贈与税が非課税になる可能性があるケース10個|活用するときの注意点とは?
2023 10.6この記事はPRを含みます
贈与税とは?
「贈与税」とは、個人から財産をもらった場合に発生する可能性のある税金のことです。贈与税がかかる場合に実際に税金を支払う必要があるのは、財産をもらった人(受贈者)です。
贈与税は親子でも夫婦でも、通常の生活費を超えた財産や高額な財産をあげた場合には発生する可能性があります。注意したいのは、財産をもらったからといって必ず贈与税が発生する訳ではなく、贈与税がかからないケースもあるということです。
相続税との違い
贈与税と相続税は財産を贈る側ともらう側がいるという点は似ていますが、贈与税がいつでも発生するのに対して、相続税は財産を贈る側が亡くなった時のみ発生するという点が違っています。
さらに贈与税が年110万円以上で税金が発生するのに対して、相続税は基礎控除として3,600万円までが非課税となっています。税金が発生する金額にも違いがあるので、どちらのケースが得になるのか覚えておくとよいでしょう。
贈与税非課税枠とは
贈与税の非課税枠とは、一般的にはその年の1月1日から12月31日までの間、基礎控除として110万円までは非課税となる枠のことです。
つまり、1年間に110万円までなら贈与しても贈与税はかからないことになります。さらに、非課税枠内の贈与であれば、税務署に申告書を提出する必要すらありません。
非課税枠が設定されている背景
贈与税に非課税枠が設定されている背景には、消費拡大という目的があります。そもそもどうして贈与税に非課税枠が設定されているのかというと、贈与税に非課税枠を設けることで、高齢者が貯めている財産を経済活動の活発な現役世代に移すことを狙っています。
贈与税の非課税枠は、長年にわたって60万円でした。その非課税枠では不十分であるとし、2001年度の税制改正によって110万円に引き上げられています。
贈与税がかからない可能性がある10個のパターン
贈与税は個人に財産を渡したら必ず発生する、という税金ではありません。贈与税には贈与税がかからない、いわゆる非課税になるパターンが10個あるのでご紹介します。
贈与される財産の額や、贈与の用途によって色々なパターンがあります。自分が贈与を受ける場合、どういうパターンなら贈与税がかからないのか知っておくとお得に活用できるでしょう。
贈与税の非課税制度1:暦年贈与
贈与税がかからない場合、1つ目は非課税制度である「暦年贈与」として、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産の合計が110万円以下であった場合です。
1人から110万円ではなく、合計額であることに注意してください。財産をもらう側である受贈者が1年間に受け取った財産が全部で110万円以下なら、暦年贈与として非課税枠となり、贈与があったとしても税務署に申告する必要はありません。
贈与税の非課税制度2:住宅等取得資金贈与
「住宅等取得資金贈与」は2022年(令和4年)の1月1日から2023年(令和5年)の12月31日までの間に、自分の居住用住宅の新築または増改築、取得のために直系尊属(父母や祖父母)から贈与を受け、一定の要件を満たすとき、それが非課税限度額以下であった場合は非課税となる制度のことです。
非課税限度額は年ごとに減っていくため、自分が贈与を受ける際にはどこまでが非課税枠なのかチェックしておきましょう。
贈与税の非課税制度3:相続時精算課税
「相続時精算課税」とは簡単に言えば、子供や孫といった相続対象者に対して相続ではなく早いうちに前渡しで贈与し、その額が贈与者1人につき2,500万円まで非課税で贈与できる制度です。
暦年贈与と併用することは不可で、一度相続時積算課税を選択すると撤回できません。相続時積算課税した上でさらに相続があった場合、相続時積算課税で贈与した額を足して相続税が計算されるため、新たに相続税が発生する場合があります。
贈与税の非課税制度4:教育資金贈与
「教育資金贈与」は2013年(平成25年)4月1日から2023年(令和5年)3月31日までの間に、30歳未満で直系尊属(父母または祖父母)から教育資金として贈与された場合に、1,500万円までは非課税になる制度です。
教育資金として認められるのは、学校教育法の学校や教育を受けるために必要不可欠な資金として一般的に認められている費用などです。学習塾やスポーツ活動に対して適用されることもあります。
贈与税の非課税制度5:結婚・子育て資金贈与
「結婚・子育て資金贈与」は2015年(平成27年)4月1日から2023年(令和5年)の3月31日までの間に、18歳以上(令和4年3月31日以前の信託受益権または金銭等の取得については「20歳」)50歳未満の人が直系尊属から結婚や子育てを目的とした資金の贈与を受けた場合、最高で1,000万円までが非課税になるという制度です。
最高で1,000万円ですが、結婚資金としては300万円が上限となっています。残りの700万円は子育て資金目的での贈与でなければなりません。
贈与税の非課税制度6:おしどり贈与
「おしどり贈与」とは、結婚してから20年以上経った夫婦間で居住用の不動産を購入するために贈与を受けた際、2,000万円まで配偶者控除で非課税になるという制度です。
おしどり贈与の場合、贈与税の非課税枠とも併用可能です。つまり、最高で2,110万円までの贈与なら非課税になります。ただし、この配偶者控除は同じ配偶者からは1度しか受けられませんので注意してください。
贈与税の非課税制度7:小遣いや生活費
祖父母や父母から子や孫にお小遣いや生活費が渡されることがありますが、これは贈与税の非課税枠110万円以下、あるいは一般常識の範囲内の生活費であれば非課税となっています。
子供へのお小遣いが年間110万円を超える、というケースはあまりないでしょう。生活費や教育費は非課税となっています。ただし大金のお小遣いや、生活費以外の用途に使われた生活費は贈与税の対象となることがあります。
贈与税の非課税制度8:特定贈与信託
「特定贈与信託」は特定障害を持つ子供等に対して、親や篤志家が信託銀行等に財産を託して、その後は信託銀行が預けられた財産を管理・運用して特定障害者の方の生活費や医療費として定期的に金銭を交付してくれる信託です。
特別障害者で6,000万円まで、特別障害者でなくても特定障害者であれば3,000万円までの贈与について非課税となります。特定障害をもつ子供の将来を心配して、活用されることが多いでしょう。
贈与税の非課税制度9:家族信託
「家族信託」は自身の老後のため、介護のために信頼できる家族を受託者として指定する形であり、将来の自分が受益者になるために贈与税はかかりません。
自分が将来介護が必要になった時のため、老後に何があるか分からないために、信頼できる家族を受託者として財産を管理してもらうのが家族信託です。受託者は信託銀行や信託会社と信託契約を結びます。
贈与税の非課税制度10:生命保険の非課税枠
生命保険を受け取った人が生命保険の契約者や保険料を支払った被保険者でない場合は贈与税の対象となりますが、非課税枠として110万円までが課税対象外となります。
生命保険における贈与税の非課税枠はあまりありません。しかし、生命保険の中でも「給付金」とついているものはその多くが非課税となっています。
非課税制度以外で活用できる2つの節税方法とは?
