産管理会社を設立する際には、金融機関からお金を借りたり、不動産を借りたりする場合などに様々な契約書を書きます。企業間の請負契約などは契約書に自社にとって不利な条件が記載されている場合があるため、専門家に相談した方良いでしょう。
また専門家にアドバイスをもらい、契約書の訂正案を取引先に提示することで、取引先の企業に「この会社はきちんとしている」という印象を与えることもできます。
専門家を取引の間にたってもらうのには、費用と手間がかかります。しかしトラブルになって大きな損害を被ることを未然に防ぐことにもつながりますので、この費用と手間は惜しまないようにしましょう。
不動産管理会社の設立を検討してみよう
この記事では、不動産管理会社の設立の方式、利点、注意点について解説しましたがいかがでしたか。不動産管理会社を設立すると、経費の幅が広がったり、所得の控除や相続税対策ができたり、入居者の信用を得られるなどの利点があります。
また会社設立・移転の際の費用や税務調査の頻度が高いなどの注意点もあるため、メリットやデメリットを考慮して所有の賃貸物件の収入状況などに合わせた方法で設立しなければなりません。
まとまった額の家賃収入がある場合には、設立する時期を見定めて、不動産管理会社の設立を検討してみてください。
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