贈与税の非課税制度以外で、もっとお得に節税できる方法もあるのでご紹介します。
贈与税については、基礎控除とも呼ばれている暦年贈与で年110万円までは非課税ということ以外はあまり知られていません。しかし利用の仕方によっては、贈与税を活用した方が節税できるような場合もあります。ここでは2つの節税方法について見ていきましょう。
生命保険の活用
生命保険では保険契約者と被保険者(保険料を支払った人)、保険金の受取人が別人の場合は被保険者から受取人への贈与と見なされますが、贈与で保険料を支払う被保険者と受取人が同一人物であれば、贈与税の対象とはなりません。
被保険者と受取人が同一人物であれば、相続税の対象となります。基本的にはそのまま贈与税の対象とするよりも、保険料を贈与で支払って相続税の対象とした方が節税になるでしょう。
NISAやiDeCo
「NISA」は個人投資家を対象とした少額投資非課税制度のことで、日本に居住する20歳以上で非課税口座内の、少額上場株式等の配当金や分配金、譲渡税などが非課税対象となります。
「iDeCo」は個人型年金で、掛け金や利息・運用益が非課税です。年金受け取りの際も一定額までは税制の優遇を受けられるようになっており、年金として受け取ると公的年金等控除に、一時金で受け取ると退職所得控除の対象となります。
また、iDeCoに関連する記事を以下のリンク先にまとめていますので、興味がある方はご参照ください。
iDeCoを運用するメリット8つ紹介|iDeCoを始める手順とは
iDeCoはいつから始めれば良い?判断する方法4選やメリットを解説
iDeCoの利益確定するタイミングは?利益確定方法2つと注意点をご紹介!
贈与税の非課税制度を活用するときの4つの注意点とは?
贈与税は必ずかかる税金ではなく非課税になるケースもある、ということを解説してきました。しかしながら、これらの非課税制度を利用するにあたって、いくつか気をつけておかなければならない注意点があります。
場合によっては贈与税が非課税にならないケースも出てきてしまうため、チェックしておきましょう。
制度活用時の注意点1:暦年贈与は計画的贈与とみなされる場合がある
年間110万円までの贈与は暦年贈与として非課税ですが、もしもそれが長年にわたって続けられた計画的贈与とみなされた場合は、贈与税の対象となる可能性があるので注意しましょう。
毎年同じ額を定期的に贈与する、というのは危険です。同じ時期にするというのも避けるべきでしょう。計画的な贈与と見なされないためには、毎年贈与契約書を作成し、贈与金額を変え、時に110万円以上贈与して贈与税を申告するとよいでしょう。
制度活用時の注意点2:非課税制度は重複活用できない
全てではありませんが、基本的には非課税制度を重複で活用できないことを覚えておいた方がよいでしょう。
例えば、相続時積算課税の非課税制度と暦年贈与は併用できません。もしもそのことを知らずに暦年贈与の範囲として年110万円の贈与も共に行っていた場合、贈与税の課税対象となってしまいますので注意してください。
制度活用時の注意点3:申告書提出が必要な贈与税もある
暦年贈与で1年間に110万円以上の贈与を受けた場合と、相続時精算課税を使う時は贈与税の申告書を提出しなければなりません。
相続時積算課税については、暦年贈与の非課税枠内であっても申告が必要なことに注意が必要です。そして相続時積算課税を使う場合は、その年の暦年贈与は併用できません。たとえ100万円の贈与で暦年贈与なら申告が必要ないケースであっても、相続時積算課税なら申告が必要です。
制度活用時の注意点4:相続開始日から3年以内の贈与は課税対象になる
相続開始日の前、3年以内の贈与は暦年贈与であっても相続と見なされるため、相続税の課税対象になることに注意しましょう。
従って、相続税対策に亡くなる直前で贈与するというのはあまりよろしくありません。結果的に相続に加算されてしまうからです。ただし、相続の対象にならない人への贈与ならば相続の対象とはみなされませんので、効果的に活用しましょう。
生前贈与制度の活用で贈与税の非課税化や節税することができる!
誰かが亡くなった後、その財産を受け継ぐと相続税が発生します。そこで生前贈与として贈与税の非課税制度を活用することで、節税効果を高められます。贈与税の非課税制度はいくつかありますので、実施できればかなり効果があるでしょう。
贈与税の非課税制度を活用して生前贈与をし、効果的な節税をしていきましょう。
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